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第26話 システム更新

「みなさん。本当にお世話になりました。」


「ええんよ。それより気をつけるんやで。」


スレー達とはここで分かれることとなった。俺達の向かう村に行ってしまうとこの後の予定に差し支えるらしく。また、国境近くには街があり、そこまでここからなら一時間ほどで着くという話しであった。


「次にお見かけするのは…もしかしたら大会の会場かもしれませんね。」


「ああ。そうかもな。その時は俺は敵ってことになるかな?」


少し意地悪そうな笑顔で二人を見る。


「僕!お兄ちゃんの応援するよ!僕の国の勇者様と戦う時以外はね!」


「ほんまに応援してや?ちゃんと見つけるからな?」


かぐやも同じように笑顔を見せホロの頭を撫でる。こりゃあカッコ悪いことはできないなと胸に留めておく。


「では私たちはこれで。そうだ。ハルトさん。少ないですが、これを受け取ってください。」


スレーは腰元の革袋から数枚の金貨を取ってこちらに渡した。


「いや…受け取れないよ。」


正直ものすごく嬉しいし、期待していた所はあるが、いざ面と向かって渡されると気が引ける。


「良いんです。私はこれでも商人ですからね。対価を払わないと気が収まらないんです。もし受け取っていただけないのであれば私が見たことを我々の勇者様にお聞かせすることに…」


「わかりました!わかりました!……ありがとうございます。」


「それはこちらの台詞ですよ。」


何故だろう。すごく不本意な受け取り方をしてしまったような気がする。

でもこんなやり取りができるほど回復して良かった。ただ…やられたままでは今度はこちらの気が収まらない。


「なにか…良いのが…っと。よし。これにするか。【プロテクト】」


■プロテクト

アンコモン

スペルカード 消費MP10

『次の自分のターンが来るまでサモンカード、スペルカードからのダメージを1軽減する。』


そしてまた効果が置き換わる。


『1時間の間、低級魔獣からのダメージを無効化する。』


親子の体が一瞬、軽く光った。


「これは?一体?」


「まぁ、お守りみたいなもんだ。道中気をつけてな。」


「ありがとうございます。あっ…。ハルトさん。女神様はどちらに?」


二人は俺の周りを探すように見回す。


「俺の左隣にいるよ。」


そう言ってアレアの後ろに周りどこにいるのか分かるように彼女の両肩を掴んだ。


「なっ!?なんですか!?」


「こうしたほうがわかりやすいだろ?」


驚き、顔を赤らめるアレアだったが、すぐに落ち着きを取り戻し親子の方を見る。


「女神様も本当にありがとうございました。まさか他国の神様に助けていただけるとは思いませんでしたよ。」


「女神様!ありがとうございました!」


アレアは何度か頷き、俺に伝言を頼んだ。


「ハルトさん。このお二人にお伝えしてください。お二人の行く先に幸多きことを。と。」


親子にアレアの言葉を伝えると。二人は手を合わせ深く頭を下げた。そして別れの挨拶を済ませた後、それぞれの道を歩み始めた。


しばらくは草原の間に伸ばされた平坦が続いた。時折、人とすれ違うこともあったがその度に「森に行くならゴブリンに注意」と話して回った。まぁ、道から外れなければ襲われることはないとは思うが。

ただ、それ以外は何事もなかったのでふとステータス画面を開けてみる。


「おっ?レベル上がってんじゃん。」


恐らく、かぐやが何体ものゴブリンを倒したからだろう。思ったよりゴブリンから貰える経験値が高かったようだ。

その時、見慣れぬ言葉が流れた。


【システム更新、全カードの置き換えが完了しましたので承認してください。】


どういうことだ?

効果の置き換えが終わった?

…もしかして?


慌ててステータス画面の一番前にデカデカと表示されていた【承認】のコマンドを押して【カード一覧】を開き手に入れたカードを確認する。するとスペルカードやサモンカードの効果が元の説明文から変わっていることに気づいた。

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