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女王⁉ 聖女⁉ いえ、ただの農業オタクな細工師です。  作者: 堀井 未咲
第九章 森からの招待状

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347 りぃ復活のちご立腹でした

 ジーと三柱お子様ズの視線が私の一挙一動を少しも見過ごさないように固定されて、ベッドに寝かされている現在、マジでひますぎる。

 せめて、読書なりできたら良かったのだが。

 なにしろ、出血による貧血でふらついたせいで、何もさせて貰えず寝ているしかない。

 例外は、お手洗いのみ。

 エスカが家妖精(ブラウニー)のアンジーに貧血の鉄分不足解消にと飲食物を頼みに行き、小鉢にレバーの炒め物と鉄分豊富な果物と野菜をミックスしたスムージーを持って戻ってきた。

 ちょっぴりお怒りモードで差し出され、黙って飲食した私です。

 以後、寝返りしようとすると甲斐甲斐しくお世話するお子様ズがいてですね、自由に身動きすらできやしないでおりますわ。

 だってねぇ。

 お怒りモードな割に身動きすると涙目でお世話しようとしてくれるのと、ユリスもセレナもエスカに同調して絶対安静を願ってくるしで、心配掛けてしまった反省会を内心やってます。

 でも、正直言ってひますぎて困った。

 安静状態を主導しているのはエスカなんだけど、そういや怪我とか状態異常(バッドステータス)に陥った時に一際私の身を案じるのはエスカだったな。

 ユリスとセレナはどちらかと言えば、あまり怪我や状態異常に対して反応は薄い。

 何故なら、私自身の状態異常の耐性はファティマとの契約の恩恵でマックスに近かった。

 ワールドクエストのレイドボスによる強制耐性無効化バッドステータスをくらっても、他のプレイヤーより軽い症状で済んだ。

 また、私自身で解除できないバッドステータスは、ただちにファティマが解除しちゃうからね。

 精霊魔法師なのに、重量級の盾役プレイヤーなみに前衛で盾役やっていた事もある。

 物理的な盾より精霊魔法の最上級盾魔法をあてにされての配置だったが、クエストが無事にクリアした後に毎回エスカがぷんすかしていたのを思い出してきたよ。

 あ〜、エスカはクエストクリアの貢献度上位入りしても喜ぶより愚痴ぽかったのは、私が怪我とかバッドステータス受けたりする事の方が嫌なのだと思ったっけ。

 レオンも盾役に配置した指揮役プレイヤーに批判的な発言してたのと、大地の守護盾魔法なんか教えなければとも嘆いていたな。

 でもねぇ、ファティマは聖属性の守精霊護魔法をいかんなく発揮するのは推奨したんだよ。

 フィディルも時空属性精霊魔法を行使推奨派だったりする。

 うむ。

 エスカとレオンは慎重派というか、私が怪我とか負傷するのを忌避したい派で、ユリスとセレナは私が活躍して称賛されるのをみたい派に分類できる。

 普段の好奇心は猫を殺す勢いで行動するエスカの、怪我を負う前提の活躍を嫌うギャップにいっとき私も疑問符を抱いたもんだ。

 今も真剣な眼差しで私を監視しているエスカと、同調して不安気を醸し出しているユリスとセレナは寝ている私の両脇に何故か正座して見つめている。

 心配されているのも、不安にさせているのも私が迂闊に怪我したせいなのは心底理解しておりますが。

 何度も言わせて貰えると、ひますぎて困っていますです。


「あ〜、エスカ……」

「なに、マスター?

 お手洗い? それとも、何か飲み物貰ってくる?」


 エスカの絶対安静を解除して貰う交渉しようとすれば、私の発言を遮るように顔面を覗き込んでくる。

 釣られて、ユリスとセレナも覗き込んでくる。

 ス、スムージーは勘弁して欲しい。

 多分、エスカが貧血効果に良く効く野菜やら果物やらを、アンジーにまくし立てる形で作って貰ったみたいだけど。

 配分を考慮してないせいで、味がですね。

 言っていいですかね?

 青汁やセンブリ茶をミックスした劇物でした。

 果物の甘味の後に、刺激的な超絶苦い味が襲ってきて吹き出しかけた。

 アンジーが作ったスムージーだからと油断した。

 ごくごくと飲み干そうと気にせず、口に入れて噎せ返るだけに済ませた私を褒めて欲しい。

 これで吐き出していたら、また一騒動起きたであろうと確信できたので、噎せただけで耐え抜いた。

 まあ、それでもエスカはまた涙目で


「マスター!

 寝てぇ〜。起きちゃダメぇ〜」


 と騒いでしまったけども。

 いや、貧血でではなくて、激苦い味に噎せただけだから、とは言わせて貰えなかった。

 だもんで、監視の視線の圧が増してしまったのですよ。


「ううん。

 飲み物は要らないけど……」


『じゃじゃ~ん。

 試験から漸く解放されました〜。

 そして、来訪許可いただけました〜。

 りぃちゃん、復活です〜』


「「あっ、マスターの妹ちゃんだ」」

「……妹ちゃんだ」


 今度は、マイシスターりぃちゃんに遮られた。

 ミニチュアサイズの人形よろしく、ミニクッションを敷き詰めた籐籠に飾られていた義体が両手を上げて復活宣言をした。

 りぃちゃんや、空気読まない登場にお姉ちゃんは救われました。

 お子様ズの視線がりぃに向かい、私も起き上がる理由ができた。


『あれぇ?

 お姉、寝てたの?

 ってか、もしかして就寝時間帯だった?

 でも、許可した神様は、まだ夕方にもなってないって言ってた、ような?』


「うん、違う。

 まだ、就寝時間帯じゃないよ。

 ただ、うん。

 ちょっと、迂闊なやらかしして怪我して貧血起こしただけだから」


『怪我? 貧血? 

 何それ、お姉が貧血起こす程の怪我だなんて。

 何処の勢力と喧嘩したの?

 それとも、魔物の集団発生なスタンピードでも起きたの?』


 再会当初のプチネクロマンサー衣装ではなく、アンジーがこれまた作製してくれた可愛らしいワンピース衣装のりぃの義体が、浮き上がりまっすぐに私に向かって飛んできた。

 フィディルがいたら、途中で減速しないまま突っ込んでくるりぃを停めただろうが、あいにくとエスカにゆる接近禁止をくらって不在。

 停められる事なくりぃの義体は、私の顔面に突撃しかけてビタンと視えない壁にぶつかり寝具の上に落ちた。

 ありゃ、誰の守護魔法かな。

 私も発動するまで認識してなかったや。


『いっ、痛い。

 義体なのに、痛覚あるのに気付きました。

 前にお姉にぶつかりそうになった時、お姉の守護者さんに停められた時は痛くなかったのに、何故に?』


 ああ、レミーアさんの領地で再会して、フィディルに制止された時の事か。

 私に敵対意思がなかったから、優しく掴まれたんだろうね。

 フィディルも私の妹だと分かっていたので、排除ではなく制止で済ませたと思われる。


『変だなぁ。

 お姉と再会するまで、何かにぶつかっても痛くなかったし、空腹感とかもなかったのに』


「私の超過保護な後見人な神様か、りぃ担当の神様に聞いてみようか?」


『うーん。

 何か最初に説明された記憶がある気がしてきましたが、さっと思い出せません』


 りぃ、潔いな。

 目の前に落ちたりぃの義体に触れてもいいか躊躇っているセレナの側で、落ちて伸びた態勢で腕組みしている姿を見るに放置でいいよ。

 先天的な病持ちだったりぃは、痛みや苦しみを伴う発作が起きた際に、他事を思案する事で痛みや苦しみを乗り越えようと試行錯誤して思いついた。

 なので、深い思案時は発作が起きていると察し、傍らに寄り添うだけにしている。

 りぃ自身も発作を案じられるより、寄り添うだけの形の方が私に甘えられれると思っている。

 日常生活を普通におくれるようになってから、入院時期に健康な私を罵倒していた自身を凄く後悔して泣いて謝罪された。

 あれも、一種のりぃなりの鬱憤解消法だと理解できる年になったら、自然と受け入れられたし、甘え方を知らないでいたのだと思えたしな。

 りぃが母親の関心を一心に受けていたなら、私は父親の関心を一心に受けていたと相殺できる。

 ただし、父親の関心の向け方は、普通じゃないと指摘されると、納得しかないけどさ。

 息子ではなく娘に、サバイバル技術を叩き込む父親。

 うん。

 職業が自衛官でなかったら、誰でもおかしいと指摘するわ。


『まっ、いいや。

 次に会う時に聞いてみる。

 で、お姉の怪我って、どうして?』


「ん。

 単純に農耕器具の修理を依頼しに鍛冶屋さんに行って、この辺の刃が欠けていると会話していた時に間の悪い偶然が重なって、欠けてない刃の部分で指をざっくりやりました」


『あちゃー、それは痛い。

 偶に、お姉はやるよね。

 お父さんのサバイバル教育と、お祖父ちゃんの農耕作業教育とで、刃物を危険物だと認識してないの。

 だから、いつだったか、サバイバルナイフを振りかざしたストーカーに、蹴りでナイフを握った腕を折ったよね?』


 りぃに反論できやしない。

 確かに、やりました。

 通学路で帰宅中にて遭遇した喚いてナイフ振りかざしていた男性の腕を、ちゃんとナイフが当たらない角度でもって蹴りをかましました。

 ら、見事に折ってしまいました。

 だがしかし、帰宅中の通学路の先は勿論、自衛隊の官舎がある。

 よって、他の通行人も自衛隊に関わりがある人多数でして、蹴りとばした後は休暇中な現役の方もいて、当然すぐにストーカーは取り押さえられた。

 警察官が現場に到着するより、官舎周りの警備の自衛官に保護される被害者と過剰防衛とストーカーに訴えられていた私がいたりする。

 いや、りぃの言う通り、サバイバルナイフを危険物の武器だと怯まずに、どこを蹴ったら危なくないかを意識してた。

 スタンガンでも蹴り飛ばしていたと思う。

 拳銃だったら、うーむ。

 一対一なら、通学鞄を盾にして視界を防ぎつつ素早く近付いて、蹴り飛ばしかな。

 複数人いたら、スマホに入れられた緊急事態用アプリの非常ベルかパトカーのサイレン音を物陰に隠れて鳴らして置いておいて、気を逸らさせるのに成功したら一撃離脱の各個撃破かな。


『お父さんの教育は、かなり間違えて成果をなしてしまっていると伝えておきます。

 そして、お父さんはお祖父ちゃんに怒られてください。

 お姉の思考は、ヤバいです。

 普通の女子高生にあるまじき、過激思考です。

 重要なので、お父さんはお祖父ちゃんに怒られてください。

 いや、お祖母ちゃんに怒られた方が効いてくれるかなぁ』


「だ〜か〜ら〜。

 マスターは、フィル兄やティア姉にちゃんと守護されてよぅ。

 エスカは、もう真っ赤になるマスター見たくないからぁ〜」

「ユリスも、エスカに同意するからね。

 今のマスターは、ダメダメだからね」

「……セレナも、ダメダメ。

 ……妹ちゃんにも、同意」


 おや。

 口に出していたか。

 りぃが目を釣りあげて浮かびあがり、視えない壁を気にしながら指差ししてぷんすかモードになった。

 お子様ズ、特にエスカはまたもや涙目で訴えてきた。

 ユリスとセレナも頷いてダメ出ししてくる。

 そんなに過激思考だろうかと聞くのは、さすがに止めました。

 口にしようものなら、りぃのお説教間違い無しになるのは確実である。


「お父さんは、怒られなさい」


 りぃの声音が、マジギレ寸前なのをご報告致します。

 お父さん、異世界から御愁傷様ですと言わせてくださいませ。

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