01/13. 健気な彼ら
翌日の朝。
いつものように俺は、リリウたちと森の中。
最初はぶつくさ言っていたフィンネも、
「さぁ、今日もバリバリ働くのよ。じゃないと、私がカッタに怒られるんだからね」
「「「ギィーッ」」」
すっかりマサンを教育し終え、さながら子供を見張る母親のような感じになっていた。
「私は、そこの木陰で休んでいるから――あ、でも、さぼったら承知しないわよ」
「「「ギィーッ」」」
まぁ、自分では働いてないけど……いいとしよう、うん。
「ギッ、ギッ」
「ギィ、ギギィ」
「ギィギッ、ギィギッ」
「……術者が横暴だと、召喚された方は大変だよな」
健気に野草を摘むマサンたちを、ちょっとかわいそうに思っていると、リリウが俺を呼ぶ。
「カッタ、こっちこっち」
「ん、どうした?」
「この先、けっこう野草が多いよ。あたし、知ってるんだ。ちょっと奥にある洞窟、カッタの家に住むまで、あたし寝泊まりしてたから」
「へぇ、そうなんだ」
毎回同じ場所では、採れる野草の種類も限られる。
俺たちは日々、少しずつ森の中を移動していたんだ。
どうやら今日は、以前にリリウが野営していた付近に来ているらしい。
「たまにタキシムが出てくるくらいで、けっこう快適だったんだよね。だからこの森に、キルムーリの集落があるだなんて、まったく想像もしてなかったよ」
「まぁ、彼らの性格的に、女の子一人とはいえ、高い魔力を持つダークエルフに近づくはずがないからな――よし。せっかくだし、行ってみるか、そこ」
ここはフィンネに――いや、素直でまじめなマサンたちに任せておけば問題ない。
俺はリリウの案内で、彼女が身を寄せていたという洞窟まで足を運ぶことにした。




