第三十三話 赤き竜の最期
なんと、グルギアーラのシッポが夏菜の後ろから襲いかかろうとしていた。
それがみえていたのは、夏菜の前にいたファイだけだった。
「(いけない)そこをどくんだ! やらぁ!」
ファイは持っていた短刀をグルギアーラのシッポになげうった。
それは見事に命中し、夏菜へのシッポのうちこみをさまたげた。
「グルギアーラ! しまった、ひめさまー」
近くにいたダンが気付いた。だが、気付くのが遅かった。
シッポははじかれたものの、また襲いかかってきた。
今度は余りに至近距離で、かわす余地がない。
いったいどうする?
「炎!」
BWOOOO!
夏菜が後ろをふり向いた瞬間、ファイは手から炎を出していた。
おそらく、ファイの炎の術だろう。魔法のようで、それは発動し、シッポに直撃した。
シッポはそれをくらうと、先端から最後まで見事に灰となり塵と化した。
「トカゲみたいなやつだな。シッポを切り離している。さすが、ドラゴンだ。生命力が半端じゃないな、首
と本体も念のために燃やしておくか」
そういい、ファイはグルギアーラの本体のほうに歩いていき、さっきの炎の術をしかけた。
すると、一瞬のうちに首と巨体が灰となり消えた。
もう、完全にこの世界からグルギアーラのからだは消えた。
ファイが額の汗を手でぬぐった。
「これでもうだいじょうぶだ。ふぅ間に合ってよかったぜ」
「(この人、強い。戦いなれてる。一体、どういう世界で生きてきたんだ。それにあのだいだい色の目、人間の目の色じゃない。まるで)」
ダンは、ファイの強さに驚嘆していた。剣を扱うものならわかることだったのだ。
ファイが落ちている短刀を拾い、手を切ろうとした。
アミルラナがファイの手をもち、きるのを止めた。
「はなせ。わからないなら、赤い血を出して、証明してやる」
「ファイさん、切らないでください。あなたは気付いていないかもしれませんが、斬る時にグルギアーラの鱗か何かがはじいて、顔に小さなすり傷がありますよ。赤いですよ」
夏菜が思い切ったことをいった。ファイはおどけた顔をした。
「傷? へ、こりゃ男ひめさまの方が上だな。一本とられたな」
その血はたしかに赤かった。間違いなく人間としての証明だった。
「はは、ダン、これで収まりがついたか?」
「疑ってすみませんでした、ファイさん」
ダンは剣を鞘に納め、ファイに向かって、頭をさげた。
「いいや、構わないぜ。俺は正義感が強くて、そういうくってかかってくるやつは好きだな。俺も昔はお前のように、姫さまを警護する騎士をしていたからな」
「騎士さまだったのですか」
カスミンが驚いた顔でいった。
みな、顔を向け合った。ほんとに異世界からきた人なのかというのが疑問点だったのだ。
アミルラナがファイの肩をポンとたたいた。
「どうりで、強いはずだ」
「そうか? 野暮なことだったな」
「とりあえずだ、意気投合したところで、パチンカラにある我らのアジトへみな、帰りましょう」
「そうだな。よし、賛成だ。いこうぜ」
ファイも笑顔で返した。レイの言葉にみな、賛同して、うなずいた。
新たな仲間が加わったのだ。それもとびきりに強い人だった。
パチンカラ街の窮地を救い、誰の顔にも、笑顔が生まれていた。
夏菜の大胆な攻撃があったが、指揮官を失くさずにもすんだ。
だが、肝心の夏菜には、バヌーラの魔法の呪いがかけられたままだった。
そして、みな、アジトへ向かったのだった。
☆☆
おつかれさまです。
こんな時間帯に見てくださってありがとうございます。
ファイ大活躍してますね。強いですね、さすが元の世界が戦いばかりですから。
よければ、魔双戦記の方ものぞいていってください。
読み物としてがんばっていくのでブックマークなどしていただけるとうれしいです。
感想も何でも書いていただけるとうれしいです。お待ちしてます。
またお会いしましょう。




