表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/22

EP1-20.

地下下水道の地図を確認しつつマンホールから地上に出たガンマ1とガンマ2は、周囲に敵影などがいない状況にほっと胸を撫で下ろした。

「よし、予想通り大丈夫だったな。」

「さすがにテロリスト達もこの辺りを狙っても意味が無い事が分かっているのでしょう。たしか、北側に自動車整備工場があったはずです。そちらで移動手段を確保しましょう。」

「そうだな。心が少し痛むが緊急事態だから仕方がない。」

「後でちゃんと御礼をすれば問題ありませんよ。」

二人は1キロ程歩いた所にある自動車整備工場に辿り着く。この工場は中古車の販売を兼用している場所なので、工場の横には所狭しと整備された車が並んでいた。

陳列された車の列を見ながら、道路に面している営業用の建物に向かう。

建物入口の自動ドアはオートロック式なのか鍵がかかってる。二人は少し考えたが、緊急時という判断をして、背負っていたライフル銃をハンマーの様に使用して、窓を破壊した。

「明らかな不法侵入だがセキュリティが作動しないな。」

「そこは自動で制御していないのではないでしょうか。少し前の旧式ならあり得る話です。」

「ふむ、そういうものか…。」

誰もいなさそうな雰囲気の店舗内だが、いつでも対処出来るように警戒しながら奥のカウンターに向かう。

カウンター奥の棚にロビーからは見えない様に大きな金属製の箱が設置されているのを発見した。

「おそらくここに車のキーが揃っているはずだ。」

当たり前だが箱も施錠されていたので、ダイヤル式の鍵を銃で撃ち壊した。

「ああ!まさか、破壊するなんて!」

「軍人さんはこういう状況だと何でも許可されているのですね。」

2人は声のする方へサッと銃を構えながらカウンターを遮蔽物して相手を確認する。

「奥に隠れていたのか?」

「ここの店員ですね?悪い事をしているのは重々承知しています。」

「はい、ここの店長をしています。サイレンが鳴りましたので奥の金庫に避難していました。」

「ここからシェルターは少し遠いので、状況がよく分からないのに外へ出るのは危険と考え中にいました。」

「そろそろ良いかもしれないと思っていたら大きな音が鳴りましたので、危ないと思いつつも確認しに来たらこの状況です。」

奥から出てきた2人は男性と女性で、動きやすさを重視したオフィスカジュアルな衣装をしていた。男性の手には構えてはいないが護身用の銃を持っていた。

ガンマ1と2は相手が明らかに民間人だと分かると、銃をしまって対面で話す体制になった。

「お二人だけですか?」

「いえ、金庫にはまだ二人います。工場の方にも頑丈なコンテナがありますので、そこに約十名ほど避難しています。」

「そうですか。大丈夫とは言い切れないが、今のところ外は安全です。」

「でも、しばらく持ちこたえられるのなら、中にいる方が良いですね。」

「そうですか、もう少し頑張ってみます。」

「幸い、非常電源もよく働いていますので、なんとかなりそうです。」

「助ける事を優先出来ず申し訳ないが、頑丈そうな車を1台貸してもらえないだろうか。」

「ここの安全を確保するためにも必要な事なんです。どうかご協力頂でないでしょうか。」

「…いつ襲われるか分からない状況ですからなるべく早く助けて頂きたい。ですので、こちらから好きな車を持っていってください。」

店長は箱の中から数台分の運転キーを取り出して、カウンターに並べた。

「ご理解頂き感謝します、出来るだけ早く助けれるように頑張ります。」

「Jeepがあるな、こちらをお借りする。」

運転キーに付いてある車名を一瞥したガンマ1は「Jeep」と記載されたキーを手に取った。

「あくまでもお貸しするのですから、レンタル費用は請求しますね。」

「基地宛に請求していただけましたら対処します。」

「相場の倍額を請求しても何も問題ないから、好きな金額を書いて送ってくれ。」

「ハハ、そんな事しませんよ。私達が安全に生活出来るように頑張ってくれているのですから。」

「日々感謝していますので、どうかご無事で。」

女性は横にある冷蔵庫からミネラルウォーターとチョコ菓子を二人に手渡した。

「ありがとうございます、大変助かります。」

「早く普通の生活に戻れるように頑張ります!」

「こちらは私達の連絡先です。もし戻ってこられたらご連絡ください。」

店長の男性は名刺をガンマ1に手渡した。

「承知した。皆様も自分の身を最優先で持ちこたえてください。」

二人はJeepが駐車してある展示場へと出て行った。


「この車だな。」

「このJeepでも、攻撃をもらってしまうと一撃でしょうね。」

二人は普段の生活で運転している乗用車より大きいJeep車の状態を確認して、それぞれの席に乗り込んだ。

「今どき珍しいマニュアルですよ。」

運転席に座ったガンマ2が席の調整をしながら話す。

「山で運転するのにはマニュアルが良いだろう。俺だってキャンプに行く時はマニュアル車を使うぞ。運転は大丈夫か?」

「問題ありませんよ。いつも運転しているのだってマニュアルじゃないですか。」

いつも運転している車というのは部隊で使用している装甲車の事である。

「さあ、話しているうちに発進させてくれよ。」

「了解、ちゃんと掴まっていてくださいね!」

ガンマ2は少々荒っぽい運転でJeepを発進させる。一気に加速して、すぐに大きな道路へと出た。

「エリア25までは東側ルートで問題ないですか?」

「そうだな、その方が比較的安全だと思う。」

「了解しました、少し道は狭くなりそうですが、安全ルートで行きましょう。」

「早くあの人達を助けられると良いな…む?あれは、まさか!」

「え?まじかよ!」

ガンマ2はハンドルを一気に右に切って飛来物を回避する。

飛来物はそのまま真っ直ぐ飛んでいき、ビルに衝突して爆発が発生した。

Jeepも建物に衝突してしまい、フロント部分が大破して、運転出来る状態ではなくなってしまった。

「クソったれ!相手は敵なのか!?」

「無差別攻撃ですし、絶対そうでしょう!」

幸いドアは開けられる状況だったので、二人はすぐに車から脱出して建物の影に隠れて様子を窺った。

すぐさま次のミサイルが飛んできて、Jeepは木っ端微塵に破壊された。

「狙い撃ちしてきた!間一髪だった。」

「相手が見えました!黒の六式型です!」

「クソっ、テロリストか!」

現れた機体は3体で、それぞれがミサイルランチャーやロケットランチャーを構えていた。

黒の六式型というのは大戦時によく使用されていたBDの通称になっている。

相手は頭部を動かして周囲の状況を確認すると、周りの建物を破壊し始めた。

「俺達が隠れている場所が分かってないみたいだな!」

「そうは言っても、私達がやられるのは時間の問題ですよ!」

大きな音が鳴り響く中、建物の中で走って逃げる二人。

しかし、ついに六式の一体がガンマ1達の隠れている建物に武器を向けた。

「もう駄目です!」

「走り続けろ!ここでやられるなんて御免だ!」

テロリストが発砲しようとした瞬間、別の所からミサイルが飛来して、テロリストの機体を破壊した。

爆発による粉塵が一気に建物に入ってきて、咳き込んでしまう二人。

「ゴホッ、ゴホッ。一体何が起こったのですか?」

「知らんが、少なくとも助けが来たんだろう。」

「そういう事です!ガンマ1、聞こえますか?」

ガンマ2が持っていた通信器がオートで受信したのですぐに応答した。

「こちらガンマ2です!二人は建物内にいます!」

「了解、位置を拾いましたのですぐに行きます!」

「了解、でもすぐに行くって…?」

ガンマ2がそう言い放ったすぐ後に、目の前の壁が左右に崩れ落ち、黒く大きなBDが現れた。

「これは、アジュールDか!」

「本当だ!助かった!」

「まだ近くに2体います!すぐに乗ってください!」

ADの運転席が開きロープが出てきた。で二人はそれにサッと掴まってADに乗り込んだ。

ADは設計段階で3人乗りになっており、ガンマ1と2はそれぞれ空いている席に座った。

「ベータ3がアジュールDを操作しているなんてな。」

「不慣れな運転で遅くなりました。でもお二人が無事で良かったです。」

「あまりサポートは出来なさそうですが、反撃に転じましょう!」

二人が乗り込んだすぐに建物から出たADのモニターには、テロリスト達の機体が表示された。

仲間の一体が一撃で倒された事で相手は少し距離を空けていた。

「私よりガンマ1の方が手慣れているはずですので、メインをそちら渡しますね。」

ベータ3は軽快な操作で操縦の優先状況を交換した。

「了解した、では参るぞ!」

ADは重厚な音を出しながらテロリスト達へと向かって行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ