彼女たちの秘密(3)
「魔族・・・契約?」
最初はいったいこれが何なのかわかっていなかった。いや、あの時は本当に何もわかっていなかったのだ。
「こんな時に何・・・」
私は、そのスキルの詳細を見るためにステータスカードに触ると
スキル:魔族契約
魔王に強く関係するものが使える。このスキルを使用することによって種族に〝魔族″が加わる。種族に〝魔族″が加わったものは回復能力、ステータスが著しく向上し、〝魔族″としてのスキルが加わる。
そして、この契約時には
完全に傷が消える。
「!!!!!!!!!」
私は最後の文を見て驚いた。
「完全に傷がなくなる・・・?」
私がその時に思ったのは、
「それってこんな状態も治せる・・・の?」
誰に聞いているのかも分からない。しかし、私にはもうこの事しか頭になかった。
(助かる。クレアは助かる?)
(今のこの状況じゃあ、絶対クレアは死んでしまう・・・)
(それなら・・・)
そして、私はこの力に手を出してしまう。
「スキル:魔族契約」
その言葉を発すると、ステータスから発動条件が出てきた。
≪発動条件≫
対象者の首筋を噛む
それは、恐ろしく簡単な発動条件で私は、無我夢中で
クレアの首に噛みついた。そして、
(ああ、神様、クレアを助けてください)
クレアが黒い霧包まれていくところを見て気を失った。
そして、私が次に起きたのは、ベットの上だった。
「ここは・・・ダンジョンじゃない?」
(どうして?私たしかダンジョンで倒れたはずじゃ・・・)
私がダンジョンからどうやって帰ってきたのか混乱していると、そこに現れたのが、
「やあ、目は冷めたかい?」
英雄アーサー・アルヴェンスだった。
「ここはどこ?」
「ここは俺たちのチームのアジトさ。あんたが第10階層のダンジョンボスの部屋で倒れているのを俺たちが保護したんだ。あのくそったれなリーダーに聞いてな」
「そうか。私、あの後倒れ・・・・!!!!」
怒りをあらわにするアーサーを見て、私は、はっきりとしてきた意識の中でクレアの事を思い出した。
「クレア・・・!私だれかかかえていませんでしたか??!」
そのことを聞くとアーサーは真剣な顔をした。
「・・・そのことが知りたいならこっちにきな。でも、覚悟しろよ」
私は、アーサーに連れられてある部屋の前に立った。そして、アーサーが扉を開けると、
「?!?!?」
「あ、アリス起きたんだ!!!!!!!!!良かったーーー!!!!!!!!!」
ベットの上に元気そうにこっちを見ている誰かがいた。
「クレア・・・・?」
「そうだよ」
それは私の親友クレア・ローズに違いなかった。ただ、
彼女の頭には角、そして背中には翼が入っていた。
「クレア・・・その姿は・・・?」
クレアの身体は明らかに人間とは違うもので。しかし、獣人とも違い、そして皮膚はほぼ真っ黒になっていた。その姿はまさに
「魔族・・・?」
「それはお前がやったんだ。最初彼女が起きた時は大変だったんだぞ。アリスは?!この身体は何ってな」
後ろからアーサーはわけのわからないことを言いだしたのだと思った。しかし、
「本当に覚えていないのか」
「え・・・」
アーサーは呆れた顔をしており、そして
「魔族契約」
あのスキルことを口にしていた。私はその一言ですべてをおもいだし、そして、ある1文を思い出していた。
このスキルを使用することによって種族に〝魔族″が加わる。
「もしかして・・・クレアがそうなっているのって・・・」
アーサーは一瞬ためらいそうになりながらもこう言った。
「クレア・ローズはお前が魔族にしたんだ」
「!!!!!」
私は最初どうすればいいか分からなくなった。そして、クレアのあの姿を見て、
「私が・・・・私が・・・・?」
そして、ついに私の心が砕けそうになったとき、
「大丈夫だよ」
完全に魔族になってしまったクレアが私のことを抱きしめていた。
「クレア・・・?」
「アリス、あなたは私を助けてくれた」
そう優しく言うクレアにアリスはどうしたらいいか分からなかった。
「でも、クレア私あなたをそんな・・・」
「アリス、あなたがいなかったらこうしてあなたを抱きしめることもできなかったの」
どんなに姿が変わってしまってもあの優しいクレアに違いなかった。
「だから、アリス。
ありがとう」
「クレアああああああああああ!」
私は泣くことしかもうあのときはできなかった。そして、
「クレアの身体を元に戻せるの!?」
「いや、厳密には人間モードにするっている方が正しいかな。うちにも魔族がいるから。そいつに聞けばいい」
「わかった。感謝する、アーサー」
私は泣き終わった後アーサーからある提案をされた。
「いいっていいって。その代り!」
「わかっている。クレアが人間モードをずっと保てるまではこのチームで私がクエストをする」
「その通り!」
「・・・いいの?アリス??」
クレアが心配そうにこっちを見ていたが私はもう決めていた。
「クレア、その身体は私のせい。だから、あなたががんばっている間は私も頑張る。そして、クレアが人間モードを完璧にしたらその時は、
私たちのギルドを作りましょう
」
その言葉を聞いてびっくりしたようだったが、クレアは、
「うん。もちろん!」
笑顔でそういってくれた。
そこから、私たちは再スタートした。




