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レモンピューレー公爵家の四姉妹長女は冒険者貴族の我が家にて楽しく発明します!便利なモノでいつでも快適にグルメだって再現したい  作者: リーシャ


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14母のアドバイスはいつも助かる

 その時、ちょうど公爵邸に戻ってきたお父様とお母様が様子を見て駆け寄ってきた。


「どうした、キャロル!何があった?」


 お父様が心配そうに尋ねる。


「庭に妖精が落ちてて。すごく弱っていて……」


 事情を説明するとお父様とお母様はすぐに状況を理解した。


「妖精が……これは一大事だ。妖精は世界のバランスを保つ上で重要な存在だ。すぐに助けなければ」


 冒険者としての経験から妖精の存在がいかに貴重であるかをよく知っていた。


「妖精の魔力は、非常に純粋ですが、同時に外部の干渉に弱い特性を持っています。魔力回路は何らかの強い衝撃によって、完全に遮断されているようです」


 お母様は公爵家の女主人として魔法理論にも精通していたから、すぐに妖精の魔力状態を察知し、原因を特定した。


「遮断された魔力回路を回復させるのは非常に難しいわね」


 お母様が顔をしかめる間も、姉妹たちの協力は続いていた。


「キャロル姉さま、お母様!薬草ですわ!妖精の魔力を活性化させる効果があるそうです」


 ミーチェは夜遅くまで庭中を探し回り、珍しい薬草をいくつも見つけ、薬草をすり潰し、妖精の口元にそっと含ませた。


「キャロル姉さま、古文書に妖精は特定の音色に反応して魔力を回復させるとの記述がありましたわ!音色がもしかしたら……」


 ユミスは古文書の中から見つけ出した楽譜をキャロルとお母様に渡す。妖精が好むとされる特別な魔力を持つ旋律。ソフィアは妖精のために小さな花束を摘んできて妖精の枕元にそっと置いた。


 ユミスが見つけた旋律を小さな声で口ずさみ始め、ソフィアの歌声は妖精の心を優しく包み込む。

 全員の協力とお父様とお母様の経験と知識によって、キャロルは新たな治癒の魔導具の構想を練り上げた。


 無限の生命力の技術を応用し、対象の魔力回路を直接修復し、生命力を再起動させる魔導具。


「生命の鼓動を作る。これならきっと妖精も元気になるはず!」


 陽光石の核から抽出した高密度の魔力と、お母様が特定した特殊な共鳴周波数を組み合わせた、新たな魔力回路を設計した。


 遮断された魔力回路に直接働きかけ、心臓の鼓動のように生命の力を再び送り込む。


 お父様は遠征で得た珍しい魔石の中から、生命魔力を効率よく伝達する性質を持つものを探し出してくれた魔石は魔導具の核となり、より安定した生命エネルギーの供給を可能にした。


 完成した生命の鼓動は手のひらサイズの、脈打つような光を放つ小さなカプセルの形。カプセルを妖精の胸元にそっと置いた。


 緑色の柔らかな光が妖精の体を包み込み、微かな振動が伝わってくる。妖精の体から放たれていた弱々しい光が、少しずつ、力強く輝き始め、数分後、妖精はゆっくりと目を開けた。

 瞳はエメラルドのように輝き、破れていた羽根も、元の美しい透明な姿に戻ってる。


「あ……ありがとう……」


 妖精はかすかな声で呟くと、ふわりと宙に舞い上がった。キャロルたちに優しく微笑み、再びきらきらと光りながら夜空へと消えていく。

 飛び去った後も公爵家の広間には温かい感動が残っていた。


「妖精、元気になってよかったね!」


 ミーチェが嬉しそうに飛び跳ね、ソフィアも満面の笑顔でキャロルを見上げている。


「お前は本当にすごいな。こんな魔導具まで作ってしまうとは……」


 お父様が感慨深げにキャロルの頭を優しく撫でた。


「ええ、キャロル姉さまの魔導具は本当に奇跡を起こしますわね。私たち家族みんなの力が合わさったからこそ妖精さんを救うことができたのですわ」


 ユミスが優しく微笑みながら言った。


「そうだね。みんなが協力してくれたおかげ」


 家族全員の顔を一人ずつ見つめ、心から感謝した。


「キャロルお姉ちゃん、次は何の魔法の道具を作るの?」


 朝ごはんの時間にミーチェがキラキラした目で聞くのは、妖精を助けてからみんなキャロルの次の発明にいつも以上にワクワクしていたからだろう。


 テーブルにはミーチェが新しく作った、ちょっと緑色のパンが並んでる。中には生命の葉のエキスが入ってるんだって。


「うーん、そうだなあ」


 キャロルはパンをもぐもぐしながら考えた。妖精を助けたことで、生命の力をもっと深く知ることができた気がする。


 これをみんなの生活に役立てられないかな。


「この間、お父様が言ってた時間を戻す魔法の道具も、面白そうですわねぇ」


 ユミスがお上品に紅茶を飲む。


「それはさすがに難しすぎ、ユミス。まだ命の根本的なことがよく分かってないのに、時間なんてムリムリ」


 ちょっと困った顔で笑った。前に住んでた世界でも、 タイムトラベルはSFの世界の話だし、この世界でもそれはやっちゃいけないことだとされてる。


「でもね、今回の妖精のことのおかげで、命の力を前よりうまく扱えるようになった気がする。例えば植物が一瞬で育つ魔法の道具とか、どう?」


 ミーチェとソフィアの目がパッと輝いた。


「わぁ!それ、素敵ですわ!お庭のお花がすぐに満開になるんですの?」


 ミーチェは嬉しそうにぴょんぴょん跳ねた。


「お野菜も!すぐに大きくなるかな?」


 ソフィアも小さな声で聞く。


「そう!これがあればどんな場所でもあっという間に緑を増やせるはず!」


 新しい魔法の道具のアイデアに胸をワクワクさせた。

 目指したのは植物を早く育てるだけじゃない、もっとすごい魔法の道具で、枯れた土地を豊かにしたり、荒れた自然を元に戻したりするような根本的な道具になる。妖精の生命力を元気にさせた経験が、アイデアの大きなヒントになった。


「命の鼓動で命のエネルギーをもう一度動かすことはできたし。今度は植物の成長のリズムに働きかけて早くする方法を見つける」


 作業部屋で設計図を広げ、前に住んでた世界の植物工場とか遺伝子操作の技術と精霊魔法や自然の魔法の知識を混ぜ合わせようと試みた。


「植物が育つには、光、水、栄養、適切な魔力が必要になります。これらのものを一番いい形で与えて命の魔力を集中させることができればできるかもしれませんね」


 お母さんがキャロルのアイデアをじっくり聞きながら、専門的な視点からアドバイスをくれた。

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