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ダークエルフの女の子が、聖職者と仲良くしたらダメですか?  作者: 渋谷 恩弥斎
第1章 少年牧師と、ダークエルフの少女
36/114

04/06. 続・わちゃわちゃな教会堂(3)

「……まぁ、私は別に、この村になんて興味ないから、それは安心しなさいよ」


 あえてなのか、緊張感を壊すような声で、フィンネが言う。


「村の人間に危害は加えないって、ここで約束してあげるわ。私がほしいのは、あなたと――えいっ」


 そこでフィンネは、正座をさせられている俺のひざに乗って、首回りに腕を絡めてきた。


「カッタなんだから♪」

「ちょ、ちょっとフィンネ……」

「とりあえず、今日は『ちゅー』くらいから始めてみる? もっとすごいことは、私の仲間になってくれた、その後ってことで――んちゅーぅ♪」


 かわいく口を尖らせながら、目を閉じたフィンネ。


 まぁ、ドキドキしてないって言えば嘘になるけど、さすがに俺も冷静だ。

 取り乱したりはしない。


 だってフィンネが、そういう女の子じゃないってこと、ちゃんとわかったから。


「…………ん、んーんっ」


 キスしろ――と求めているんだろうけど、彼女からは、もう距離を詰めてはこない。

 だから大丈夫。

 それに、したらしたで、大騒ぎされちゃうだろうしな。


「い、いいよ、フィンネ……無理、しなくてもさ」


 リリウの視線が痛いってのはもちろんあるけど、こういうのはやっぱり、本当に好きな相手とするものだと思うから。


 俺としては優しさのつもりだったんだけど、どうやらこの場面においては、少し逆効果だったみたいで、


「む、むむ、無理なんかしてないわよ!? 私とちゅーしたら、あなたなんか、もう私なしじゃ生きていけないくらいになっちゃうしっ!!」

「い、いや、もう俺の前で、そういう強がりは――」

「わ、わかったわ、してやるわよっ。わ、私の初めてのちゅー、今からあなたに捧げてやるわよ!!」


 何だか投げやりな感じで、フィンネがぐぐっと近づいてきた。


「お、落ち着けよ、フィンネ!? まさか本気で――おいおいおい!?」


 ロマンチックな雰囲気はもちろん、エッチな要素すら完全にないけど、彼女の目だけは、とにかく本気だ。


「じ、じっとしてなさいよ。終わるから、すぐに終わるから……ちょ、ちょっと、くちびるをちゅっちゅするだけだから」

「そ、そんな、何かの作業みたいに言われても!?」


 もはや、目的がおかしくなっているフィンネ。

 一方、シチュエーション的にはおいしいはずなのに、なぜかまったくありがたみを感じられていない俺。


 そこに飛び込んでくるのは、


「調子に乗るなぁーっ!!」


 どうも力加減がおかしいリリウだ。


「へぶしっ!?」


 キスを阻止するためなのか、リリウの手が俺に当たって、何だか殴られたみたいに。


 まったく、勘弁してくれ。


 当然のように俺は、またまた床に倒れてしまった。


 するとそこで、扉を開けて入ってきたのはアミカちゃん。


「は、反省しましたか、牧師さま? もし、心に誠実さを取り戻されたのなら、私の作った昼食をいっしょに――んんっ!?」

「あ、アミカちゃん……う、うん、反省したよ。だから、もう許して」


 そうじゃないと、俺はリリウにケガをさせられちゃうっての。


「……は、はは、ハレンチです!! 牧師さまは、ハレンチですっ!!」


 顔を赤くしたアミカちゃんの言葉で、俺は自分の状況を知る。


「んんっ……もう」

「い、痛ったぁーい……」


 リリウを左に、フィンネを右に――俺は二人の女の子をそれぞれ片手で抱きながら、まるでハーレムよろしく横たわっていたんだ。


「ち、違うんだよ、アミカちゃん!? これには、ちゃんと理由が――」


 バタンと閉められた扉が、しばらく開くことはなかった。

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