02/21. 少し長かった一日の終わり
カデフさんの魔法と、シロオドニオバナの効力で、何事もなくナコタ村まで戻ってきた俺たち。
太陽は、ずいぶんと低くなっている。
いつもより、帰ってくるのが遅くなっちゃったな。
村に入ると、不思議な風の中を漂っていた数枚の葉が、ふわりと地面に落ちた。
役目を終えた、そういうことだろう。
かすかな疲労感を覚えつつ、三人で我が家へ向かうと、
「あっ、マルセラさん、牧師さまたちです」
「あら本当、よかったぁ」
玄関先で、アミカちゃんと姉さんが立っていた。
「ふふっ、お出迎えね。気が利くじゃない」
どう理解したのか、真っ先にフィンネが反応。
偉そうに、二人へ近づいていく。
「もう、何言ってるんですか」
「そうよ、心配してたんだからね」
「……え、そ、そうだったの?」
少し怒っているようなアミカちゃんと姉さんに、フィンネの勢いが急にしぼむ。
「もちろん三人は魔法が得意ですから、危ない目に遭うことも少ないとは思いますけど」
「もしもってことがあるからね。普段より帰りが遅いと、やっぱり不安になっちゃうわ」
どうやら二人には、予想外の心配をかけてしまったらしい。
確かに、俺が逆の立場だったら、同じように思っちゃうよな。
「ご、ごめんごめん……実は、森でいろいろあってさ」
俺も、小走りで二人のもとへ。
リリウも、それに従ってくれた。
「森で、いろいろって――あれ、牧師さま?」
俺を見たアミカちゃんが、不思議そうに言う。
「野草を摘みに行ったはずなのに、どうして手ぶらなんですか?」
「…………あっ!?」
指摘されて気づく。
トスロとの騒ぎで、あの場に、かごごと置き忘れてしまったんだ。
「あ、ああ……そうなっちゃうね、うん」
「そうね。あの時だわ、あの時」
リリウとフィンネも、納得したようにつぶやいていた。
「牧師さま?」
「カッタくん?」
当然、今日の出来事をまったく知らないアミカちゃんと姉さんは、ただただ首を傾げるばかり。
「と、とにかく、家に入ろう。話は、中でゆっくりと」
「「ん?」」
疑問符でいっぱいの二人の背中を押して、少し長かった俺たちの一日は終わった。




