表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/17

第3話 レベルアップ

(あっ…俺死んだわ。)


体を襲った衝撃がこれが夢でないと思い知るにはあまりに強かった。今思えばよくあの突進を食らって致命傷ではなかったなと思うが、あっと言う間に空へと舞い上がり、地面までの距離を考えるとどう考えても今度はそうもいかないだろう。

地面が近づくにつれて自分にできるのは目を閉じ神に祈ることだけだった。


「神様どうか助けてください!!」

「はいはい!もちろん助けますよー!」


急に重力を感じなくなったのと、あのイノシシとは違う間の抜けた軽い声に目を開ける。

地面スレスレで逆さまになった世界が視野に入り、ゆっくりと反転し無傷で地面に降り立った。


「危なかったですねー。いやぁこんなところに転移されてたなんてー。」


振り返ると翼を広げた美女が金髪の髪を揺らめかせて立っている。


「えっあっ…その…。え?」


ホーンボアとか言う巨大なイノシシに今度は天使のような女…。もう頭が理解するのを拒否し始めている。それでも聞かなければならない。


「あの…あなたは?」

「はい!私は神です!でも…そんなことより早くあいつを追い払わなくていいんですか?」


女神が後ろを向き、それにつられて視線の先を見ると、グアネがこちらに向けてまた突進しようとあの準備運動をしている。


「神様ならなんとかしてくださいよ!」

「ムリムリムリムリ。私、転移者じゃないと干渉できないですよ?そもそも、あのホーンボアに私のこと自体も見えてませんし。」


意味がわからない。神なら助けてくれよ。いや、さっきは助けられたけど。しかしそんなことを言っている場合ではない。もうグアネは完全にこっちをロックオンしている。


「あのう?魔法使いなんだから魔法を使ってみたらどうですか?」


意味がわからない。繰り返す。意味がわからない。俺が?魔法使い?


「俺、魔法使いなんかじゃないですよ?ただの高校生で。」

「いやいや。ああ、そうか。前の世界とでは勝手が違うからか。ほら?ちゃんと集中して?あなたならできるできる!」


生き残ったら絶対一回は殴ってやろう。そう言い聞かせながら不本意ながら集中する。こうなったらヤケクソだ。死んだらこの神を呪ってやる。

ふと、頭のなかに何かのイメージが浮かぶ…これは…マギクロのカード?それが5枚?

イメージのなかのカードの一枚に触れる。その瞬間目の前まで迫っているグアネに無意識に声を発する。


「【カウンターショック】!!」


一瞬、身体の中から何かが抜けた感覚と共にグアネの身体は見えない壁にぶつかったかのようにのけぞり、元の位置に弾き飛ばされた。

俺が唱えたその名はマギクロのカードの一つ、【カウンターショック】、相手の低級召喚カードの攻撃宣言時にその攻撃を無効化するというものだ。


「ほらね?使えたでしょ?ほらほらもっともっと。」


女神は相変わらず気楽に言ってくれる。あいつにもカウンターショックを打ってやろうか?

ただ目下の敵はあのグアネだ。まだ体は言う事を聞かないのか立とうとして何度も転倒している。

チャンスは今しかない。

もう一度、集中し残った四枚のうち最適解だと思われるカードを選びその名前を叫んだ。


「サモン!熟練の老狩人、ノハン」


地面に魔法陣が浮かび上がったかと思うとその中から白髪に無精ひげを生やし古びたマスケット銃を担いだ男が現れる。


「はぁ…。マスターよ。ワシになにかようかい?」

「あいつを倒してくれないか!?」

「うけたまわった。」


男は銃口をグアネに向ける。グアネの方はカウンターショックの効果が切れたのかまた突進の準備を始めていた。


「お、おい!早く!」

「マスター…。焦んなさんな。」


そんなことを言ってもグアネはすでにこちらに向かってきている。

もう駄目だと思った瞬間。一発の銃声が森に響き渡るとともにゆっくりとグアネの巨体が地に伏しそして光の粉となって消え、その光は俺の身体に吸収される。


「おめでとうございます!レベルアップしたようですね!」


女神の弾けるような声で俺は我に返ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ