第三十六話 マスカルン城の邂逅
そのころ、夏菜たちはユメリア王家が滅びた跡地、ユメリア王国にきていた。
ユメリアは国の名前だけは残っているが、ユメリア王家はラクイン王を魔王バヌーラに殺され、一般的には滅びたことに通説ではなっていたのだ。
母は生きているかもしれない。夏菜はそう思っていた。
もしかすると、生き別れの兄弟もいたかもしれない。
少しだけ、希望が夏菜にはわいていたのだ。
そして、夏菜はユメリア王家のマスカルン城跡地にきていた。
当然、夏菜がオーバークロニクルでみた記憶のように、城は魔王バヌーラに爆発魔法でこなごなに壊されていた。
だが、城という形は、とどめていた。
夏菜とアエリア、アミルラナ、他のみんなも集結していた。それにファイもいた。
「姫さまが一度みたいと、いうものですから、移動魔法でユメリアのマスカルン城にきたものの、ひどいありさまでしょう。これが、魔王軍のやりかたなのです」
アミルラナが、悔しい顔でいった。
みな、一様に、うつむき悔しい顔をした。舌打ちするものもいた。
「そうです。こんな無差別に破壊行為をする魔族をのさばらせておくわけにもいかないのです」
アエリアも昔を思い出したかのようにいった。
「ねぇ、アエリア、ここに十字架だけあるけど、まさか、この場所って?」
「どんなオーバークロニクルをみたのかはしりませんが、ここで、魔王との最後の死闘を繰り広げラクイン王はなくなられたのです」
「え、じゃぁ、ここが、あの修道院だった場所なの?」
夏菜の動きが止まった。みんなも歩くのをやめた。
カスミンとダンが辺りを見回している。
アエリアがおもむろに口を開いた。
「よくご存知ですね。もしかして、最後の死闘をみられたのですか?」
「そうなの。たしか、バヌーラがいて、アエリアとアミルラナもいて、あたしが赤ん坊でかごに入っていたの」
「そうですか、みられたのですね、お父様の死を」
「たしか、この辺りにあたしのかごが置かれていて」
そういうと、夏菜はまた前方に歩いていく。
みんなの視線が集まった。
「それで、この辺にあたしのお父さんがうずくまっていたの」
夏菜が涙声でいった。
その夏菜がいる位置で、ラクイン王が殺されたのがみなにもわかることだった。
悔しそうな顔をするものもいた。
うつむいて、くちびるをかむものもいた。
異世界からきたファイにもそれはわかることだった。かたく口を閉ざしていた。
そして、夏菜はまっすぐ前に歩き、十字架を触った。
「アミルラナ、あたし、ファイさんと同じで異世界からきたものだけど、ここにいるみんな、良い人たちば
かりで、みんながこんなに戦闘で戦って、傷を負ったりして、命をなくしたりまでして、そんなひどいことから、あたし、みんなを救いたい」
夏菜の剣幕は真剣そのものだった。みんなの心にもその言葉は届いた。
終始、みなにほほえみが生まれた。
「ソニア姫さま。その言葉だけでも、私は嬉しいです。ここにいるみなの気持ちも姫さまと同じです」
アミルラナは嬉しそうな顔でたんたんといった。みなもその瞬間、うなずいた。
もちろん、それは、異世界からきて、この世界を助けるといったファイもだった。
みな、平和を願う気持ちは同じだったのだ。
そのときだった。
「え、なに?」
夏菜が持っていたユメリアの宝玉が光り、触っていた十字架が急に光りだした。
その光は、その場にいた全員を包み込んだ。
これはいったいどういうことなのだろう。敵なのか。
☆☆
お疲れ様です。
少しの間更新が滞っていましたが、終わらないので、こちらのほうも応援よろしくお願いいたします。
疲れましたね、読者様も。こんな時間帯に更新して読んでいただいてすみません。
この時間帯にしかできない事情もありまして。
魔双戦記の方もよろしくお願いします。ファイがこちらは主人公です。バトルバトルですが。
読み物としてがんばっていくのでブックマークなどしていただけるとうれしいです。
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