第三十話 死闘
面々に疲労の色がこくなってきていた。
人間だからだ。スタミナがきれることは当然のことだった。
カスミンが剣を構えながら口を開いた。
「くそ、ブレスが強力すぎて、これ以上近寄れない! 一体どうすれば?」
「やつの弱点でも判れば、私がなんとかできるものを」
アミルラナがそういった矢先だった。
「う、う、うーん」
「アエリアさん、ソニア姫さまの意識が回復いたしました」
ダンが知らせた。夏菜が目を覚ましたのだ。せいさんな過去をみてきたのだ。
目には涙がたまっていた。
ダンが心配そうに顔をのぞきこんでいた。
「あ、あれ、今、お父さんが、いて、あ、あれ?」
そのときだった。
BOOO!
なんとグルギアーラの炎が夏菜のほうにとんだ。
ダンの目の色がかわった。
アミルラナの剣幕がかわり、夏菜のほうにいって、急いで守ろうとした。
しかし、間に合わない。距離がかなりあったのだ。
「危ない、姫さま! ダン!」
「ふぅ、危ない、危ない。ぎりぎりセーフだ」
ダンがそれを見計らい、夏菜を両手で抱いて、ちがう建物の影に隠れるのに成功した。
「くそ、手に追えない、グルギアーラめ」
アミルラナはそれをみると、ほっとしたが、炎がすごいため、疲労が目にみえていた。
くやしそうに、くちびるをアミルラナはかんだ。
ダンが、高台へ移動し、ゆっくりと、夏菜を建物の上に下ろした。
「ここなら安心ですよ。高台ですから」
「ありがと、ダン」
夏菜は笑顔でダンの手を少し握った。
助けてもらったうれしさでいっぱいだったのだ。
「なんだか、男の容姿で言われると、微妙な感じですが」
ダンは少し顔を赤らめ、照れくさそうに頭の後ろを手でかいた。
そのとき、夏菜が重要なことを思い出した。
そう、オーバークロニクルでみたものと一致していたのだ。
夏菜がおもむろに口を開いた。
「(あの竜、さっき、お父さんが倒した竜とそっくり)ダン、あの竜って?」
「魔王軍の赤竜、グルギアーラらしいです。キャンキャが魔力で復活させたらしいのですが」
ダンが真面目な顔でいうと、夏菜は突拍子もない顔をした。
夏菜は言葉をつむいだ。
「キャンキャ・キレイザーもいるのか? アエリア、あたし、いや、俺みたんだ。記憶の中で、お父さまが
グルギアーラの右の赤い目を剣でついて倒したの」
ダンがそれをきくと、ハッとしたような顔をした。
まさかと思ったのだ。
そして、ダンは再度、グルギアーラのほうをみた。
そこでは、炎を続けてはいて、騎士団との死闘が展開していた。
「お父さまがね、そのときグルギアーラの赤い目は心の臓とつながってるともいってたの」
「え、ほんとですか、ソニア姫さま」
ダンはこくりと夏菜を見てうなずいた。
口に両手をあて、大声を出すポーズをとって、ダンは思いっきりいった。
「アミルラナさまぁー、弱点は姫さまのオーバークロニクルによると、あの赤い目らしいです。赤い目は心
の臓とつながっているとのことです」
「なに、ほんとか? よし、レイ、ライ、アエリア、カスミン、隊を組んで切り込むぞ」
アミルラナがそれをきいて、ニヤリと笑った。
弱点さえわかれば、騎士団にも攻撃のしようがあったからだ。
みなの士気が急に上がった。
レイ、ライ、アエリア、カスミンの動きが速くなり、みな、剣を構えなおした。
だが、このとき思いがけないことが起こった。
アミルラナの目の前に突如、夏菜が駆け出してきていた。
夏菜は思いっきりグルギアーラの前にでて剣をふりかざした。
「でやぁぁぁああぁッ」
「姫さま、いけません! 危険です」
アミルラナの制止にも耳をかさず、夏菜はグルギアーラのほうに突っ切っていく。
その場にいる誰もが、夏菜の行動に対して前に動いた。
アミルラナもそうだった。
しかし、間に合いそうにもなかった。
夏菜はグルギアーラの懐に入るのに成功した。
グルギアーラはそれを見計らい、強力なブレスをはいてきた。
直撃はまぬがれない。アミルラナは急いでかけだした。
「やぁぁあぁぁぁっつ」
夏菜の雄たけびがあがる。なんと、グルギアーラの炎を剣で割って回避をした。
「すごい、炎を剣で斬って、割って回避した!」
「どうやら、剣の知識もユメリアの宝玉から入ってきて、できるようだ。あれはラクイン王様の剣技だな」
アエリアは考察したようにいう。
☆☆
こんな時間帯に見てくださってありがとうございます。
あと数話したらたぶんファイ出てきます。
遅くなってすみません。展開的に話数がかかってしまって。
魔双戦記の方もよろしくお願いします。
またお会いしましょう。
どうなっていくのでしょう。
どんな時間帯もみてくだっている読者様には感謝です。
ありがとうございます。
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作者ちゃんと毎日みています。
帰り道足元など気を付けてくださいね。




