第13話 盗賊なら仕方ない
「さぁどうするんだよ?」
三人の男は各々が持ったナイフをチラつかせながらニヤニヤと品定めするように俺達を見る。三人に聞こえないよう、横にいるアレアに耳に顔を近づた。
「なぁ、人でもその…レベルアップとかってできるんだよな?」
「え?ああ。はい。もちろんです。」
確認は取れた。当初は襲ってきた魔物を相手にするつもりだったが、加害の意思を持った人間なら問題はないだろう。
「サモン。【ベビーフレイムタイガー】。」
■ベビーフレイムタイガー
コモン
サモンカード 消費MP5/分
攻撃力2 体力3
テキスト
小さいと言って油断することなかれ。生まれたばかりと言えど口から吐く炎はお前の命を消し炭にするのには十分だぞ。
地面に浮かぶ魔法陣からかなり小柄な子虎が現れる。カードのイラストではわからなかったが、こうやって実物が目の前に出てくると昨日のフローズンドラゴンといい、サイズ感が分かって面白い。
俺が召喚した子虎を可愛がっていると男たちは腹を抱えて笑い出した。
「ハハハ!なんだお前?さては駆け出しの魔道士だな?そんなので俺達を倒せ…」
「ベビーフレイムタイガー。奴らに攻撃!」
「がおー!」
可愛らしい鳴き声とは裏腹に凄まじい炎を口から吐き、あっという間に三人は光の粉となる。
「容赦ないですね。」
「だってあいつらから仕掛けてきたんだし。ありがとうな。戻れ。」
子虎も満足気に消え去るのを確認するとその場に腰を下ろす。
「ハルトさん?どうしたんですか?行かないんですか?それとも体調が?」
「いや?まぁ、アレアも座りな。」
そしてそれから10分後…
「プハァ!!な、なんだあの虎は!」
「アニキ!でも俺達無傷ですぜ!」
「こっちも怪我一つしてねぇぜ!」
盗賊三人は無事を確認するようにお互いの体を見せ合う。復活する際は白い光が集まってその中からやられた時と同じ見た目で蘇った。
良かった、肉片が現れたりもっとグロテスクなものだったらどうしようかと思っていたので安心した。
盗賊三人も無事であることを確認すると腰を上げ、声を上げる。
「【落石地帯】!」
■落石地帯
コモン
スペルカード 消費MP10
『敵のサモンカード全てに5のダメージを与える』→『前方に5×5mの岩を降らせる。』
俺の声に反応した三人はこちらに振り返ったが、そこへ巨石が空から落ち、三人を押し潰す。そしてまた光の粉へと変わった。
また10分後…
「おおおおお!」
「ハァハァハァハァ…」
「な、なんだったんだ…」
三人は巨石の上に復活した。どうやら元の位置での復活ができない場合でもちゃんと位置を調整してくれるらしい。なんとも親切だ。
「あ、アニキ…これって夢ですかい?」
「いや、これは聞いたことがある。確か幻術とか言う幻を操る魔法…」
「で、でも体中に痛みと骨が折れるような音が聞こえたような…」
何やら三人で相談しているがもう少し付き合ってもらおう。
「【毒蛾の鱗粉】」
■毒蛾の鱗粉
コモン
スペルカード 消費MP10
『3ターンの間、相手のターン終了時に相手の場のサモンカード全てに1ダメージを与える。』→『鱗粉を受けた生物は弱性の毒に冒される。』
今度は盗賊の上に小さな蛾が現れ、鱗粉を撒き散らした。
「ゲホッゲホッ…なんだこの虫は!…なんか俺、気分が…」
「気持ち悪い…」
「なんかしんどくなってきたような。」
なるほど、即効性の毒なのか。これはこれで使えそうだけど鱗粉が当たらないといけないのか…なら次だ。
■スケルトンナイト
コモン
サモンカード 消費MP5/分
攻撃1 体力1
効果
『一度だけこのカードが破壊された時、場に1体のスケルトンナイトを場に出す。』→『MPが続く限り復活する。』
■時限爆弾
コモン
サモンカード 消費MP15
効果
『自分の場のサモンカードを一枚破壊する。相手の場のサモンカード全てにそれぞれ2のダメージを与える』→『召喚したモンスターや人物に時限爆弾を装備させる。』
召喚した骸骨の戦士が小脇に爆弾を抱えて体調が優れない盗賊に向かって突撃爆発する。そしてまた光の粉となりその爆風の中から骸骨の戦士がすすにまみれながら現れる姿はホラー映画のワンシーンを見ているようだった。




