第10話 ナイトプール!
「わーすっごい!!」
目の前には結構な大きさのライトで照らされたプール
水面はキラキラしていて映画とかでしか見たことがない
真冬なのに施設がドーム状になってるので寒くない
「わーすっごい」
柚葉が同じ事を言ったので見ると
なぜかこっちの方を見ていた
目線は合わず少し下を見ていた
何見てんのさ?
その瞬間バンっと大きな音
同時に柚葉が前に吹っ飛んでいきそのままプールに落下した
「あ!!なにするの!!すみれさん!!」
「あなたこそ誰のどこ見てるのよ、殺されたいわけ?」
「いやいや、だって、あの横から見える絶妙な肌のシワがってストップストップ!!」
すみれが更に追撃しに行こうとしたので腕を掴んで止める
「どうしたの?百合?」
「あなたほんとに百合相手だと人変わるわよね」
横で、呆れた顔で葵が見ている
「まぁ、それよりすみれ、水着可愛いじゃん」
「なんで、あなたが言うのよ」
「逆に百合がそんな正面からあなた褒めれると思う?」
「思わない」
「でしょ?」
まぁそうだけどさ………
本人の前で言わなくていいじゃん
「本当に良いの?」
すみれが見えない尻尾と耳をしょんぼりさせる
「うん、行ってきなよ、私今日ダメな日だから」
「じゃあ行ってくるけど」
「ほらほら、すみれさん、百合さんをそんな困らせちゃダメですよー」
「まぁそうね」
すみれは柚葉に引っ張られながらも、何度もこちらを振り返ってくる
―――いや、別にダメな日じゃないんだけどね
水に浸かると髪の染めが取れちゃうから
葵と柚葉にバレちゃうし
それに私はこうやって見てる方が楽しい
「百合?大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ葵、葵も遊んできなよ」
「えぇ、そうするけど、はい、これ」
葵の手には青色の海のような宝石のような液体が入った大きめのグラスを持っていた
「どうしたのこれ?」
「ん?そこのお店みたいなところで買ってきた、あ、ノンアルコールだから大丈夫」
「ありがとう、良いの?」
「うん、あ、じゃあ代わりにこの財布持ってて、百合プール入らないでしょ?」
「うん、良いよ」
「てか、葵ほんとにスク水できたの?」
「見てわかるじゃない」
すごいな、メンタルが
堂々としていてちょっと羨ましい
あ、みんなの水着気になる?
特別に教えてあげよう、内緒だよ
葵はまぁわかりやすいスクール水着でいつもの長い髪を高い位置で結んで首がすっごい出てる
ちょっと扇情的
柚葉はフリフリなピンクのビキニって感じ、フリフリが結構大きいのと元の身長が小さいせいで全体的に子供っぽい印象
すみれは黒の大人っぽいワンショルに黒いカーディガン、すっごい大人な感じ。すごい可愛い
え?私?私はまぁ薄めのピンクのフリルが少しついたビキニに白色の薄めのカーディガン
すみれに選んでもらったの
―――
皆を眺めながらプールの横で座ってだらけていた
あぁ極楽
それに視界に写るものが健康に良い
みんな美人だよね
「お嬢ちゃん一人?」
そう考えていた時に知らない同い年ぐらいの男性が話しかけてくる
「えっと、一人ですけど、どうしました?」
男の人はにこっと笑う
「綺麗だね、その水着」
その男性が少し近づいてカーディガンに手をかけてきた
「ひゃっ……すいません、触られるの苦手で」
指先が布越しに触れられた瞬間、背筋がゾワッとした
「あ、ごめんね」
男が手を離してしゃがんで同じ視線の高さにくる
距離が近い、恥ずかしい
「可愛いね、君は花ノ宮高校の子?」
「そうですけど」
「俺は白鷺高校なんだけど、二年生?」
「いえ、三年生です」
「あ、じゃあ先輩なんだ、よろしくね」
「え、えぇよろしくおねがいします?」
「ねぇ俺先輩と仲良くなりたいから、あっちで少し話さない?」
「あっち?」
「俺のホテルの部屋で」
え、男性の部屋!?
ムリムリ、そんなの、絶対に無理!!
「いや、友達を待っていて」
「友達も来てるの?」
「えぇ」
「どこどこ?」
「あそこの、三人です」
そう言い、プールで遊んでいた三人を指差す
「すっごい可愛いじゃん、やっぱ類は友を呼ぶっていうもんね」
「はぁ…」
どういうこと?
「いや、だって、先輩もあそこの三人もめっちゃ美人じゃん」
「あ、ありがとうございます……//」
恥ずかしい
こんなに男性と話すのも初めてだし、こんな褒められたこと初めて
「じゃあ、てことでちょっと話そうよ、俺の部屋で」
「いや、みんなのこと見てたくて」
「はぁめんどくさいな」
男性の声が急に変わる
え、なんか言っちゃった?失礼なこと言っちゃったかな?
「ご、ごめんなさい!!」
「あぁ謝るなら行こ」
「え、でも―――きゃっ!!」
急に腕を掴まれてしまった
男性の指の感覚が怖くて足がすくんだ
なに、怖い
怖いよ
「叫ぶな、」
「ひっ―――」
喉がぎゅっと閉じて声が出なくなってしまった
やだ、怖い
男性の力が強くどうやっても離せない
怖いよ……
助けて、と言いたいのに声がでない
すみれ
―――
「離せ」
百合の腕を掴んでいる腕を握る
「誰だ――」
「喋んな、その手を離せ」
「誰が離すか―――」
力を強める、骨の音が少しした
「離せ、私の百合だぞ」
少しの間があって
「チッ」
男は舌打ちをして手を離す
その男は踵を返して走って逃げた
触るんじゃない、私の大切な百合をその汚い手で触らないで
「大丈夫?百合」
百合は下を見て固まったままで、ばさっとカーディガンが落ちる
「百合?」
そのまま、私に体重を傾けた
「……すみれ…」
見上げてきた顔にはたくさんの涙が垂れていて顔は真っ赤になっていた
「ごわがっだよ゙………すみれ…」
「はいはい、怖かったね」
ゆっくり優しく百合を抱き背中を撫でる




