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女王⁉ 聖女⁉ いえ、ただの農業オタクな細工師です。  作者: 堀井 未咲
第九章 森からの招待状

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349 説明下手な私でした

 ビスクドールのルビーちゃん。

 いや、違う。

 ルビーちゃんから贈呈されたビスクドールは、ゲーム内拠点の摩訶不思議農園の屋敷に飾って置いていたはずだった。

 そのビスクドールは、拠点倉庫に眠っていた素材と共にショルダーバッグinアイテムボックスに入っていた点について、あら不思議。

 人外さんは拠点屋敷内部の調度品も再現して、ショルダーバッグに詰め込んでくれたのだろうか。

 うん。

 正直な話、私自身拠点倉庫の素材やアイテムを全て把握していた訳ではないんだよなぁ。

 というのも、入手した経緯を知らない素材やアイテムが倉庫にあったからね。

 百年に一度咲く精霊華や世界樹の雫、水竜の鱗と牙や深海珊瑚、氷狼王の毛皮や凍河の氷水晶とかさぁ。

 どう考えてもお子様ズが入手して、倉庫にぶっ込んだんじゃないかと思える品々があった。

 ついでに言うと、レオンはアダマンタイトやらオリハルコンやら希少価値高い鉱石を拾ったから倉庫に入れておいたと、素材目当てに採掘行く準備してたら言う派である。

 鍛冶師フィーアにレオンを貸してくれと羨ましがられ、アリスの頬が膨らんで抗議され謝罪されるのがいつもの流れだったりします。

 おっとり裁縫師エララも、あらまぁ、私は◯◯の原石が欲しいのですけどぉと追従したりして、私と仲良しなフィーアとエララに生真面目な性質のレオンはあっさりと渡してしまった一件もあった。

 で、まさかレオンが気軽に応えてくれるとは想定してなかった二人から、相場の倍の金銭が私に支払われた後にフィディルとファティマによりレオンは注意を受けた。


「フィーア様とエララ様はマスターのご友人であるのは確かだが、今後はマスター以外の方に対価無しに鉱石や原石を渡さないようにしなさい」

「そうですわよ。

 フィーア様とエララ様は他者に吹聴なさる方ではないですけど、貴方が頼まれたら簡単に渡してしまうと、風のマスターに知られたらどうなるか、分かるでしょう?」

「あっ、……そうだ。

 マスターに迷惑掛けてしまう。

 ごめん、フィル兄、ティア姉、マスター。

 そこまで、考えがいかなかった」


 フィーアとエララは良くて、強欲なあの人に知られたら私の名が匿名性がない掲示板に晒されて、他プレイヤーから粘着されるのは確実になる。

 当時、アダマンタイトやオリハルコンの希少鉱石は特定地点で採掘するか、イベントやクエスト報酬で入手するしか無かったからね。

 しかも、採掘率も千回採掘して一つか二つ、かなりシビアな割りあいだったので無理もない。

 フィディルとファティマに叱られているレオンは、お子様ズが倉庫に私が知らない間に素材やアイテムをぶっ込んでいた言い訳を一切話さなかった。

 でも、気付いたお子様ズは叱られているレオンの隣に並んで、ごめんなさいと謝罪した。

 お子様ズもだけどレオンも私に喜んで欲しくてしたとの理由があり、最終的にきちんと私に報告してから入手するようにしなさいとなった。

 しかし、ただ黙って貢がれる私ではいられない。

 素材やアイテムが欲しくなった場合、お子様ズやレオンに一緒に入手しに行こうと声掛けしまくった。

 そうして、一緒に何かを入手する楽しさを共有するようになって、知らない間に倉庫に素材等が入れられる頻度は少なくなった。


「マスター、あのね。

 世界樹のおばあちゃんから、樹皮がムズムズするから取ってとお願いされて取ってあげたけど、要らないからマスターにあげてって。

 だから、倉庫に入れておいたよ」


「マスター。

 海龍さん達が処分に困っていた素材だけど、人間には良く効くお薬の素材だって以前聞いたから、貰ってちょうだいってくれたの」


「……眷属の精霊、……意地悪するクマさんと魔物、……やっつけてきたの。

 ……毛皮素材、……裁縫するお友達にあげて」


 エスカちゃん、世界樹素材は世に出したら阿鼻叫喚の嵐が荒れまくりですよ。

 ユリス君、確かにあるクエスト完璧クリアするには必要不可欠な海底薬草と海藻だけど以下同文。

 セレナちゃん、エララは喜んでくれるけど以下同文。

 気軽に表に出せない素材にバージョンアップしてしまいました。

 こっそり匿名性高いオークションに出品してみたら、オークション会場まさに阿鼻叫喚だったそうで、出品禁止くらいました。

 出品者捜索にプレイヤーのみならず、NPC(住人)も参加されてた。

 安全策として摩訶不思議農園で収穫した精霊の加護付いた黄金野菜を出品しといて良かった。

 オークションを運営する商業ギルドに売り上げ金をギルドカードに納金確認しに行くと、たむろっていた捜索隊に絡まれかけたしな。

 その辺り、商業ギルド側も対策していて別室に案内されてからの、高金額になった黄金野菜のお金だと室外にわざと聞かせるように配慮しつつ、本命の売り上げ金を隠して納金して貰えた。

 そうして、黄金野菜もダメ出しされました。

 オークション出品禁止くらいました。

 悔しいので、二回言わせて貰いました。

 お子様ズもレオンも善意の好意からしてくれた事なので、フィディルとファティマにお叱りはほどほどにと口を挟みました。

 あー、話が盛大に逸れたな。

 まあ、その。

 私も拠点倉庫の全アイテムを把握してなかったから、まさかルビーちゃんのビスクドールが手元にあるとは思いもしてなかった。


「ルビーちゃんのお人形と、妹ちゃんのお話はどう繋がっているの?」


 再度、首を傾げてエスカに問われる。

 人外さん謹製ショルダーバッグはエスカに預け放しだったからなのか、中身を把握している様子に脱帽すべきだろうか。

 はたまた、ファティマに預け放しにしていたお小言貰いに行くべきか、悩ましい。


「エスカはルビーちゃんを覚えていたんだね」

「うん。

 マスターをお姉様と慕っていた子でしょう?」

「フィル兄も、ルビーちゃんは気に掛けてあげていいって言ってたよ」

「……ルビーちゃん、……マスター、大好き。

 ……セレナ達と、一緒だから、……仲良くするの」


 ふむ。

 うちの子達のルビーちゃんの心象は悪くないと言う訳か。

 そういや、ファティマもルビーちゃんの守護者にと眷属の中位精霊を推薦してたや。


「そのルビーちゃんのおじいちゃんが、元の現実世界の一大宗教の聖職者さんで、私の実家の家族の件について、日本国の偉い人達に許してあげてくれないかと進言してくれたみたいなの。

 それと、りぃ宛にお見舞い金が支払われたみたいなの」

「ん~~。

 エスカ、あんまりお利口さんじゃないから、分からない」

「聖職者って、マスターの超過保護なあの人みたいな人って意味かな?」

「……日本国が、……マスターが最初に誕生した国で、……神聖国みたいな宗教国が、……マスターの家族に?」


 あ〜、私の説明下手さに泣けてくる。

 お子様ズの混乱具合が、ますます深まっていく。

 ゲーム内世界の状況で語れば良かったかもしれない。

 お子様ズもレオンもフィディルとファティマも、自身がゲーム内世界で誕生した存在だとは認識している。

 私達プレイヤーと呼ばれる存在が、ゲーム世界の住人とは違う世界の住人だとの認識もしている。

 認識の相違や齟齬が発生すると統括AIのアリアちゃんからの学習知識が補填して、プレイヤーに違和感や不快感を抱かせないようただちにアップデートが試行されるようになっていた。

 よって、ゲーム世界に似た異世界には、補填してくれるアリアちゃんが不在な為正しい知識のアップデートができないのが現在お子様ズを混乱させている。

 アリアちゃんの偉大さに、今更ながら気付かされたよ。

 いや、単に私が説明下手なせいでもあるがな。


『うんとね。

 まあ、概ねお姉が説明した通りなんだけど。

 私やお姉が誕生した世界ではね。

 神様は信仰の対象だけど、現実に姿を見たり声を聞いたりした人が存在していると、実証されてはないんだ』


 りぃの補足が入った。

 ただまあ、地球世界の宗教に関して、あれこれ言える立場ではないのであまり詳しくは語れないけど。

 国によっては一神しか認められない国もあれば、日本みたいに仏教でも宗派が多数あるしね。

 歴史テストで宗派の違う宗主の名前を書いた私がおります。

 返ってきたテスト用紙にバツがあり、友人に愚痴って間違いを訂正された苦い記憶が……。


「「神様いないの?」」

「……いないの?」


 首を傾げるリターンなお子様ズ。

 こちらの世界、神様が身近な存在なゆえに、存在しない意味が理解不能な模様。

 ゲーム世界じゃあ、アリアちゃんが神様扱いだった。


「存在しない実証もされてはいないよ。

 だから、神様がいるか、いないかは、国や個人様々な解釈があるから難しい定義でもあるんだ」

「ルビーちゃんのおじいちゃんは?

 マスターは信じている神様の信徒なの?」

「ルビーちゃんのおじいちゃんは、私が信仰していた神様の信徒ではなくて、まぁ神聖国の神様クラスで世界的に信徒がいる神様で有名な宗教だよ」

「ふーん。

 なら、他国の神様がマスターが最初に誕生した国にいる家族に干渉したって事になるの?」


 エスカは自分がお利口さんではないと言うが、学ぼうとする意欲はお子様ズの中で抜きん出ている。

 たいがい、質問攻めしてくるのもエスカである。


「そうだね。

 何故か、他国の神様の信徒がりぃや家族の問題に干渉してきたのかもが、話の流れに繋がる訳になったんだ」

「成る程、それはエスカも分かった。

 多分、そのお話フィル兄なら知っているかもだよ」

「ユリスも分かった。

 精霊王に呼び出しされた件だ」

「……あっ、そうか。

 ……あの時、……マスターの家族が、どうとか言ってた」


 はい?

 お子様ズや、それは問題発言ではないかな。

 私が怪我した時、フィディルとレオンが相談したいと外出先で事前連絡無しに顕現した一件も繋がりがあると、言っているのではないかな。

 なら、フィディルとレオンに私接近禁止令解除を……お願いするのはダメなのかな、エスカ。

 さっきまでの、純真無垢な学ぶ意欲ありなエスカちゃんは、どこに行ったやら。

 プクリと頬が膨らんだエスカがいる。


「まだ、エスカは許してないから。

 マスターが怪我したの、フィル兄とレオ兄が悪いんだから」

「エスカは、一度怒ると長いよね。

 ユリスは、そこ分かんない」

「……でも、悪いのは、……フィル兄とレオ兄だもん。

 ……セレナは、反省が終わるまで、……待てるよ?」


 ぷんすかエスカの頬をつつくユリスと、エスカに釣られてフィディルとレオンを許してないセレナがいる。


『お姉の怪我が重傷だったから、守護者ちゃん達ぷんすかしているのかなぁ』


「自分で治癒できる怪我だったけど、派手に出血したもんだから騒がれちゃいました」


『なる。守護者ちゃん達が過剰に反応したのを、理解した。

 自分が治せるからと無茶した騒動を思い出すといいよ。

 自業自得じゃん』


 りぃから苦言いただきました。

 どうしても参加しなくてはならないクエストに、体調不良なのに何を思っていたのか治癒魔法掛けたら大丈夫と省みずに参加して、途中退場=緊急強制ログアウトしてしまい、復帰後ログインしたらエスカに大泣きされた自業自得な騒動を思い出しました。

 現実の体調不良に、ゲームの治癒魔法が効果あるはずはない。

 りぃにも運営にもしこたま怒られました。

 反省会するべきでしょうか。

 りぃの責める眼差しが、痛いでした。

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