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第32話 疫病神

起きたら、誰も近くにいなかった

「すみれ?」

部屋からは昨日はあったはずの温度がない

「どこ」

すみれ、どこいったの?

私、置いてかれたの?

布団から勢いよく起き上がる、周りを見ても誰も居ない

「やだ、すみれ。どこなの?」

出かけているの?でもなんも聞いてない

どこ?

その時

ガチャっと、玄関の扉の音

私はその音に反応するように階段を駆け下りる

「すみれ!!」

帰ってきた、私より少し大きい身体に抱きつく

「起きてたの?」

「うん、今起きた」

すみれはそのあとは何も言わずに私の頭を撫でた


ーーー


「葵の家?」

「そう、私の家だと親がうるさいしこのまま片方が床で寝るわけにはいかないでしょう?」

「そうだけど…」

すみれと離れたくない。葵の事も大好きだけれど、すみれは特別

「大丈夫よ、私もなれるまでは基本泊まりに行くわ」

「ほんと!?」

すみれが来てくれるなら、少しは大丈夫かも

そんな話をしていた時に、一つピンポンが鳴り響く。すみれはその音を聞くやいなや

「百合、部屋に戻ってて」

私はなにがなんだかわからなくて、頭を縦に振って部屋に戻る、フリをした

誰なのか気になったから

すぐに、すみれが玄関の扉をあけると

「こんにちは、花芽すみれさん。ですか?」

大人の人が数人ぐらいの声

「えぇ、そうですけど」

「水瀬百合さんと、仲の良い方とお友だちからお聞きして、もしかしたら百合さんがこちらに来ていないかなと」

なんで、私?

「そんなことを聞く前にそちらが自己紹介でもしたらどうですか?」

「あぁ、すいません。私日本〇〇テレビ局のもので、話題の白化病になった高校生がいると聞いて取材に来ました」

「自己紹介どうも、それじゃあ、百合はここにはいないので」

そう言ってバタンと、力強く玄関の扉を閉める音がした

なんで、テレビの人が?

いや、あんだけSNSで有名になってしまったのならテレビが来るのも、おかしくない

もしかして、すみれが出かけてたのは、それの対応?

すみれの負担がどんどん、増えちゃう

「あら、百合。盗み聞きしてたの?」

考え事をしていたら部屋に逃げるのを忘れていた

「ごめんなさい、気になって」

「ちょうどよかったわ、あれが原因でもう百合がここにいると負担がひどいとおもってね」

「それで、葵の家に?」

「そうよ、お願い聞いてくれるわよね?」

私がここからいなくなれば、すみれは楽になれる?

「すみれは、そっちのほうが楽?」

「…まぁ、さすがにね」

すみれが苦笑いをする、いつも無理ばっかして

私は、疫病神かなにかなの?

なんで、

なんでなの?

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