第十八話 一翼の羽
「みんな、無事か」
アエリアがいう。何とか生きていた。夏菜も地上に降りた。
アミルラナ、ダン、ライ、レイも無事だった。みな、建物の影から現われた。
道端に血が飛んでいた。夏菜の目がその先に行く。
なにかを見つけた。
その先には、建物の破片に足をはさまれ、負傷している子供がいた。
「きみ、しっかりして、死なないで。アエリア、子供が破片にはさまれてる」
夏菜が涙目で、子供に近付きながらいった。
近くにいた、ライがみかねて動いた。
「姫さま、どいててください。俺がこの戦斧で破片を破壊する」
「え?」
「うぉっぉぉぉぉおぉらぁッ!」
夏菜が少し離れるのをみはからうと、ライは破片めがけて戦斧をたたきこんだ。
ライの力自慢はさすがだった。
一撃で、大きな破片を割り、はさまれていた子供を助けた。
アミルラナが感心した顔をし、子供のことを心配していった。
「まだ、息がある。ライ、アジトに運んで助けてあげて」
「は、アミルラナさま」
ライはそういうと、子供を抱きかかえて、アジトのほうに向かった。
「なんてことをするんだ、魔王軍は! 許せない」
アミルラナが破壊された街、罪のない人が無差別に傷つけられているのをみて、拳をにぎりしめて怒りながらいった。
本心を露呈していた。
表情にもそれはでていた。
だが、キャンキャは鼻をフンとならし、お構いなく扇子を開いて、言い返した。
「そこの、女、おだまり、あたいは魔王軍大臣、キャンキャ・キレイザーよ。そこの天使とその後ろにいるティアラの嬢ちゃんをこちらに渡してくれたらここはひいてあげるわ」
「なんだと、ソニア姫さまを。そんなの卑怯な」
ダンが手を振りかぶり怒ったようにいう。
しかし、聞く相手ではなかった。キャンキャが再び口を開いた。
「あらまぁ、いきのいい騎士がいるのね、あたいに歯向かえるのかしら。今度は街路じゃなく、建物にぶっぱなすわよ」
「く、卑劣な」
「キャンキャさまのスーパースタイルが黙ってないでごわすよ」
バチン!
「あぅ」
「ボンボコ、お黙り! よけいなことはいわなくていいのよ」
キャンキャの愛のムチがボンボコに飛んだ。扇子がクリーンヒットした。
そのとき、となりにいたダダビラーが思いがけないことをいった。
「瞳からも誘惑のハートの魔法が出るでごわすよ」
バチン!
扇子のげきがダダビラーに飛んだ。
「あんたら、お黙り、帰ったら鞭うちだからね」
「愛のキックでも愛のパンチでも」
ダダビラーとボンボコは全然こりてなかった。
ムムムとキャンキャのまゆ毛がつりあがって、扇子を激しく動かした。
「なにやってんだ、あいつら? 仲間割れか?」
ダンがそういった矢先だった。
BOKOBOKO!
「あぅ」「ひぃ」
すさまじいスピードで、キャンキャのはっぱがボンボコとダダビラーに飛んだ。
ダダビラーとボンボコはボコボコになって鼻血を出していた。
だが、たたかれたものの、はっぱがかかったのか、二人のテンションは高くなっていた。
おしおきがすむと、キャンキャはまた扇子を開きながらいった。
「さぁ、仕切りなおしよ、さぁ、さぁ、どうすんだい、ぶっぱなすよ」
「仕方ない、私の羽を代償にしましょう。目には目をってことですね。姫様を守るためなら天使の象徴の羽、一翼くらい」
アエリアが意味深なことをいった。
アミルラナが妙な顔をした。
☆☆
読んでくださっている読者様には感謝です。
ありがとうございます。
この物語も、ファイの世界と同じで、命がほんとかかってます。
一歩間違えれば死にますね。
書いてる側もキャラがどう動いてどう苦難に立ち向かっていくのか、想いながらかいてます。
読み物としてがんばっていくのでよければブックマークなどしていただけるとうれしいです。
またお会いしましょう。
オフの時間ありがとうございます、みていただいて。
また明日お会いしましょう。




