テストがやって来た5
「眩しい……」
カーテンの隙間から抜けて日射しが目元にあたり、思わず目が覚めて頭に浮かんだ言葉を呟く。
最近はぐっすりと快眠である。前までなら、いつ自分が自分で無くなるかと思ってあまり寝つきが悪く余裕もなかったが……。
少し眠気が残っているも。ベットから上半身を起こし、体を伸ばすように腕を上げ広げるように力をいれる。それに思わず欠伸が出てしまう。
数秒と眠気が消えてきた。ふと時計に目を向けると長針が朝の七時を指していた。
いつも通りの時刻に、習慣として身に付けている。入学したての時は結構、ギリギリまで長時間寝ていたが、このぐらいに起きて顔を洗ってから授業の予習復習や本を読むことが習慣になった。
今日は、皆と遊びの約束をしているから、早めに支度をすることにした。
始めに、顔を洗いに立ち上がって洗面台に。
顔を洗うと完全に眠気など消えている。
次に服を選ぶ。そのため、クロゼットを開けて、自分が家から持ってきたもの、新しく買ったもとバラバラに仕舞っており、これはタンスと一緒ので、引き出しを引いて今日のテーマを元に考えてみる。
こういう純粋に服を見て、どいう服を着ようと考えることが出来ることにどこか幸せを感じつつ、テーマに沿って選んでいく。
何度か服を着て変えてとしてイメージにあった服を選んだ。
テーマとしては、花である。といっても大層なものではない、私的に花のイメージを考えて、濃いめの緑のロングスカートにトップスは薄い黄色の半袖。その上に羽織る上着は白の通気性通いのである。最後に花のピンを付けて終わり。
今日だけのコーデあるだろう。思い出を花を大地から切り離し生け花とするように、今日を楽しもう。そう深く誓う。その後は軽く化粧と少々の準備をして、本を読むことにする。
そんな風に時間を潰していると、もうすぐ九時をなるかという時刻であった。それに、私は少し寝すぎなのではと部屋の相方であるベットに目を向ける。
そこには気持ち良さそうに寝ているシロミヤさんがいる。約束の時間的には余裕は十分にあるも、このままの勢いで寝られると、その余裕もなくなりそうなので起こす。
読んでいた本を机に置いて、椅子から立ち上がりシロミヤさんに近づき声を掛けながら、肩を揺らす。
「シロミヤさん、起きて」
私の声が聞こえたのか、「ふぁい?」と言葉ままならぬ声を出し、瞼を開いて此方を寝ぼけた眼差しで見つめている。
まだ寝ぼけているようで、何だか分かっていない様子であるが、徐々に意識が覚醒していったのか、挨拶をしてくる。
「ファアーァー…………おはよう……カザクラさん……」
「おはよう。シロミヤさん……まだ、寝ぼけているようだし、顔で
も洗って来たら、そらから朝食を食べましょう」
目覚めた彼女にそういつつ、自分は先まで座っていた椅子に座りシロミヤさんが準備出来るまで本を読むことにした。
あれから役数時間が経っていた。朝食を食べ、準備をして、時間があったから話をしながら本を読んでいた。ただついつい話しすぎたようで、約束の時間まで針は刻一刻と近づいたことに気づかなかった。
そのために、少し慌ただしくなったが、遅れることはなかった。
私が付くとそこには、ヒマワリくんに謝っているハルキくんとそれを暖かな目で見守る二人の男であった。それを不思議に思いつつ、見守っているナガクラくんに話を聞いてみるも。
「どうしたのあの二人?」
それに対して、
「ああ、親睦を深めてるだよ」
と答えになっていない回答が返ってきたので、訳が分からないけど。必死に謝っているハルキくんに対して、本当に怒っているような印象をヒマワリくんからは感じないため、別にいいかと思う。
そんな二人をほっとくように、だが止めさせるようにナガクラくんは私達に声を掛ける。
「それじゃ、行こうか」
そんな感じで、町へと向かう。その道中で、今日の大体の予定を聞きつつ、行きたい場所の意見をいう。
さあ、数少ない日を楽しむために、町の門を潜るために歩く。
雑貨屋に寄ったのは、失くなりつつある必需品を買うため。買うといってもそんなに買うわけでもない、学業で使うやつだけである。そのために、インクと白紙を手に取る。
他の皆はと思い、四方を見回すが、ハルキ君が他の品々を見ている。他の皆はいつの間にか居なくなっていたようで、一人になったようだ。
先に私が手に取ったモノを会計を済ませよう。その途中で商品を見ながら、ついでに他の皆を探そう。
あまり中をじっくりと見たことはないから、こんなに商品があることに驚く。
小物から大きな物。文房具から衣服。食器から非常食。品からそこ素材までと幅広く数多く。ただやはり、専門的な物は少ないのは仕方ないだろう。そんな風に見回りながら、結局、途中で誰も会わず会計を軽く済ませる。
店員はいつものお姉さん、気だるい感じが全面的に出ていて、客の前でもそれが変わることはない。でも、嘗めてはいけない。この雑貨屋の敷地だけをいうならば、ちょっとやそっとの大商業では敵わないほどで、そしてこの数多くの品々を仕入れることが可能な顔を持っている。それに、この町だけはないのだ、店舗は。
調べることもなく、独り歩きを始めたその名は誰もが知っている。だってシルクロード国から、公爵のなんやかんやとの話。
まあ、そんなことは置いといて、皆を探すかと思い。歩き出す。
良く分からない、民族文化的な何かが置いてあるコーナーに入る。
そこには、派手な衣装からホント昔の衣服まであり、祭り事で使うような仮面や道具まで置いてある。そんな何処の層に向けた供給なの。と思ってしまうが、意外とあるのかと見ていると肩を叩かれた。
手で左肩をトントンとされて、反射的に振り替えると。
「うん?」
私の知っている皆ではなく。
友達でもない。
それこそ、知っている人ではない顔があった。
ギラリと血の瞳が此方を睨むように見つめ、黒く茶色い肌に閉じられた口から、草食動物の喉元を容易に噛み千切るという牙が隠れることを知らず。顔の周りを黒みが掛かった茶色毛が揺らいでいる。
「……」
迫力は大人でも顔をスレスレにあれば驚いてしまうのは仕方ないだろう。この仮面のクオリティは凄い。
ただ、私はあまりこういうの怖いと思わないけど、少し思考が停止してしまいはする。
すると仮面を取って、ニシシと笑みをして反応を楽しむかのような顔を見せ。
「どう、驚いた?」
「少しだけ?」
素直にそういうと、それでも嬉しいのか笑顔を浮かべた。そんな可愛いく微笑まし姿。
ふと何かを思い出したように、話し出す。
「そうだ。皆、買ったから行こうって」
それに従い、皆がいる場所に向かう。
そこは、何時しかの時の場所、まだこんな素直になれなかった時。
ナガクラくんが人形を手に持っていた。それはあの時も見ていた人形である妙な一品である。
「買うの?」
「うん、何か欲しいなと思ったからね」
そんな曖昧な言い方をして、買った。
それから、次の場所に向かう途中で色々と聞いてしまった。
そんなかんなで、色んな服屋を連れ回して、少し疲れたような顔をしていたのは少し申し訳なさがある。
その後のお昼のサンドウィッチが美味しかった。本屋では本を適当に買った。それからは色々と有りながらも、夕方近く寮に戻る。その後のテストお疲れ様会をハルキくんの野菜鍋と食堂のご飯を取ってきて、食べる。
少し、しんみりとした雰囲気にしてしまったけど、その後はその空気を忘れて楽しく、テストお疲れ様会を閉じた。
ああ、楽しかった。
本当に楽しい一日だった。
また、遊びたいな。
皆と一緒に学校の話やご飯の話をしたり、服を見る私達を遠巻きで見る男子を引っ張って服を見たり選んだり、お腹が空いたら美味しいご飯を食べたりもして、可笑しいことがあったら笑い合って、楽しく笑って、夜食を食べて、また明日といって、別れて、寝る。そんな繰り返し、平凡なそんな一日が今ここにあるのに、なんでだろう、なんで手放さないといけないのだろう。
そんなことが今まで感じたことがないほどに、楽しく幸せの気持ちにさせるのに。
でも仕方ない、これは甘い夢を切り裂き、私が決めたこと。私が覚悟だから。
絶対に最後の最後まで後悔なんて、しない。
私はこの全てを全力で楽しむ。
私の終わりは短い花の如く、それが綺麗であればあるほど短い何故なら摘んでしまうから、私は綺麗に鮮やかにパッとしたように摘まれるまで輝いて見せよう。
決意など疾うに決まっているのだから……。
そっと目を瞑った。
ギリギリセーフ……。
今週の金曜日に更新いたします。




