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第三十七話 王の記憶



「アミルラナよ、元気にしていたか?」



「ラ、ラクイン王さま」



 なんと、目の前にラクイン王が現われていた。



アミルラナが、ラクイン王にかけ出し、涙を流し、抱きついた。



 その場にいる一同がまさかと面食らった。



 夏菜(かな)も泣いていた。



まさか、こうして、実の父親と直接あえて話ができるとはおもわなかったのだ。



「はは、自分も会えて嬉しいぞ。泣くな。だいぶ、そちも歳をとったな」



「は、はい。うぅ」



 思いがけないサプライズに、ラクイン王を慕っていたアミルラナは嬉しくて泣いていた。



「お父さま」



「ん、わかっておるぞ。泣くでない、ソニアよ。魔王との死闘のとき、わしは、お前の姿がみえていた。わ

しをかばってくれていたな。ありがとうな」



「おとうさま」



夏菜(かな)も本当の父親と話ができたことに、うれしくて、涙を流しながら抱きついた。



みなも、かけよった。ファイは、少し離れて、修道院の柱にもたれかけていた。



「王様、ユメリアの聖騎士団ホーリーアークのものです」



「あたしも」「おれも」



「そうか、ユメリアのものか。見かけない顔がいるなとは思っていたが、アミルラナよ、よい部下を持っているようだな」



 ラクイン王は、ダンの頭をなでながらいった。



 その問いに、アミルラナが泣きべそをかきながら答えた。



「はい」



「アミルラナよ、お前がまとめていれば、騎士団は大丈夫だろうな」



 いうと、ラクイン王は後ろの方にいたアエリアに気がついた。



「ん、そちは、羽が生えておるな? もしや、天使か?」



「フフ、あなたさまが魔王との死闘のとき、ソニア姫さまを助けるために呼び出した守護神ですよ」



「ほう、よかった。ソニアを守ってくれて、すまないな」



「いえ、私はユメリアの守護神ですから、当然のことをしたまでです」



 アエリアは、ラクイン王の言葉にニコリと笑い、嬉しそうに答えた。



 そして、ラクイン王は夏菜(かな)の頭をなでた



「ソニアよ、大きくなったな。お前の成長した姿をみえて、嬉しいぞ」



「おとうさま」



 夏菜(かな)はまた泣きそうだった。



「わしは、もうすぐ、消えるかもしれん。だが、また会えるかもしれん。それは、ユメリアの宝玉によればだ。魔王バヌーラはまだ生きておるのであろう?」



「それが、申し訳ありません、健在なのです」



アミルラナが頭を下げながらいった。



「アミルラナよ、そちが謝ることはない。このわしでも倒せなかったのじゃ。倒すには、みんなの力を合わせることが必要じゃ。ソニアを助けてやってくれ」



「はい。ラクイン王様」



 アミルラナがそういうと、ラクイン王の足が急に消えだした。



「体が消えて来ている。どうやら時間がきたようじゃ」



「王様!」



 その場にいるみなの声がはもった。



 ファイは遠めでその様子をじっとみていた。



「みなの窮地には、またわしはきっと現われるだろう。ソニアよ、魔族には屈してはならん。屈しれば、それは魔族に支配されるも、殺されるも同じことだ。みな、気持ちを一つにして戦うのじゃ。ユメリア王国をソニアよ、お前の手で再興するのじゃ」



「はい、おとうさん。消えないで」



 夏菜(かな)の目には大粒の涙がたまっていた。



 その場にいる誰もが、つらかった。



「ソニアよ、お前の母は生きておる。きっとどこかでひっそりと生活をしておる。きっと、お前が生きておることをしれば、力になってくれるであろう。探してみるのじゃ」



 ラクイン王の体が後は頭だけになり、最後にビッグニュースをひとつ教えてくれた。



「え、あたしのお母さんが生きてるの?」



「アエリア、身を呈してまでソニアを守ってくれてすまんな」



 ラクイン王の目はするどかった。その目は、アエリアの背中をみていた。片方の羽がもぎとられているの

に気付いたのだ。



「これくらいの傷、姫さまを守るためなら」



「すまぬな、わしが生きていれば、守れたものを。アミルラナ、アエリア、他の騎士団のみな、ソニアを頼んだぞ」



「お、おとうさま」



 夏菜(かな)がそういうと、ラクイン王はその場から消えていた。



 そして、気がつくと、さっきいた、修道院にいた。



 なぜか、十字架の前にすごい装飾の剣が一本あった。



 これはもしや?



「こ、これは、王様の剣、聖剣エクスキャリバー!」



アミルラナが思いがけないことをいった。ラクイン王からの最後の贈り物だったのだ。



「え、おとうさまの、剣?」



 夏菜(かな)は聖剣エクスキャリバーを拾った。



「アエリア、あたし、命がなくなるまで、魔王軍と戦うわ。絶対に魔族には屈しない。だって、あたしのおとうさまが命をなくしてまで教えてくれたんだもん」



「ひめさまらしいですね。ここにいるみんな同じ気持ちですよ」



 アエリアがそういうとみな、うなずいた。それはファイも同じだった。



 そして、夏菜(かな)は聖剣エクスキャリバーを天に掲げた。



 異世界からきた、夏菜(かな)もこの世界を救う救世主だったのだ。



 剣が太陽光線で光り輝いた。それはなき王が返事をしているようだった。



 その場にいる誰もが続けて、剣を空にかざした。笑顔が同時に生まれた。



「きっと、信念を貫いて、信じる心をやめなければ、成し遂げられる。さて、アジトへ帰りましょ。みんなで、ユメリア王国を再興するのが、あたしたちの最大の目標なんだから」



「そうか、なら、俺も手伝うとするか」



 隣にいたファイが手を振り、合図を送った。



ソニア姫にはタイムメールという、性別が時間で変わる呪縛がかけられている。



アミルラナにも、アエリアにもそれが一番、頭の隅にかかっていた懸念ごとだった。



だが、それは魔王を倒さないと一生、説けないという呪縛だった。



ソニア姫にはしかし、アエリア、ファイ、アミルラナ、他にも心強い仲間がいた。



みなの想いは同じ。異世界からきたファイもなぜ、異世界に来たか目的はわからないが、ソニアのために力を貸そうとしていた。これからが正念場だ。魔王軍はきっと攻めてくる。



明日からが、また再興のための戦いだ。それにソニア姫の本当のお母さんも生きている。



それを教えてくれた父がいた。みなは魔法陣の中に入り、パチンカラのアジトに帰った。



















☆☆







おひさしぶりです。

おはようございます。

この物語も、少しずつ更新していきたいと思います。

ファイも今の段階だと出てきてますし。

魔双戦記の方もよろしくお願いします。

強さ的に言うと、設定が違いますが、魔双戦記より一つ下です。

ですが、この世界独特の戦い方やアイテムなどがあるのでそこらへんは楽しめるかと思います。

よければブックマークなどお願いします。読み物としてがんばっていきます。

またお会いしましょう。

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