大事な繋がり2
目が覚めると一度見たことある天井が目の前にあった。だが記憶がぼんやりとして鮮明には思い出せない。
確か、なんと倒したけど結局死にかけてフルカザキ先生に助けて貰ったのかな? そこら辺は聞けば分かるが何て言うかすっごく血や怪我をしていた気がするが、そんな形跡はないし体調も悪くない、怪我が治っていて痛みもない?
体の痛みが驚く程になく、逆に絶好調で元気一杯である。
保健室にある一つのベッドから降りて全身を軽くストレッチしてみたが結構感覚が鈍っていることが分かる。
白いカーテンに太陽の光が射して自分の影がゆらりゆらりとしていている。
ヒラリヒラリと風に揺れている。そのカーテンをめくり出て、前みたいに寝ていそうな先生が居ないか見る。
勿論、前のように机で突っ伏し、腕を枕替わりにすぅすぅと寝息を立てて、気持ち良さそうに寝ている先生がいた。
三つ編みで結ばれた黒髪に猫の模様が描かれた白衣? を着た少女先生に肩を揺すって起こすが結果は駄目だった。
昨日と同じ様に「ごはんですよ?」と言ってみるとパッて顔を上げて「唐揚げ!」と叫び起きた。何故唐揚げなのかと思いながら、今日は魚の気分。
ふざけて起こしたら、先生は少しプッーと頬を膨らせている、可愛と見えるが魔力の放出がガチ怒りだったので素直に謝る。
そんなことがありながらも、話を聞くこと数分。
「――で君はフルカザキ先生に此処に運ばれた……これで良い?」
「はい、ありがとうございます。それで、何処に行けば良いか分かりますか。授業の用意とかして無いですけど」
先生は少し悩んだ様子を見せながら机の上に置いてある時計に視線を向けて、まあ良いかと表情する。
机の引き出しに何十枚も入っている紙の中から一枚を取って、ペンを取ってその紙に書いている。チラッと見えたら、空欄の所を次々と書き埋めて行き所々は書いていないがものの一分で終わった。そしてその紙を此方に渡されると同時に話し出した。
「これ持って職員室に行って、その後は多分居ると思うフルカザキ先生を呼んでその紙を渡す。わかった?」
はい、と答えると既に先生は寝る姿勢に入っていたことに苦笑いを浮かべながら、言う。
「少し寒いから、寝るならお腹を壊さないように毛布を掛けて寝てくださいね」
帰ろうとする時に此方を見ずに手を此方に軽く振っていたので何となく振りして保健室を後にする。
それから数分で自分は迷子になっていた。
保健室を出て職員室に向かう為に廊下を歩き、窓から射す陽射しは暖かく当たるように歩き、ガラス越しから見える風景を見つつぼんやりとしていたらいつの間にか此処で迷子になっていた。
どういうことか校内案内板を見て歩いても同じところをぐるぐると回って居るようで結局、戻って来てしまう。なんか頭がおかしくなりそう。
校内案内にある校舎の地図を完璧に覚えてから、太陽の位置や風景、自分の方向感覚、廊下の形を見て、頭の中で地図を作る。
それでゆっくりと丁寧に頭の中で描いていたら、案の定、全く形が違う。て言うか階そのものが違う気がする。……あれバカじゃね自分?
よくよく校舎の地図を見たら、自分がいる上の階だった。それに気づくと、顔を急に熱くなってその場で周りを見て人が居ないことを確認すると保健室の扉からひょこと顔だけ出して此方を見ている先生がいた。
何をしているのと言った感じの表情をしている先生と目と目が会う。
「ああ」と何かに気づきたのか、出していた顔を引っ込ませて扉をカタッと鳴らして閉めた。
思いっきり見られた。
いや、待て全てを見ていたとはかぎらないから、このまま職員室に行くんだ。そうすれば自己完結できる。他の先生が見てなければの話しだが。
深呼吸をして落ち着け、恥ずかしがる必要はない。迷子になりやすいのは生まれつきだ。
何せ、あまりにも小さい頃から迷子になるから、何かの呪いかまたは何か取り憑かれたと勘違いしたお父さんとお母さんは知り合いの修道服を着た祓魔師に頼んで祓ってもらったりした。
全く関係がなくて退魔師も「おかしい、おかしい、確かに呪いの怨念などの念や悪霊に魔物の魔力を一切感じないがおかしい、だって何であんなに簡単な道を間違える? こういうのと全く関係なかったらただのバカではないと説明がつかない」それに知り合いや攻略者達は笑いながらも頭を悩ませたが結局は別に実害が無いから良いかとなった。
流石に簡単な道で間違えるようなことは無くなっている。だから、迷子は仕方ない始めてだから、そうだから今回も職員室に行くのは始めてである。
数分とそこでやっぱり、保健室の先生に弁解をするかで悩んでいると扉が開く音が聞こえた。聞こえた方を見ると保健室の先生で、此方を呼ぶように手をクィクィとする。それに何だろうと思いながらも向かう。
先生の元に着くと先生に両手で手を握られて、保健室に引っ張られ、机の上にある皿を持ってくる。それに本当に何だと思い口を開く前に先生が言う。
「これ食べて」
そうして差し出されたモノは菓子のようで、多彩な色合をしたマカロンである。ただ甘い匂いはあんましないが、一つを取って食べる。
なかなか、甘い。と思っていたら体が徐々にポカポカとして燃えるように熱くなる。
体内が火の塊になったように熱いが皮膚が氷で冷やされたように冷たく。冷やしたいのに寒くて出来ないが内側からの熱さに苦しむ。
ああ、これは風邪で高熱を出した時に何時もなる現象だ。そう思うと耳がキィィィンと金属の板を先が尖った物で引っ掻いたような音も聞こえる。
それは徐々に有るゆる音がそれ一色になって、見える風景が単純化していき、目の前にいるはずの先生がぼやけていく。
先生が何故か慌てた様子で、心配を表した顔が此方を見ているのだろうが段々と暗く黒くなっていく。
何だと思うがそれ以上を考える時間はなく、身体に次々と異変が現れる。
腹の胃が熱く熱を生み、痛いモノがドクドクと膨れ上がって、食道を上がっていく。それは喉まで達し、口から出そうになる物を我慢するが突如と膝から崩れ落ちて何とか地面に手を付くが、抑えていたモノは床に向かって吐き出す。
それが通る所は数十本の針でブスブスと刺された見たいに痛い。本当に針ではないかと思えるほど。止めることは出来ず中のモノが出た。
重い重い瞼を何とか、開いて見ると。
赤黒い液体を床き撒き散らし、その液体は広がり床を染めていく。それは止まることなく広がり続けるのは今も血反吐を吐いているから。
「ゲボォッ! …………はぁー、オッオェ! ンゥッ! ゲホォッ!!」
何度も咳き込んで、呼吸すらまともに出来なく視覚と聴覚がまったく機能しなくなった時。
体は更に炎に焼かれるように燃え上がり、同じ様に表皮は氷の大陸を裸でいるように凍えて自分を抱き締める。それは先の何倍もとなった為にそれをなす力が失われていき、動かなくなる。
あやふや思考が脳に走る。
騙された? なんで。何か間違えたか。なにを――
ああ、死期が近いと察する。このまま死にゆくのだと。
嗚呼、最後に会いたい。妹に。でもこんな姿では会えないな。といっても何も見えないのだが。
人生以外と呆気なく終わる。このまま痛みに堪えながら死ぬならばいっそ自殺して――
暗闇の中にいた自分は、誰かに暖められるように冷たい肌が熱を感じる。
それは春の太陽のようで、人の慈愛が込められたみたいな暖かみでもある。
抱え込むような姿勢の上から包む暖かさに、先までの考えはすっぱりと消えていた。
何も見えない、何も聞こえない自分、思考もままならないのにその思考すら何も無くそうと微睡み中に落とされていく。
落とされる中、この暖かさを思い出す。
この暖かみは……あの時……の……『炎』………………なら…………あのひとが?…………………………。
思考ままならぬ睡魔の境地に落ちた者は長い眠りに意識を落とした。
――目覚めの時…………
熱い炎に最初の眠りから起こされた。
――私は、目覚める……………
眠る前の明るく色鮮やかで暖かな場所だった。でも前みたいに酷く荒れている。
――私の役目は……………
自分が生まれて六年で二回目の役目を果たす。一度目も酷かったが今回もそれなりである。ただこの炎は大いなる火から生み落ちたモノで永遠を司りながらも変化を司る。そしてその二つの力が合わさったことで得た不老不死。火の化身とも謳われる魔法生物の一部である。
――主たるこの者を生かす為に、私の炎が焼き尽くす…………
こうして世界に新たな『炎』が生まれた。
炎の衣を纏い、瞳は烈々とした赤に黄金の光に当てられて輝く。美しく熱を生み出して傷を焼き癒す。
それが親たる魔法生物から受け継ぐ力の一端。
――必ず癒します。だから主よ生きてください。それが『私』の望みであり、生まれた理由です…………
酷く荒れていたこの場所は元の彩りに陽気な暖かさを戻していく。
目が覚めると一度見たことある天井が目の前にあった。何故か既視感が半端ないのはどいうことなのか。
回りを見ると言うより人肌を感じたと掛け布団が膨れているのでめくって見れば、保健室の先生がスンスンと寝ていた。
余計に困惑してしまう、何故一緒に寝ている。一切そんな記憶はないのだが。そこから色々と思い出そうと遡るが今一思い出せないような。だから最終的には――
よし、一旦寝るか。
思考を放棄することにした。
一緒に寝ていることに関しては分からないが、自分が寝ていることに関して憶えている。あれをそうそう忘れることはない。
腹の中を数十針の束が内で炸裂したように全体的に胃袋が傷つき、破れたかのように液体で満ち満ちて重たい赤は吐き出した。
それが余計に食道を傷つけられて、痛みが広がり意識は朦朧としてきて、五感の二つは使えなくなる。
体内は物凄く熱いし、皮膚は極寒で凍えそうになるし。本当に頭が可笑しくなりそうで、考えもネガティブになっていく。それで、騙されたとか思ったけど、する理由がない。
あの痛みは、下手すれば自殺していただろう。
だが冷えきった体をなんとも言い難い安心させる暖かさで眠りについてしまった。
先生に毒を盛られたとも思ったが、こうして寝ているということは違うのだろう。でも毒を食らった覚えはないし、どいうことなのだろうか。
それに不思議に思いながらも起き上がり、一緒のベッドで寝ている先生の額に、右手の中指を曲げて爪先を親指で抑える。要するにデコピンである。力を溜めて先生の額に放つ。
パチンッと軽く鳴る。
ベッドから飛び起きて「痛い」と額を手で押さえて周りをやった奴を探すように首を動かして視線が合う。それにもう一度、デコンピの形を作って言う。
「深い眠りから起きましたか、先生」
笑みを作りながら言った時、風邪を切るような音が微かに聞こえた。
瞬間に額に痛みが突き抜けて脳を震わせた。それに心の底から出た言葉を吐く。
「イッタァァァア!!!」
腹の底から頭まで震わせるような大声をだし、学校を響かせた。
それを聞いた先生は嘲笑うように笑みを作り、言う。
「愚か、気持ちよく寝ている私を起こした罪は大き、償うべし。だからあと十回くらうべし」
右手でデコピンの形を作り、笑顔で言った。無慈悲にも逃げる間なく十回喰らわされた。
額を押さえながら痛みに耐える。恨むような視線を向けるも、勝ち誇った顔をして興味なしとベッドから降りていった。
痛い。見えない速度で放たれるから避けれないし、唐突に睡魔に襲われて動けなくなる。それで強制的に喰らわされて痛みで起きるが、また睡魔に襲われて痛みが熱い鉄板に垂らした水滴のように消えて、それを十回終わるまで続けられる。
まあ、直ぐに痛みは退いたけど、睡魔のせいか眠い。なんなんだろうかな。
ぼんやりとなり始めた時に、扉が開く音が聞こえてカーテンを隔てた外から話声が聞こえる。眠いともう一度、布団に潜りたいが寝るわけにはいかないために頬をパンッと叩き鳴らして睡魔を飛ばす。
その音で話が途切れたようで此方に向かって歩く足音が近づきカーテンを開かれた。そこには私服のフルカザキ先生が居た。
先生は何処か安心した顔して優しい笑みを浮かべて言う。
「体調はどう。悪いところは無いかしら、あったら直ぐに言ってね。ミンナが何とかしてくれるから……ねぇ、ミンナ」
何か怖い顔して保健室の先生ことミンナに向かって言った。それで先生はウンウンと凄い勢い振り、取れるじゃないかなと思ってしまうほど。何か怖い体験でもしたのだろうか。
それは置いといて、体の調子はまあまあである。睡魔も飛んだし、特に調子が良いわけでもないし悪いわけでもない。なので異常無しと答える。
「特に問題は無いですかね。特段変わった訳でも無いですし、逆に体調はバッチリです」
それを聞いたフルカザキ先生は少し考えるような仕草を見せる。それは数十秒と見せることなく、訊いてくる。
「体調が良いのなら、お話をしましょうか。事件のことに関してね…………後、ナガクラくんの話しもね」
最後は声が小さくなって聞こえなかったが、事件のことだろうし快く「はい」と返事をするが、グゥゥウッとお腹から鳴る。
それを聞いたフルカザキ先生は笑いながら言う。
「お腹すいたか、食べれるもの盛ってくるからちょっと待ってね」
そう言うと先生はカーテンを閉めて、後ろにいただろうミンナ先生に話をした。
『行くよ、ミンナ。貴方も昼は食べて無いでしょ』
『えぇ……次いでに持って来てくれると嬉しい』
その声と共に「いたい」と小さく聞こえてからミンナ先生の声は聞こえず、歩く音がし始めて扉が開く音がするとフルカザキ先生は。
「それじゃ。少し、安静に待っていてね」
と言って保健室を後にしていた。それに苦笑いを浮かべるながら、持つことに。
一応、安静にとのことなので、ベッドの上から降りずにのんびりとする。
「何か、この三日でとても疲れたなぁ、何て言うか色々とあった。少しは落ち着いた生活が出来ると思っていたけど。都会は都会で色々とあるか」
独り言の言葉は誰も居ない部屋に響く。その望みを抱いて、学校に来たが目的としてはそれだった、友達も出来たし悪いことばかりでもない。
「でもあんな忙しい時間はもう来ないで欲しいね。心臓に悪いし、無事に終わった後は疲れがどっと出る。失敗に終わった時は絶望でしかない、本当にヤバかったし。ちゃんとした武器を実家から送ってくれるように手紙を書いとこ。まだ町にきて四日、学校も始まったばかり、楽しみだな」
笑いながら、今後の予定をどうするかなと考えながら先生たちを待つ。
それから数分と経つ頃に先生達が帰ってきた。 ご飯はトレーに上に置いてあり、とても美味しそうな匂いが漂い、それを片手で持ってカーテンを開く。その後ろにはミンナ先生がちょこんとトレーを持って立っている。
「お待たせ、ご飯だよ。時間もないし、食べながら話しをしましょうか」
「分かりました」
少し、いや、物凄くお腹が空いている。トレーばっかに目が行く。その待ちきれない自分を見かねてフルカザキ先生はトレーを受け渡して貰え、ベッドに座った姿勢で太股にトレーを置き料理に目が行くも先生の話を聞く。
「少し待ってね」と言ってフルカザキ先生は保健室の何処かにあった椅子を持ってきて、ベッドの右横に置いて座る。
するとミンナ先生は机の所にある椅子を持ってきて左側に置いてトレーをベッドに置いた。ベッドは机代わりか。それにフルカザキ先生は呆れながらも無視して言う。
「もう食べても良いわよ」
いや、ご飯は美味しいね。スープとか、パンとか、お肉に野菜、味も食感も最高。それはフルカザキ先生が話し出すまで、夢中で食べていた。慌てて食べていた訳でもないけど、味わって食っても直ぐ消える。よく考えれば昨日の夜は激しく戦っていて、その後は寝てて食べて居ないから。
それで先生の話しは自分の昨日の事を訊かれたり、自分が気絶した後の話しなど。
一応、操られていた男の人に憑いていた者の魂は祓い、後は無罪ではあるが色々と町の雑用を科せられるらしい。それにまあ、良かったなと思いスープを啜る。
それからヒマワリくんやハルキくんは無事であり、あの現場にいた女性も肉体的傷はなく、精神的に怯えや傷が出来たそうだ。
まあ仕方ないだろう。あれだけ魔力と殺意に満ちた場所で、戦いとは無縁な一般人にはなかなか厳しいところがある。
こればかりはただ他人ではどうしようもない、周りの友人や家族に頑張ってもろわないと。でも謝りに行ったほうが良いのかも知れない。いくらカザクラさんのことがあっても敵に突っ込み過ぎたし、早々に逃がした方が良かったかもな。もし、機会があったら謝ろう。
それで、家族や友人は勿論大丈夫らしいが、ヒマワリくんにも落ち着きを持つらしい、知らない男性には駄目らしく。そのような状態だと、自分も無理だろうな、ヒマワリくんに頼もうと。
次は生徒会長のお陰で助かったらしく。それまた、お礼をちゃんとしに行かなくてはいけない。 時間がちゃんと出来た日に行こうかな。
それで次はカザクラさんは傷も治って今日授業に出席したらしい。まあ、怪我事態は治っているから精神的だがそれも大丈夫らしいなかなかタフだね。普通なら心を閉ざしても良いぐらいのことだが……
それは置いといて、無事ならば自分も頑張った意味があったね。
それはそれとフルカザキ先生に怒られたけどね。その時、ミンナ先生はスープを啜っていた。
それから、色々と規則を破っているから反省文や掃除等々をやってもらうところだが、自分がやったことは学校の規則を破ったとしても、その行動は認められるべきものだから、色々と免除されて反省文五枚と教室掃除だけで許されるそうだ。
何を破ったかは二つで、町の中での魔法の使用と町の関所以外からの出入りの罪が免除されたらし、二つ目のは普通に多額の罰金か捕まり牢屋行きかであるらしい。それはケチなどつけれないことだな。つけようとは思っていないけど。
後は何故、二回目の起床なのか。
それは自分が受けた針に超遅効性の毒で、自分が目覚めた時から徐々に毒が回ったそうだ。
あの時、自分の様子を見たミンナ先生が変だと気づいて、体の中を調べる為にマカロンを食べさせたようで、それは微量な魔力で効果を発揮するために毒と反応して急激に体に毒が回ったそうだ。
そらからミンナ先生の魔法のより睡魔に落とされて睡眠の超回復とミンナ先生が直ぐ様に解毒薬を作ってくれて治ったらしい。ただ妙に薬の効き目が早かったらしい。
それで血反吐を吐いたわけか、まあ、そう言うことなら別にいいか。ミンナ先生はフルカザキ先生にしこたま怒られたようだし良いや。それだけらしい。
話しは終わりかなと思ったが先生はここからが本題と話を切り出した。
「それでね。ナガクラくん。先生はね。何故、エニシングセルが壊滅したことを知っているか気になるなぁ」
「……」
沈黙、黙るしか出来ない。それにフルカザキ先生は探るような視線を向け、空気感がプレッシャーとなってのし掛かり、言う。
「元奴隷や商品として売られそうになった子達は本部壊滅共に解放されて各々の出身に帰ったそうよ。その帰った者達の村の一つなら、分かるかも知れないけど。違うわよね? そうであったとしても裏幹部のことを知っているとは、全く思えないと。それで何を知っているのか、全部話してね」
それに少し考える。あの人のことを知っているか、それは大事なことだ。あの人は結構な立場らしく、黙っていてほしいと仕方ない時は言ってもかなわないが出来るだけ黙ってほしい。
ああ、でも確か。自分を知っているものに対しては話して良いと確かめ方は確か、あれを言うだけ。
自分は少し思考を巡らせて、口を開く。知っているから聞くために。
「フルカザキ先生は暗闇に見つめる梟はご存知ですか?」
「何言って……ちょっと待って…………!」
最初は何言ってるか分からないと様子だったが、思い出したの驚きの顔をして此方を見る。
それにミンナ先生も此方を見つめていた。その顔は何故と言ったもの。
二人とも知ってるぽいから話してもいいかな。
自分は未だ、どういう繋がりかを考えている二人に向けて、自分の迷子のお話しをするために落ち着かせる。
「まあ、自分は梟の人を知っていますし、聞いて話せるなら聞くと良いですよ。
その人やエニシングセルの話を含めて自分の過去を話します。フルカザキ先生はそれ含めた話が聞きたいですよね。よく聞いてください。これは約六年前程からなりますかね。出来るだけ簡潔に話しはしますが少しばかりお時間をください。
それでは約六年前からーー」
長くも短い子供にしては密度の濃い話。
それで一つの物語が出来てしまいそう。自分で言うにはあれだけど。
全てを話すわけでもない、話せないところは話さず飛ばし。飛ばしたとバレないように上手く繋げていく。あの開拓者達のことは嘘なく話したけどね。
始まりから今の状況までの事を話す。流石に箇条書き的に話したので深くまでは突っ込まれることはなかったからよかった。
それに先生達の顔が表情豊かに変わるから話していて楽しいものだ。
最初の時の話しなんてびっくり仰天といったかんじだが、ある種の人間をやめた人を見る目で見てきたことに不思議を隠せないが今は良いだろう。
「と言うわけで話しは終わりました。これが自分の全てですよ。流石に全部ではないですけど聞きたいことは言ったと思いますよ。どうでしたか」
その言葉に先生達は顔を付け合わせて何とも言えない感じである。流石にそうかなと思い、ご飯を食べていると。ようやくフルカザキ先生は話し出す。
「まあ、色々と濃厚な話をありがと。何て言うか健全ではないし、複雑怪奇で頭が追い付かない。ナガクラくんは今カザクラさんが教室を掃除していると思うので、一緒に掃除をして来てください。体の調子も大丈夫のようなら」
体はなんと言う少しだけ怠さがあるも、問題なく従い、トレーは先生に渡して、服は制服のままである為に何か可笑しいなと思うがベッドから降りて本日二回目の体の調子を丁寧に確認する。
怠さはあるけど、特に問題ないし。
さて、先生達に面と向かって礼を言う。
「色々とありがとうございました」
そう言って、保健室を後にした。




