↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
26/138

お題【伝染】

 昨日、姉から電話があった。

 私が怖い話好きだってことを知っているから話す気になったんだとか、いやでも怖いっていうより気持ち悪い話かもとか、前置きがやたら長くなかなか話し始めない。

 もしや大したことない話なのか、それとも出オチなのか。

 とにかく話してよと促して聞いたのがこんな話。


 姉は保育園で保育士をやっている。

 そして夕方くらいに遠雷が聞こえたから、とりあえず外で遊んでいた園児たちを集め、屋内遊びに切り替えたらしい。

 はじめのうちはおとなしく絵を描いていた園児たちだったけれど、次第に興奮しはじめ、クレヨンを持ったまま走り出したのだとか。

 おともだちの体にラクガキをしようする遊び。

 どうやらそれがツボに入ったらしく、キャーキャー叫びながら走り回る。さすがに姉も同僚たちと一緒に止めに入ったんだけど、その間、姉たちの手にもラクガキをされてしまったという。


「どんな絵なの?」


 私がそうたずねると、姉は電話口の向こうでなにやら動いている音を立て、こう言った。


「絵って言うか、なんかね……こんな、感じ」


 その言葉を聞いた途端、私の手が急にドクンと強く脈打った気がして、私は一瞬、電話を落としそうになった。


「こんな、って……」


 見えるわけないじゃない、と笑おうとしたんだけれど、姉がまた。


「こんな、だよ」


 その「こんな」に合わせたかのように、私の腕にナニカの気配がぞくりとうごめいた。


「こんな、だよ」


 姉が繰り返すその「こんな」に合わせたかのように、私の手は勝手にナニカの模様みたいなのを描いた。




<終>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。