第21話 いつかの花壇
目が覚める
いつもの自宅の天井が視界に入る
「おはようー、お姉ちゃん」
部屋の入口から同年代程の女子の声が響く
肌は白く、綺麗な髪
「おはよう、ひな」
「おはようじゃないよー、学校遅刻しちゃうよ?」
「わかったよ」
「そうじゃなくて、いそいで支度してー!」
ひなはぐいぐい、私の袖を引っ張ってくる
「ゆっくりさせてよ」
「そんなこと言ってないで!?八時だから!!」
「え、八時!?」
私の中学校は八時半までに登校
「遅刻しかけじゃん!?」
「だから言ってるでしょー!!支度して!!」
バタバタと立ち上がり支度を始める
「ねー!お姉ちゃん」
「なに?」
「髪結んでー!」
「良いけど」
さっきまでいそいでたのは誰よと思ったけど言わないでおいた
「髪型何が良い?」
「お姉ちゃんの好きな髪型」
「はいはい、いつものね」
ひなの髪に櫛を通してゆっくりと結んでいく
すべてが白くなりかけているきれいな髪を
「ねぇ、お姉ちゃん」
「なに?ひな」
「私が全部忘れちゃっても、それは、私なの?」
後ろから結んでいるからひながどんな顔をしているかはわからない
「忘れてもひなはひなよ」
「そうだよね、お姉ちゃん」
ひながぐるっと身体をこちらに向けて
「大好き、葵お姉ちゃん」
私も抱き返して
ゆっくりと涙を流す
「葵?どうしたの?」
はっとして腕の中を見ると、そこにはひなと同じ髪をしている
百合が居た
「急にぎゅーってしたくなったの?」
「あ、いや。うん、そう。ジェットコースター楽しかった?」
「楽しかったよ」
「それならよかった」
私はただ重ねてるだけ
百合をひなに
「どうしたの?葵、大丈夫?涙出てるけど」
「大丈夫よ、百合、百合こそ大丈夫だった?」
「なにが?」
「いや、クラスの子とか」
「あー、うん、大丈夫」
「良かった」
そこで横から声が聞こえてくる
「葵ー、百合ー、カフェ行こー」
すみれと、柚葉
「だって、葵。ご飯食べに行こうよ」
そう言って、さっきみたいに私の袖を百合が引っ張る
「えぇ、そうね」
「ひな」




