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女王⁉ 聖女⁉ いえ、ただの農業オタクな細工師です。  作者: 堀井 未咲
第九章 森からの招待状

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353 レオンからの相談兼報告でした

 何とも表し難い沈黙が自室の空気を重くしてしまった。

 口をエスカに押さえられたままのレオンが話せないので、困惑した念話が私に届いている。


 〘あの、マスター。

 この話、してはダメな話だったのか?

 おれは、不味いことを話してしてしまったのだろうか〙


 〘ダメって言うか、レオ兄の性質がまっすぐ過ぎなのがダメダメになっちゃったと思うよ。

 妹ちゃんが前にも話してたよね?

 ジルちゃんのマスターとマスターの地球世界の家族さん達がトラブルになったのを〙


 〘あぁ、そうだった。

 ……どうやら、地球世界の話題というのを、おれは苦手みたいだ。

 マスターに直接関係無い話題だと、思い込んでいた〙


 レオンに直接触れているエスカにも念話は伝わり、りぃをこれ以上刺激しないように普段とは逆でエスカがレオンに注意している。

 おおぅ、この姿勢はまさに大地の上位属性の大精霊らしいでありますよ。

 レオンはエスカを上位属性大精霊とは認識していつつ、外見や大精霊の役目を押し付けられた経緯を把握しているだけあり、エスカを妹的な守る位置においているからね。

 ユリスとセレナが加わったお子様ズが誕生してからは、まとめて監督する立場に自然となった。

 お子様ズ誕生初期は、それこそ眷属の上位精霊を呼んでは絶えず監視させていたぐらいだしさ。

 レオンは生真面目性質ゆえに、一度守るべきモノと認識しちゃうと、守られる側が成長し学習し、自身で対処できるようになっても心配症は抜けきらない。

 私にでもフィディルの次に守るべきマスターとの認識が外されてはなくて、地面がある場では大地の精霊からの視線といいますか、注視されているなと存在が感じ取れてしまう。

 その点、フィディル達時空属性の精霊は、それこそ私生活丸ごと覗き見できちゃうので禁則事項を幾つかフィディルから通達されている。

 フィディルやうちの子達が私の側に不在時のみ、農園の屋敷(我が家)以外の屋敷内に私の意思に反して軟禁されそうな気配がしたら、すぐにフィディルへ報告のちに高位精霊が私の手助けに入る流れとなっている。

 まあ、滅多に無い案件だけどね。

 何故なら、誰か一柱でもうちの子達は私についているように気を配っている。

 それから、私が不測の事態で意思表示ができない又は前後不覚の状態になった場合の対処は、既にフィディルとファティマが私の周囲に構築済みである。

 とどのつまり、私が一人で孤立する状態にならない様に、眷属の精霊が守護者役の務めを担う代理権利を次席高位精霊に与えているんだな。

 ただし、守護者の代理権利を与えられれるのは大精霊上位三柱の特権らしい。

 他の大精霊達については眷属の精霊は、報告と監視しか権利を与えられないとの事だった。

 勘違いされやすいのだが、精霊魔法師は精霊魔法を精霊が側にいなくても行使できる。

 精霊が側にいないと精霊魔法が行使できないのは精霊魔法士であって、精霊魔法師ではない。

 いつか説明した気もしないではないけど、説明しておこうかな。

 精霊魔法も精霊が主となるか、魔法師が主となるかで魔法の威力は異なる。

 中級以上の精霊魔法行使すると、その差は格段と違ってくる。

 しかし、精霊を主とする精霊魔法の階級が上がれば上がるほど、精霊の疲弊感はとてつもなく消費されるので、中級以上の精霊魔法行使は私が主となるように設定してある。

 ゲーム内の設定だったが、現在のこちらの世界でもその設定は引き継がれていて安堵した。

 もう一つ暴露すると大精霊を守護者契約した精霊魔法師は、大精霊のみが行使できる超級ランクの精霊魔法を限定状況で使用可能だったりする。

 あのゲーム内で純粋に大精霊と契約していた精霊魔法師は、私一人でいたのでこの情報は秘匿一択でいた。

 それとなく、エララやフィーアやルシルやダレンに探りをいれてみたら、あの人含め精霊魔法より自分のメイン職業を育てていて中級の精霊魔法も一つか二つ行使できる程度だった。

 結果、私一人だけが知る情報となり、秘匿一択となりました。

 いや、違うか。

 ダレンも知ってたわ。

 グレイスから聞いていて、精霊魔法の熟練度をあげかけて止めた。

 理由、邪属性の超級精霊魔法は悪戯レベルで済ませられないと、ダレンは判断したからである。


 〘とりあえず、レオンは気落ちしないでいいよ。

 いずれは、話さなくてはならない話題だったしね。

 早まっただけだから、エスカも口を押さえないであげて〙


 〘はぁい。

 でも、レオ兄は少し考えてから話すか、話していい内容かはフィル兄かティア姉に相談してからの方が良いと思う〙


 〘おれもそう思った。

 次からは、そうする。

 マスター、ごめん。

 気をつける〙


 エスカに泣きつかれたのにも困惑していたレオンは、更に失言をした事に謝罪したも、数日は内心で落ち込むだろうな。

 こうなると私がどうフォローしたところで、簡単には気持ちが切り替えられない生真面目な性質が手強い。

 けれども、性質を変えさせようとは思わないよ。

 それをすると、ブーメランで私に返ってくるからね。

 フィディルとファティマに、自分から悪漢に向かって行くなとお説教されるのは目に浮かぶさ。


「おーい、りぃちゃんや。

 息をしてるかい?」


『してます。

 生きて……義体なんで息をしているか、自分でも分かりませんが、生きてます』


 紅林家特有の声掛けは、紅林家祖父が流派は無い我流の合気道に似た武術を習得していて、孫達に護身術程度の稽古をつけている際に使われる声掛けだ。

 先天的病を抱えているりぃは初歩の初辺りで、祖父が稽古をつけるのを祖母が笑ってない笑顔で無言鉄拳で終わらせた。

 りぃ本人は初歩の基礎鍛錬が人並みにできない身を嘆いて、初歩の稽古は最後までやると言い張った。

 が、紅林家孫一堂止めた。

 あまり祖父母に我が儘を言わないでいたりぃのおねだりに、祖母は陥落して初歩までならと許したけれども、最終的にドクターストップがかかり断念。

 短期入院となってしまい、りぃは悔し涙を流した。

 その後は、りぃの体調にあった基礎鍛錬メニューを伯父さんが組み、地道に鍛錬メニューを熟していた。

 持久力と持続力ではなく瞬発力に重きを置いた鍛錬メニューのおかげで、難事に一撃離脱をしてしまえる技術は身に付いた。

 私は父親のサバイバル技術も相成って、刃物程度の悪漢なら過剰防衛で伸してしまえちゃい、お巡りさんに危ないからとお小言貰うハメになる。

 話が逸れた。


『あ〜、そっか。

 あのメンヘラさん、更生施設行った後に、一回だけうちに問い合わせがあったんだよねぇ』


「問い合わせ?

 更生施設を抜け出した、とか?」


 むくりと起きたりぃの義体が、再度浮かんでくる。

 そういや、その義体の構造がちょっと気になりますぞ。

 ゲームのアバターを模した義体なのは分かるが、何故に浮かんでいられるのか不思議だと思った。

 そもそも、ゲーム内のアバターは魔法を行使しないとプレイヤーは浮かばない。

 イベントやワールドクエスト報酬の種族解放特典でも、翔べる種族は希少種族で難関を制覇した極一部のプレイヤーにしか選択肢は出てこない。

 私はというと、うちの子達の活躍のおかげもあったのと、運良く裏方支援で重要住人(NPC)を救けた貢献度により天翅族(混血な為長時間飛翔はできません)の選択肢があったのを、選択画面を一緒に見ていたエスカが触って種族変更になったのは前にも説明したはず。

 ネクロマンサーがメイン職業のりぃも、確か職業に適した種族の混血だったけど翔べる種族では無かったような。

 義体を鑑定しても種族までは設定されてないみたいで、単に義体としか鑑定されない謎が残る。


『うん、何かねぇ。

 ある日突然、精神が他人に変わった状態になったんだって。

 で、更生施設に勤務していた職員の男性が行方不明になって、その男性職員が自分だって喚いて、解離性ナントカを疑われ中なのと、もしかしたら男性職員がメンヘラさんに感化して接触してくるかも、というのをお父さんとお祖父ちゃんが話しているのを聞いてしまいました。

 そういう、大事な話を、私がまだ寝ていない時間帯に、リビングでしないで欲しかったです』


「成る程ね。

 だから、りぃはしっくりこないなんだ」


『そう、しっくりこない。

 隔離されるまでのメンヘラさんの態度? 状態っていうのと、お父さん達が話していた状況が、何か一致しない不安定さが抜けきらないんだよ。

 こう、モヤっとした気持ち悪さが、こっちの世界でも不意に湧き上がってきたりしてた。

 そうしたら、あのメンヘラさんが、まさかのこっちの世界にいたんだ。

 うわ〜って、気持ちになっております』


 〘妹君のお話、精査してみます。

 風のマスターとはいえ、マスターに悪意を持つ方を妹君は気にしておられる。

 妹君の気になるは、無視できない事項であるのは確かですから〙


 視線をフィディルに向ければ、ちゃんと意を汲んでくれた。

 りぃの気になるや不信感を抱く言動には、ゲーム内で良く助けて貰っていたしね。

 フィディルの未来視より早く事態を解決に導いたりもしたしで、ファティマも同意として頷いている。


 〘……ん?

 レオン、どうした?

 ……あぁ、そうか。

 あの話に繋がると……〙


 フィディルは私に念話を繋いだまま、レオンから届いた念話に答えていた。

 レオンは早速、フィディルに要確認の念話をしてきたみたいだ。

 途中でレオンとの念話に切り替えたのかフィディルの念話は途絶え、のち話して良いとレオンの顔を見て頷いていた。


「マスター、フィル兄にも確認したから話す。

 妹君も聞いて欲しい」

「分かった、いいよ」


 〘はいな。

 聞いた方が良いと思いましたので、どうぞ〙


 レオン的にはりぃの話を中断させて悪いと一人反省会しそうではあるが、それでも話さなくてはならない気持ちがまさったのだろう。

 事前にフィディルにも確認を取り了承を得られた時点で、レオンだけでは済まされない内容だと察しられた。

 りぃもとくれば、タイムリーにあの人絡みなのもね。


「マスターは知っているだろうから、妹君には理解しづらい内容かもしれない。

 その辺りは、後でマスターに聞いてくれ。

 以前マスターに下賜される神聖化の素材探しに、魔素が豊富に眠る地の底に潜ったんだ。

 幾つかの候補地を巡り、結果マスターの領地にあるベルゼの森の地の底にあった訳だが。

 その時に、ベルゼの森の最後の番人に相談された。

 ああ、最後の番人はその役目柄他の番人みたいに自由に動けないのだけど、番人自身が動かなくていい楽な役目だと認識しているのと不都合は感じてないから安心してくれ」


 自由が束縛されているかと思い眉をしかめたら、レオンが訂正してきた。

 動かなくていい楽な役目に番人自身が自己推薦して名乗り出て、ほぼ眠っていられる役目に満足しているぽいのに肩透かしくらった。


「でだ、ほぼ眠っていた番人も気質がのんびりしていて、あまり重要だと気にして無かったらしくて、暫くぶりに目覚めたら放置していた案件が只事ではない事に気付いて、おれに詫びと事情を明かしてきた。

 番人が言うには、初代女王と名乗った人間の女性が、何かしら小細工して番人達が封じてきた地にある危険極まりないモノが豊富な魔素を取り込んで成長している。

 最後の番人は、禁則事項で話せないけど神々も頼りにする力ある存在な訳だが、このまま放置した場合数年後には最後の番人でも抑えきれない魔物に転じる可能性が高い。

 できれば、最後の番人でも処分できる今の時期に処分したいから、マスターの許可と見届けをしてもらいたいとが、相談内容だ」


 〘うーんと、何故にお姉の許可がいるのか、教えてください〙


「それは、ベルゼの森が正式にマスターの領地であるのと、最後の番人が力を振るうにはマスターの許可がないとできないのを、番人に指名した神々が誓約魔法を交わしてしまっていたからだとしか言えない」


 りぃの真っ当な指摘に、やや不機嫌なレオンの声音。

 超絶過保護な人外さんが、誓約魔法交わしたとは思えないな。

 多分、レオンが不機嫌になる要因なら、他世界由来の神が私に後始末を押し付けた感が否定できない。

 だがしかし、一応人外さんには報告入れておこうか。

 人外さんからお仕置きされる神が誰かは、詮索しない方針としときますかね。

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