表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/14

第7話 インストール

「つまり、俺が倒したアイツも復活してるってことだよな?」


「はい!転移者がこの世界で死なないように転移者が直接の死因の場合はこの世界の生き物は生き返ります。あの倒したときに出た光の粉は生体エネルギーであれを吸収して一定まで溜まるとレベルが上がるという仕組みです!」


「そうか。まぁ大方理解はできたよ。ところでさ。言葉とかはどうなってんの?もしかして自動翻訳されてるとか?」


「凄いですね!そのとおりです!」


―この辺は予想通りか。

流石に30分以上も空を飛び続けていると慣れるもんで風景をよそ目に俺は片っ端からアレアに質問をぶつけ続けた。俺を殺したんだから洗いざらい答えてもらわなければ気がすまない。

ちなみにレベルアップできたということは各代表18人揃ったということらしい。でなければ誰が能力値が最下位かなんて分からないから当然か。


それにしても…この世界はあまりにも都合がいいということがわかった。

都合が良いというのは他の世界の人間はどうか分からないが、異世界転生ファンタジーというジャンルの作品に普段から触れていたおかげかここが本当に別の世界だと理解できるとすんなり頭に入ってくる。その上、死なないし、大会が終わると元の世界に帰れる…

生命エネルギーとやらもRPGでいう経験値のことだろうし、相手も死なないのだからぶっちゃけ良心もそこまで痛まない。そしてレベルアップなんて言葉はそのままだ。恐らく自動翻訳とやらが俺が理解しやすいように変換はしてくれてるのだろが…


「なぁ…今まで代表を辞退した奴っているのか?」


「招待を受けなかった方なら割と多いですよ?でもこの世界に来てから辞退というか欠場された選手はほぼいませんね。」


だろうね。このシステムを聞く限り、出場者にデメリットは全くない。むしろ、俺もそうだが大体の人間は参加してみようかなと思うような作りだ。本当によくできている。


「あと…そろそろですけど、ハルトさんにもこの世界の常識がインストールされると思いますよ?」


「インスト…痛たたたたた!!」


急に頭痛が襲う。それも今までに感じたことのない強さだった。俺は悶え苦しむも抱きかかえるアレアは全く動じる様子はなく、むしろ落ちないように掴む力を強くしていく。


「痛たた…ちょっ…アレアさん?アレ…」


頭痛の痛みで朦朧とする中、もう一つの危険が迫っている。アレアが落ちないように力を込めているのは良いが、その力がだんだんと人間の耐久力を超え始めている。


「アッ…アレ……」


お腹を締められているのでうまく声が出ない。マズイ…このままでは…でも…

お腹と頭というダブルパンチで気がどうにかなりそうになりながらその手を緩めようと手をかけたが全く、手応えがない。


「ハルトさん。もう少しで頭痛は治まりますから我慢してくださいね?」


俺が手をかけたのは頭の痛みで暴れていると勘違いしているのか、女神の力に一介の高校生が太刀打ちできることもなく背骨が折れる音ともに俺は二度目の死を迎えた。




「あの…ハルトさーん?生きてますかー?」


気がつくとそこは見知らぬ天井であった。

上体を起こし、アレアを見つけ、とりあえず文句を言っておくことにする。


「おい!アレア!少しは手加減ってものを…」


「すいませんー!まさかあんなに簡単に折れるなんて思ってなくてー!」


やれやれと呆れながら今の状況を整理する。周りは木造の壁、窓からは朝日が差し込んでいる。どうやらしっかり一泊したらしい。


「ここはドープという村です。事情をお話しして一晩この部屋をお貸ししてもらいました。」


アレアも察してか欲しい答えをくれる。窓から見える景色は絵に描いたような農村といった雰囲気だ。


「ああ、確かワインとここで採れるキノコが名産だったよな。」


ん?俺なんでそんな事知ってんだ。いや…ここの名産だけじゃない。


「あっ。ちゃんとうまくいったみたいですね!」


アレアも俺が思案する様子見て、感嘆の声を上げる。


「インストールって…これのことか!?」


「はい!この世界の常識は自動的に頭に入るようになってるんですよ!」


「ってことはつまり!?……ああやっぱりだよ!」


俺の頭の中には昨日聞いたこの世界のシステムや大会の知識がしっかりと聞いた以上のことが入っていた。つまり昨日、俺が質問攻めにしたのは完全に無駄だったということだ。


「アレア…お前って本当に神だよな?俺を苦しめる為に地獄からやってきた悪魔じゃないよな?」


「失礼な!私はれっきとしたアルハルド六柱が一人!アレテイアですよ!」


ムッとするアレアから視線を逸らし、俺は顔を覆うしかできなかった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ