居場所
「私たちのチームに入らない?」
そういわれたとき僕はいったい何が起きたかわからなかった。だって僕のステータスを知っていれば普通は入れたくない。
「・・・何のつもりですか?」
「?勧誘のつもりだけど」
「ちょっとアリスいきなりそんな・・・」
アリスさんは何がおかしいのかわからないような顔をしている。
横にいる女の人は戸惑いを隠せないでいる。
(当たり前だ・・・能力のない僕なんかが・・・)
しかし、
「そういうのはいきなり言うもんじゃないの!ちゃんとここのチームの話をしてから聞かなきゃ!」
「そうなの?」
「そうなの!」
「・・・え?」
「ごめんね、この子言葉足らずで」
「いやそういうことじゃなくて・・・僕のこと知ってるんですよね?」
「うん?そうだよ??『オールゼロ』って言われてるステータス全部が0の子でしょ?」
う・・・はっきりそう言われるとまたへこみそう・・・
「ならなんで僕なんかを誘うんですか?他にもも「きみしかいない」・・・え?」
戸惑っている僕の横でアリスさんはそう言った。
「きみはそんなステータスにもかかわらず、ダンジョンの10層まで一人であんな剣1本で進んだ。あんなこと普通はできない。」
「それは・・・やけになってたからで・・・」
「関係ない。」
「!」
アリスさんは続ける。
「どんな感情で動いたかは私には分からない。しかし、あきらめずひたすら突き進んだ君の意志の強さは本物。まっすぐで強い意志がある。だから私は
あなたがほしい
」
「!!!!!!」
「そうそう!それに私はアリスが助けたあなたなんだもん。認めざる負えないよっ!!」
僕はそんな二人の言葉に困惑していた。けど、
「いてもいいんですか?」
僕はそんな言葉が出ていた。震えながらも少しだけ不安と期待が入り混じってる感情があふれてきそうでそういってしまっていた。そんな言葉に彼女たちは
「もちろん」
「もちろん!」
一言そう言った。
「・・・じゃあ、お願いしま…す」
ああ。
「じゃあ、まずこのチームの説明をしないとね。えーと、ここはねー」
ああ、僕にも、
「町はずれにあるチームでって・・・うわっ!どうしたのハルくん?!その顔!なんで泣いてるの?!」
ああ、こんな僕にも
「どう・・・したの?ハル?傷が痛む??」
「とりあえず、ハンカチハンカチ!!」
「お二人とも・・・・」
「ん?なに?」
「どうしたの?!」
「ありがとうござい・・・ます」
居場所ができたんだ