第十九話 羽から生まれた機神
「何か秘策があるのか、アエリア」
アエリアは、一瞬、口を閉ざした。
重い顔をしたが、すぐににこやかにほほ笑みながら、夏菜たちをみた。
「天使の羽には神の機械、聖機神ホーリメカをもぐことで召喚することができるのです」
「もぐって、まさか、アエリア、やめてー」
「はぁぁあぁッ」
アエリアは、夏菜の言葉にも省みず、自分の羽を自身の腕で、もぎちぎった。
背中からはもいだ反動で少量の血がでた。
一同が面食らっていた。
アエリアの姫への忠誠心はみなに伝わっていた。
夏菜の目には涙がたまっていた。
「ぐぅ、血など、姫様を守るためには省みぬ!」
アエリアの手が自分の血で赤くそまってひざを落とした。
手の血をみながらアエリアは自身の羽をなぜか、手に持った。
夏菜が泣きながら、アエリアに抱きかかった。
「アエリア、あたし、人質でいくよ。だから、血まで流して痛い想いしないで。お願い」
「姫様、その言葉だけでも、私は嬉しいですよ。私は元々、ユメリア王家の守護神。末裔の貴方を守るのが
使命なのです。それは、ここにいる、皆も同じ」
そういい、アエリアはその場にいた全員を見渡した。
みな、一様にうなずいていた。
「そうですよ、ダン、レイ、このアミルラナも同じ気持ちです」
アミルラナが第一声を発した。続けてレイが口火をきった。
「御意」
「だけど」
夏菜が目に涙をため、アエリアの血がついた腕の服を引っ張りながらいった。
アエリアは、だんまりしていたが、一呼吸ついて夏菜をみながら、うなずいた。
「あの天使、自分の羽をひとつもぎましたぜ、自暴自棄になってるんじゃないでやすか」
ダダビラーがモニターを指差しながら言う。
「羽をもいだ? まさかね? 攻撃を再開して、ボンボコ、ダークキャノンを撃って」
キャンキャが、扇子を開きながらいった。
驚きの色は隠せなかった。
なにかを計算しているのかと、キャンキャは読んでいた。
だが、アエリアのすることはキャンキャたちには想像もつかなかったのだ。
キャンキャの命令を受けて、ボンボコが機内のエネルギーゲージをみやり、いった。
「まだ、ダークソウルを引き上げるのに後、数分かかるでごわす」
「なんだって? 予備のエネルギーはないのかい?」
「今、検索してみますでごわすや」
キャンキャは大声を張り上げた。
急いでボンボコは予備のエネルギーを魔法で検索しだした。
その間にもダークメカの大砲にエネルギーがためられていく。
レイがそれをみやっていた。
「また、ダークメカがエネルギーをためだしたぞ」
「いけない、私情に浸ってる場合じゃない。出でよ、『聖機神ホーリーメカ』」
言うと同時に、アエリアはもいだ羽を空中に放り投げた。
羽は白く光っていく。
それは魔力が羽から出ている証拠だった。
誰もが目を疑った。
「召喚術リファインギア!」
ピカぁ!
アエリアが魔法術を唱えると、羽はさらにかがやきを増していく。
更に加速していく。何かのエネルギーが爆発的に起きているのはわかった。
「は、はねが光ってる」
GUOOON!
羽が光り、その場から消えてしまった。いったい、どこにいったのだ?
「よし、魔法術は成功だ! くっ」
アエリアがガクッと、足を落とした。
「どうしたの、アエリア大丈夫?」
「私としたことが、だいぶ魔力を要したみたいですね、少し立ちくらみがしただけです。だいじょうぶです」
夏菜が心配してかけよった。アエリアの表情はきつそうだった。
かなりの魔力を要したのは、間違いなかったのだ。
そのとき、空中から大きな光の玉が現われた。
いったいどうしたのだ?
GUOOON!
なんと、大きな玉がはじけた瞬間、大きな機械が上空に現われたではないか。
「す、すごい、これが聖機神ホーリーメカ!」
夏菜が、口をポカンと開けながらいった。
その場にいる誰もが、目を疑って息をのんだ。
その機械の容姿からは、問答無用に強そうにみえて威圧感があった。
「聖機神『アクアウイングディザー』という、機神です。そう簡単には負けませんよ」
アエリアが少しせこそうにいう。
「アクアウイングディザー?」
「さて、姫様、操縦者が三人必要です。私と、姫様と、アミルラナ、三人で乗り込みませんか」
落としていた足をちゃんと立たせながら、アエリアはいった。
その表情には勝てると、自信がみなぎっていた。
「いいけど」
「私もあれに乗るのか」
アミルラナがあごに手をやりながらいった。
続けて、アエリアがダンのほうを向いた。
「ダン、レイは住民を避難させてくれ」
「わかった」「了解だ」
ダンとレイはいうと、周りにいて逃げ遅れた人をすぐに避難させようとした。
すぐに動いて、かけだした。
動いた矢先だった。
「核乗魔法術『リンクコア!』」
アエリアが何かの魔法術をとなえた。
夏菜、アミルラナ、アエリアの姿が、その場から消えた。
そして、三人はアエリアの魔法で、ホーリーメカの操縦室にいた。
☆☆
おつかれさまです。
早い時間帯も遅い時間帯も見てくださっている読者様には一番感謝です。
ほんとにありがとうございます。
魔双戦記の方も気が向いたりであればみてくださいね。
台風大丈夫でしたか。
読者様の無事を祈っております。
こちらも夜の間にきて、朝昼は過ぎ去ってくれた感じです。
ファイもでてくるので今しばらくお待ちくださいね。出てくるまでしばらくかかりそうですが。
連休読者様も楽しくお過ごしください。
合間に読んでいただいてありがとうございます。
また明日お会いしましょう。
時間があれば更新します。




