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キングゴブリン戦(1)

 

「はあああああああ」


 ハルはゴブリンの間を駆け抜け切り刻んでいった。しかし、ゴブリンは全く減る様子がない。


「むしろこいつら動きがよくなってきていませんか?!」


「うん、キングゴブリンが生み出すゴブリンは時間が経つにつれ強くなるの」


「それじゃあ、結構やばいんじゃ・・・」


 少し冷や汗を垂らしながらそういうハルを見ながらアリスはそう答えた。アリスの方も切り刻んでいくがきりがない。


「だから少し時間をちょうだい」


「時間ですか」


「そう私のとっておきを見せてあげるから」


 そう言って杖を前に構えるアリス。


「わかりました!絶対守ってみせますっよ!」


 そう言ってアリスの前に着くと近くに寄ってくるゴブリンを薙ぎ払っていく。そして、アリスは何かを唱えていく。


「あれは、魔法詠唱ですか?」


 不思議そうにミーシャはアリスの方を見る。魔法は通常詠唱が必要なものがほとんどである。強いものになるにつれ、詠唱が長くなっていくというい当たってシンプルなものなのだ。しかし、ミーシャはアリスが詠唱をしているのを見たことが無かった。アリスは基本的には詠唱を簡略化することができていたからなのだ。その詠唱をし始めたということはかなりの強い魔法だということが分かった。


「うん、ほとんどの魔法は呼び名を呼ぶだけでアリスはできるんだけど、いくつかアリスの魔法の中でも最強と言える魔法があるの。でも普通は時間がかかりすぎて他のモンスターが寄ってくるからできないの」


「でも、今回は」


「そう、お姫様を守る剣士がいるからね」


 クレアがミーシャが不思議そうにしているのをみてそう説明した。


(いつもほぼ無詠唱のアリスさんの最強に近い魔法・・・相当すごい・・・・)


「さて、私たちもそろそろ行こうか」


「え?」


「傷は治ったでしょう?」


「は・・・はい。でも、私はともかくクレアさんはあの中に入るのは・・・・」


 ミーシャは、今までのクレアはヒーラーであり、前線で戦うことは全くなかった。というよりは前線で戦ってしまっては1撃でやられてしまうと思っていたのだ。しかし、


「あーミーちゃんにはいってなかったね」


「え?」


「私の秘密。チェンジ」


 クレアが目を閉じて一言いうとクレアの周りは黒い煙に包まれた。そして、黒い煙が消えるとでてきたのは、顔ではっきりとクレアとわがるが、大きな角、黒い翼、黒い尻尾、そして、褐色の顔に紋様なものがついているクレアであった。


「・・・!魔族・・・?」


「そうそう。この格好はハル君にもまだ見せたことなかったんだけどねー」


 翼を広げ、パタパタとさせているクレアはにこっと言った。


「どうして・・・?」


「それを話すと長くなるから後で。それよりも今はあっちに行くことが優先!」


 クレアが手を振りかざすと周りのゴブリンが真上から落ちてきた電撃によって黒こげになっていく。


「今のは雷魔法?」


「私はこの状態になると色々な魔法が使えるようになるの。まあ、それもおいおい・・・さてと行きましょう」


「・・・はい!」


 そう言ってクレアとミーシャはアリスの方に駆け寄っていく。その間ゴブリンはクレアの繰り出す魔法はが近づくのを許さない。


「すごい・・・」


「アリス!あとどのくらい?!」


「・・・あと、2分」


「OK!」


 ミーシャはこの光景を見て唖然とするしかなかった。たった3人、いや2人だけで増え続けるモンスターを倒し続けている。何よりも驚いたのは、ハルの動きであった。倒していくにつれどんどん速くなっているように感じるほどであった。


「はああああああ」


 ハルの叫びとともに何体ものゴブリンがあっという間に切り刻まれていく。しかし、キングゴブリンはアリスの魔力に気づいたのかすごいスピードで迫ってくる。


「く・・・速い!私が行くしか」


 ミーシャがキングゴブリンに向かっていこうがそれよりも速く横を通り過ぎていくものがいた。


「大丈夫!あいつらは僕がやる」


 ハルはキングゴブリンの一体を吹き飛ばしたかと思うとそっちの方向には


 っぎぎぎ!??


 もう一体のキングゴブリンの方に吹き飛ばした。


「お前らの相手は僕だ」


 そして、ハルはキングゴブリンに向かって走っていく。


「な!なにやってるんですかあの・・・ひとはっ!!!」


 ゴブリンを倒しながらダンジョンボスをまとめて相手しようとするハルにミーシャは戸惑った。


「大丈夫」


「でも!」


「ハル君を信じて」


「・・・!!」


そう言われたミーシャはアリスを守りながらハルを見守るしかなかった。

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