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16,砂漠のオアシスを復活させろ! ~その5~

…… 薄香色の砂地から、コポコポと音を立てて水が湧き出(い)で続けている。白っぽい砂の色に対して、やや青みがかっているその泉は、この灼熱の砂漠の中で、どんな宝石よりも価値のある輝きを放っている。


其のままだと全て砂に染み込んで行ってしまう為、魔法で底を固めて治水効果を上げた。

池程度の浅さでは、あっという間に蒸発してしまうだろう。最低でも5メートル以上の水深が必要であると考え、規模も拡大して湖とする。


そしてその周辺には、見た目は芝生だが手触りの滑らかな匍匐型(ほふくがた)の植物を敷き詰め、素足で歩いても皮膚を傷めず、ややヒンヤリとした感触さえ楽しめるようにした。


次に、ピンポン玉位のサイズでベリー系の味のする、真っ赤な甘い果実のなる低木と、椰子の木をそこかしこに生やす。

その椰子の木は地球にあるものとは多少様相が異なり、実は大人が背伸びすれば届く位置にある。そしてパラソルのように広がった葉は、強過ぎる日の光を遮り、木陰で休む者の憩いの場として重宝されるだろう。


さらにその周りを、雑多な木や植物が単純な緑色だけではなく、明暗や彩りも鮮やかに存在し、花の赤系統の華やかさも加わり、白一色の古代神殿のような建造物とのコントラストを際立たせている。

だがそれは反発するどころか、見事な芸術的作品の様に調和している。


かつて魔女レイラが作り出したオアシスを、ミオは忠実に再現していた。


だがかつての時とは違い、時間がやたらとかかる上に、自前の魔力も足りない。

そこでミオは、左手首につけていたリング(正確には虹色の宝玉部分)を使い、レイラの魔力が途絶えた為に瓦解してしまった水路を復元すると同時に、右手首のリングを使い、水路の維持に充てた。


此処までの製作過程は丸2日かかった。

予定であればもう、魔女のダンジョンへと帰還していなければいけない予定ではあったが、魔法による通信で事情を伝え、延長申請してある。



ちなみに、魔物の巣は形成されていなかったので、思ったより苦戦しなかったが、サンドスコーピオンの変異種であるデススコーピオンが出没したため、サクッと討伐済みである。

サンドスコーピオンの3倍の大きさと、毒性の強さが相まって、普通の人間では軍隊が出る程の敵ではあったが、周囲に巻き込む危険のある人がいない事もあり、ミオの思い切りはっちゃけた魔法の威力でもって永遠に沈黙させた。



オアシスを造り出した者としての特権で、一番先に水浴びをする事にした。

ローブを脱ぎ去り無造作に放る。

メッシュ生地の短いソックスと、夏らしく透け感のあるネイビーの膝丈スカートも脱いで、薄手の白ブラウスのみになる。

部活で鍛え上げた身体はしなやかに引き締まりながらも、女性らしいシルエットを浮かび上がらせた。


そっと入ると浅瀬は温めだが、深くなるにつれ湧水特有の冷たさが肌にしみる。

潜ってみても澄んだ水により視界は良好だ。


ミオはしっかりとUVカットの結界を張り、存分にこの贅沢な環境を楽しんだ。


「そうだ!この水路をサヘリアルの町のダンジョン近くまで引こう!」


サヘリアルから此処までは5時間もかかってしまうのだ。


この場所はかつての砂漠の民、4大部族の集落の中心に位置しており、交流や交易に便利であった。

今もこの場所にあれば、砂漠の横断も助かるので無駄ではないだろうが、やはり人の住む場所に水場があれば一番いいだろう。


ちょっとお節介が過ぎるかな?とは思ったが、今回はやってみたい。


ミオは魔力を練り上げ、少しずつ水路を延ばし、サヘリアルのダンジョン近くにも小規模なオアシスを造ったのだった。





やっとオアシスが完成しました!

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