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第二十五話 赤き竜



アミルラナたちは、隣町のパチンカラまできていた。



 急を要したため、到着したのは早かった。



 だが、救援物資の到着が遅れていた。



 パチンカラの入り口付近で、アミルラナたちは止まった。



 街から火が上がっていた。



 それは赤くもえ、人々の叫び声がきこえた。



「パチンカラに着いたぞ。急げ、もう目前だ、火の手が街から上がっているぞ」



 アミルラナが隊にはっぱをかけた。

「一度、陣形を整えろ、恐らく、魔王軍のモンスターがいると推測できる」



「はっ、アミルラナ様」



 アミルラナがいうと近くにいたレイが返事をし、隊を整えようと馬に乗ったまま合図を出した。



 隊がすぐに整えられていく。カスミンもいた。



 そのときだった。



 夏菜(かな)がなにかを見つけたのか、一人で前に出た。



「姫さま、前に一人で出てはなりません、危険です。ダン、後を追え」



「はい、隊長」



 ダンが馬を出して、姫さまの後をすぐに追った。



 肝心の姫さまはそんな心配もいざしらず、建物の影で倒れている子の傍に駆け寄った。



 まだ、少年は生きている。



「ひどい、こんな。キミ、だいじょうぶ? いったい、どうしたんだ? 魔王軍にやられたのか?」



「大きい、赤い竜が現われた……」



 少年はせこそうにいう。



 夏菜(かな)の目には涙がたまっていた。



 優しすぎるのだ。



 ダンがかけよってきた。



「ソニアさ、いや、カナヤンさま、危険です。単独行動はおやめください」



「赤い竜? この子、まだ息がある。俺の回復魔法で」



 ダンの忠告を聞いて、軽くうなずき、夏菜(かな)は手を少年の負傷している部分にあてた。



 アエリアが、はっとして、夏菜(かな)がしていることに気がついた。



 それはというと。



「(どうやら、ユメリアの宝玉の知識が入ってきているみたいですね)」



 夏菜(かな)が一瞬、目を閉じた。



 そうすると、少年の体にあてていた手が光りだした。



 いったい何が? まさか?



「回復魔法、『エメゲリアムーン!』」



BABABA!



「あ、あれ、からだが動く?」



 夏菜(かな)は、魔法を使ったのだ。ユメリアの宝玉をつかいこなせているようだ。



 少年の傷はたちまちに完治して、動けるようになった。



「よかった。治ったね」



「キミは、ソニア姫さまの回復魔法で治ったんだよ」



 おどろいている少年に、ダンが馬から下りていった。



「ありがと、男の姫さま。」



 少年はうれしそうな顔でお辞儀をしながら夏菜(かな)にいった。



 夏菜(かな)は、にこりと笑顔を返した。



 だが、夏菜(かな)はぴんと来ない言葉があったのだ。



「う、男の姫さま? 俺、おかまみたいじゃないかー」



「ははは、ソニア姫さまの唯一の悩みですね」



「ライ、いったなー。剣を交えてやるー」



いつの間にか、きていたライと夏菜(かな)の追いかけっこがしばらく続いた。



 夏菜(かな)は、剣をむやみやたらにふりまわしていた。



 ダンが苦笑いをしていた。



 アミルラナもそれをみて笑顔だった。



 戦いばかりしていると、疲れも出るものだ。



 血なまぐさいものをみないといけない。理性もある。



 だが、それでも守らなければならないものもある。



 アミルラナは女英雄でありながらも、その意識は人一倍、強かったのだ。



「よし、急ぐぞ。首謀者は判明だ。赤い竜を討伐するぞ。パチンカラの民を助けるのだ」



「おー」



 隊から、歓声が上がった。



 剣をみな上にふりあげた。



 そして、アミルラナはダンのほうに向かっていった。



「ダン、お前は姫さまについていてくれ。私が離れると心配だ」



「はい、わかりました。隊長」



「アミルラナ、私も姫さまに付きっ切りだからな。今回はアミルラナの面倒はみれないかもしれないぞ」



 アエリアが面白みを含めてアミルラナにいった。



 アミルラナはニコリ笑い、負けじと言い返した。



「笑止。アエリア、別に構わないぞ。私はそんなに弱くない」



 そのときだった。



 大きな建物から、すごい火があがった。



 炎上するのが早かった。火の勢いが強い。



「火の手だ、また建物から上がったぞ」



「この先は確か、リエザラウ大広場だったはず。いけない、人が多い場所だ。皆、急ぐぞ」



 アミルラナは馬を走らせ、リエザラウ大広場に向かった。



 パチンカラの入り口からは、少しの距離があった。



 そして、アミルラナがいくと、隊員たちもそれに続いた。



 遅れて、夏菜(かな)やダン、ライも馬を走らせた。



 いったい、この先で、どんな光景が待ち受けているのだろうか。



 みな、顔にはださないものの、恐怖心もあったのだ。



 そうして、入り口を後にした。


















☆☆

おつかれさまです。

こんな時間帯に見てくださってありがとうございます。

読者様も疲れましたね。

ゆったりなさってくださいね。

次は今日の22:00に更新します。

よければみていただけるとうれしいです。

またお会いしましょう。

何でも感想、キャラや物語のことなど書いていただけるとうれしいですし、励みになります。

読み物としてがんばっていくのでブックマークなどしていただけるとうれしいです。

ファイもそろそろ出てきます。魔双戦記の方もよろしくお願いします。

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