第24話 柚子の若葉《上》
「ねぇ柚葉、柚葉って一年の時どこかでキャラ変わったよね」
「そうですけど」
その話をされると恥ずかしい
「なんで変わったの?」
「えー、聞きます?」
なんでだっけ
「聞きたい、聞きたい!」
「じゃあ、良いっすけど」
どうして、私は、変われたんだっけ
ーーー
高校に入った頃
私は頑張って周りに合わせていた
「そうだね」
「うんうん」
そんな相槌ばかり楽しくもないけど、いじめられるのは嫌だった
だから、自分を隠してばかり
本当の自分がどれかわからなくなるほど
私の本当ってどれなの?
ある人の前ではオタクみたいな喋り方を
ある人の前では優等生ぶって
ある人の前ではいじめっ子だって演じた
親の前ではよく育った子供の真似を
私の本当を見てくれる人など誰一人いなかった
ーーー
「あんた辛くないの?」
それが始めて、貴方が私に言ったこと
初対面で何を言うんだろうと思ったが状況も状況だった
「あんたの仲間みたいなクズが皆逃げたけど、あんたは逃げないの?」
グループのリーダー、カースト上位の好きだった人を取った人をグループの皆がいじめていた
私はその状況を見ているしか出来なかった
加勢もできない
怒られたくないから
かといって逃げることも出来ない
嫌われたくないから
だから見ていただけ
そこに□はヒーローのようにいじめられてた少女を助けに来た
怒られるなど考えないでリーダーの子の顔面を思いっきり殴って
でも、なんで私はそんな言葉をかけられているのだろう?
この人から
なぜ、「辛くないの?」と聞かれたの?
「あー、言葉が足らなかったわね。あんた」
「そんなに偽物の皮ばっか被って重くないの?」
「重くないよ、何も」
辛くない、重くない
『ーー痛い』
そうじゃないといけない
「それは本当のあんたが言ってるの?」
何を言ってるの?
「当たり前でしょ」
『ーー助けて』
「へぇ」
「大変そうだね」
目の前の貴方がそう言うと、私の中で何かがプツン、と切れた
「貴方に何がわかるの!!」
そう私が怒鳴っても目の前の少女は何一つ表情を変えない、それどころか少しだけ笑っていた
「なんだ、本当のあんたはまだいるじゃない」
「どういうーー」
言いかけた途中で貴方は踵を返して
「じゃあね」
それだけ言って、どこかに行ってしまった
ーーー
十日経っても貴方は心から消えてくれない、胸がずっと締め付けられる
「おはよう」
朝、何事もないようにグループに戻る
「おはよう柚葉」
リーダーの子は頬を紫色に変えてるだけで他は大丈夫そう
「ねぇ、柚葉。放課後空き教室行こ」
「良いけど、またするの?」
また
この子、リーダーに一番近い子はレズ気質っぽい、だから自分で言うのもなんだけどチョロい私はただ欲求ぶつけ先にされていた
「そうそう、」
なにか後味が悪そうな言い方をする
突っかからないほうが良いだろう
「じゃあ、私、授業始まる前にお手洗い行ってくるね」
「ん、行ってらっしゃい。柚葉」
トイレについて個室の中で喉で押さえていたそれを吐き出す
気持ち悪い
本当はあれ、いやだ
でも、逆らえない
いやだいやだいやだいやだ




