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第11話 葵

「はぁ、ヒヤヒヤしたわよ」

「まぁ、すみれさんいるんだから大丈夫でしょ」

「そうだけどさ、百合、めっちゃ美少女じゃん?」

そう、いつもすみれに隠れがちだが百合は結構可愛い

すみれはモデルの感じの美人。だけど百合はどちらかと言うとお人形みたいな可愛さがある

それに、柚葉も喋り方があれだけど結構美人なんだよな

百合と同じ方向で可愛い

「そうだね、百合、可愛いもんね…」

「どうしたのよ、柚葉」

横にいる柚葉を見ると少し萎れた表情をしていた

「ほんとにどうしたのよ」

「いや、葵って彩花のことよく可愛いっていうじゃん」

「なに?ヤキモチ焼いてるの?」

なわけないじゃん、みたいな反応をするのかと思ったが

予想に反して柚葉は顔を赤らめ視線を逸らす

「え、なに、ほんとに焼いてるの?」

「うん…//」

「はぁ、柚葉も十分可愛いわよ」

「ほんと?」

「なんで、こういう時はちょっとあざといのよ」

「だって―――いや、なんでもない。ちょっかい出してくるー」

そのタイミングで柚葉が百合とすみれに走って行った

「絶対今ちょっかい出さないほうが―――」

機嫌がすこぶる良くないすみれが柚葉を蹴り飛ばし再度プールに落下した

「いわんこっちゃない」

その時すみれが百合に自分の持っていた黒いカーディガンをかけた

そのカーディガンをかけられた百合はまんざらでもない

「はぁ…大丈夫だったの?百合」

私も近寄り心配してた言葉をかける

「うん……大丈夫、ありがと葵」

その時ぱっと少し薄くなった百合の髪が視界に入った

髪が白くなっている?



もしかして



―――






「ねぇ、百合」

プールを上がり、温泉に入ってから部屋に戻って今は、ご飯に行くまでの少しの休みだ

「んー?どうしたの?葵」

「あなた、もしかしてだけど」



「白化病?」



百合の髪をすいていた手が一瞬止まり、すぐに戻る

「気づかれちゃった?」

顔を合わせてくれない

鏡に映るその顔は痛みを残していた

「えぇ、ごめんなさい、プールの時少しだけ髪が白くなっているのを見ちゃって」

「葵、謝らないで、謝るのはこっちだから」

「そんなこと――」

「うんん、ごめんなさい。黙ってて」

百合が私達に言わなかった理由もわかってる

離れてほしくなかったのだろう

白化病は私達との思い出の記憶をなくしてしまう

だから、ある日いきなり百合から誰?と聞かれることだって起こる

それを危惧して

私達に傷ついてほしくないから

でも


そんなの悲しいじゃない


「謝るのはやめなさい、私達は百合が白化病でも離れる気はないから」

ぴたっと百合の手が止まる

「でも、私は忘れちゃうんだよ?皆のこと」

「忘れても百合は百合よ」

「傷つけちゃうかもだよ?」

「そんなの傷でもなんでもないわ」

「でも―――」

そこで私は百合を抱き寄せる

「誰も百合が傷ついて一人で抱えるのは望んでないの、そんぐらいわかるでしょ」

百合が固まる、喉が一回動いた後

なにかがぷつん、切れる音がした

その瞬間、百合が声を上げて泣いた


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