第二十九話 盾をも溶かす灼熱の炎
そのころ、アエリアがいる現世ではグルギアーラとの死闘がくりひろげられていた。
「く、なんて、強力なブレスだ。騎士団の盾が一瞬で溶けるなんて」
カスミンが、悔しそうにいう。
盾はブレスの熱でとけ、くしゃくしゃだった。
「当たれば、即死だな。皆のもの、炎に気をつけろ」
アミルラナが、注意を張り巡らせ、士気をあげた。
そのときアエリアが重い口どりでいった。
「しかし、長引けば、こちらは人間だ、スタミナが切れる。速攻戦でいかなければ」
「くそ、やつの喉首でも一発に落とせれば」
アミルラナも重い口調で舌打ちをした。
キャンキャは、建物の上から、魔王軍特製のベッドに横になって高みの見物をしていた。
「あらら、あたいの天使ちゃーん、困ってるじゃない。困ってる顔もまたいいねぇ。うーん、美形だねぇ、絵になるねぇ」
キャンキャは、手で四角を作り、絵を取るようなポーズをする。
間髪をいれず、キャンキャの気を引こうと、変なものを魅せるおっさんふたりがいた。
「あっしも、絵になるでごわしょ」
「うっふーん。筋肉張りごりごわす」
バチン!
「あぅ」「ひぃ」
キャンキャのしごきがしばらく続いた。
だが、落ち込むわけがなく、ふたりのテンションはあがる一方だった。
たしかに、筋肉とか、パンツ姿はどんな女性でもきれくなければみたくない。
しごいても、まだ目の前でみせられるものだから、キャンキャの怒りが飛んだ。
「あたいを怒らす気かい。目の前で変なもん、みせるなぁ」
バチン!
「あう」「ひぃ。何だか快感だす。ムッキムキ!」
しばらく、おしおきが続いた。
「筋肉ゴリラは生憎、趣味じゃないのさ。あたいは、あの天使ちゃんみたいに、美形が好みなのさ。天使ちゃーんがんばって。あたいの愛が待ってるよー」
キャンキャは目がハートになり、ベッドの上から横になったままでハンカチをふる。
当然、このことに不服と感じるやからがいた。
「キャンキャさま、一体どっちを応援してるダスか? あっしら魔王軍では」
「ちょっとぐらい、いいじゃないの。乙女心なんだからさ」
「キャンキャ様は乙女ダスか? そろそろ三十路じゃ?」
バチン!
「あう」
キャンキャのげきが、ダダビラーに飛んだ。
細いまゆ毛をつりあげていた。
「あんた、誰に言ってるんだい。あたいはこう見えても二十代なんだよ。魔王軍の若き美女エリートなんだよ」
そのとき、アエリアに炎が浴びせられようとしていた。
キャンキャは、両手を抱えて、ベッドから飛び起きた。
「きゃー、あたいの天使ちゃーンあぶなーい。炎が迫っております」
「!」
「ほんとにどっち、味方してるダスか?」
ダダビラーとボンボコは不満をあらわにした。
そりゃ、敵側からすると、あまり気にいることではないのはたしかだった。
だが、キャンキャの熱はとまらなかった。
「ふぅ、よかった、天使ちゃんにはあたらなかったじゃないのさ。まぁ、あの隣りで親しそうにしてる女は
何もんだい」
「あれは、女英雄の騎士団長アミルラナですぜ」
「そうかい、あれがうわさのアミルラナかい。グルギアーラ、あの女をめったぎりにして、燃やしておしまい」
建物の上から、グルギアーラに命令がとんだ。
「うるさい女だ」
「何だい、歯向かうのかい、これは魔王軍からの命令だよ、命令!」
「まぁ、よかろう。皆殺しにしてくれようぞ」
グルギアーラはいうことをききそうにはなかった。
モンスターからすると知力があれど人間なら誰を始末しても同じようなことだったのだ。
キャンキャがその言葉をきくと、すぐに反論した。
もちろん、好きな天使のためだった。
「こら、バカ、皆殺しじゃないんだよ、あの天使だけは、生け捕りなんだよ、いけどり! 殺すんじゃない
よ」
騎士団は苦戦をしいられていた。
☆☆
おつかれさまです。
読者様も疲れましたね。
ゆったりなさってくださいね。
ファイももう少ししたら出てきます。
やっとですね。
魔双戦記の方もよろしくお願いします。
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次は今日の2200に更新します。
またお会いしましょう。




