50階層
「まず、50階層で確認されていたダンジョンボスは二体」
今までに見たことのないような真剣に話し始めたアーサーはハルたちの方を向き告げる。
「ホワイトドラゴンとブラックドラゴン・・・」
「そのとおり。ダンジョンの中のドラゴンの中で最強と言われている。攻撃力、防御力など全体的にステータスも最強レベル。全盛期の俺らでも最強メンバーで討伐したんだ」
「最強メンバー・・・」
ハルはただでさえリーダーのアーサーの力を知っているだけ、そのメンバーの強さがはっきりしていくようであった。
「そう、最強メンバー。その最強メンバーで数日かけてついに二体を討伐した。あいつら、弱点がなくて困ったもんだよ。ボロボロになったが、ついに50階層を攻略したと思った。」
「思った・・・」
「ああ、そして、出現した扉をあけて見たのは・・・八面体のキューブ状のなにかだった」
「キューブ・・・」
「そして、そいつが光った瞬間、俺たちは半分の人数が消し飛んだ」
「「!!!!」」
「本当なんですか、それ?」
「ああ、本当だよ」
「・・・そいつの討伐に付き合えと?」
「そういうこと」
アリスは少しアーサーを睨みつけてそう言うがアーサーはそんなこと気にもしていないようにヘラヘラとしている。そして、
「まあ、その前にやってもらうことがあるけどね」
「え・・・?」
次の瞬間玄関の扉が吹き飛んできた。
「!!」
そこにいたのは
「それは僕たちのことかな?」
王冠をかぶった男だった。




