表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

飴色に染まる ─白き異能の令嬢と魔力に喰らわれた騎士の婚姻譚─

作者:綿谷ユーリ
 伯爵令嬢セレナは、触れた相手の魔力を吸収する〝魔喰い〟の異能の持ち主。呪われた存在として、生家で長年幽閉されて育つ。唯一自分を庇ってくれていた兄も失い、生ける屍のように時を過ごしていた。

 ある日、突如セレナに縁談が舞い込む。相手は最強と恐れられる魔法騎士ジュード。彼は先の大戦で大活躍し、来たる授爵式で男爵位を授与されることが決まっていた。早く厄介払いがしたい父の意向により、セレナは見ず知らずの新参貴族(見込)である彼の元に嫁ぐこととなる。
 ジュードに会うため王都へ向かったセレナは、理性を失って暴れ回る彼を目撃する。実はジュードは人並み外れた魔力量を持ち、時折それを制御しきれず魔力暴走を起こしてしまうという悩みがあった。セレナはジュードの暴走を防ぐため、彼の魔力を吸収する目的で結婚相手に選ばれたのであった。

 ジュードにはかつて魔力暴走で多くの人命を奪ってしまった過去があり、人を遠ざける癖があった。妻となったセレナに対しても、魔力の受け渡し以外では一切関わろうとせず冷淡な態度をとる。帰るべき家もないセレナは、孤独と不安に苛まれながらも、彼が暴走してしまわないようにと魔力吸収に協力する。疎まれ続けて生きてきたセレナには既に生きる気力などなく、いつか自分の異能がジュードの役に立たなくなったその時は、生家に戻るのではなく命を絶とうと考えていた。

 互いに深い心の傷を抱えた二人の新婚生活は、平行線を描くように心が交わらないまま滑り出す。そんなセレナとジュードの関係は、授爵式での事件をきっかけに大きくうねり出す。

 温もりを忘れてしまった二人が、少しずつ心を重ね、失った感情を取り戻していく――静かなる癒しの婚姻譚。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ