ミーシャの想いと迫りくる恐怖
「キングゴブリンが2体でてくるなんて聞いてないぞ!」
「こっちにつれてくるばあ!」
「いやだああああああああああああああ」
悲鳴を上げて次々と潰されていくジョージの護衛はただただ逃げるしかなかった。しかも、キングゴブリンは次々と悲鳴のような声をあげてゴブリンをダンジョンの壁から出してくる。もう回り一面は血のたまり場のようだった。
(予定通り油断したジョージを殺すことはできた。噂は本当だったんだ)
ミーシャはここまでの状況をある程度予測していたのだ。このキングゴブリンのダンジョンボスエリアの特徴は扉を開けると必ず一体はキングゴブリンが出てくるという仕組みだということだった。しかし、
(でも、なんで2体・・・まさか私の前に誰かが扉を開けたの・・・・?)
ミーシャが困惑しているとそんな考えも無視するように
「!!!!」
頭に強い衝撃が走ってきた。後ろから何か来たと気づいたミーシャはとっさに避けようとして衝撃が少し減っていたがそれでも強い衝撃だったのだ。倒れそうになっているところを少し耐え、ミーシャが後ろを見るとそこには、
「もうなんなのよ・・・こんなの知らない・・・」
ダンジョンの扉からゴブリンが生み出されてきたのだ。ミーシャはそこから逃げようとするが、先ほどの1撃で頭から血を流していて動くことができなかった。しかし、ゴブリンは進むことをやめない。
「・・・あああ。ここでおしまいかあ」
ミーシャは動けない体でそう力なくいった。そして、ここ何週間かの記憶がよみがえってきていた。
(ああ、これやばいなあ・・・走馬灯ってやつかな・・・でも、本当に私にとって楽しかったんだなあ、あのチーム)
ミーシャは流れていく血とともに意識はもうろうとしてきていたが、少し笑っていた。
(みんなみちゃくちゃ優しいし、ゴーレムの時のハルさん、俺の仲間とか呼んでくれたし、まさかパーティーまでやってくれるなんて思わなかった・・・)
動けないミーシャにどんどん迫ってくるゴブリン。ミーシャの血をつけた棍棒をもって近づいてくる。そして、
(もっとあの人たちといたかったな)
ゴキ
鈍い音が鳴り響いた。




