04/04. 続・わちゃわちゃな教会堂(1)
子供たちが帰って、少し静かになった教会堂。
「反省してください、牧師さまっ」
「……俺、全然悪くないと思うんだけどなぁ」
床に正座させられた俺は、アミカちゃんに叱られながら、情けなく独り言。
ナコタ教会堂の焼失という事態は避けられたけど、やっぱり風当たりは強いらしい。
「まぁ、さっきのは不可抗力だったみたいですけど、それでもハレンチな牧師さまは、今日のお昼抜きです。ここで、しばらく心を清めてください」
「あ、アミカちゃん……私、料理が苦手だから、カッタくんがいないと困っ――」
「安心してください、マルセラさん。私が、ちゃんと用意しますから」
俺のことを心配してくれたらしい姉さんに、アミカちゃんははっきりと答えた。
「そう……なら、仕方ないのかな?」
……いや。
どうやら姉さんが心配していたのは、俺じゃなくて自分のことだったらしい。
「はぁ……」
まぁ、アミカちゃんが怒るのも無理ないか。
理由はどうあれ、教会堂という場所で、しかも子供たちの前で、あんなことになっちゃったんだからさ。
「(ち、小さい胸がお好みなら、私だってごにょごにょ――)」
「何、アミカちゃん?」
「と、とにかく反省です、反省――さぁ、行きますよ、マルセラさん」
姉さんを連れて、アミカちゃんが出ていく。
「リリウさんも、早く来てくださいね」
「……うん」
アミカちゃんに小さくうなずいたリリウは、
「カッタが……す、スケベだから悪いんだよ」
俺のとなりに、ちょこんと腰を下ろしてきた。
ここに残って、俺の相手をしてくれるってことか?
「スケベって……だからあれは、リリウのせいだっての。お前が押してくるから、俺は――」
「そうじゃない。そうじゃ、なくて……」
俺にかましたタックルもどきについて弁解でもあるのか、リリウがうつむきながら言う。
「さ、さっき、ちょっとフィンネに……本気でドキっとしちゃってた、でしょ?」
「そ、それは……」
やっぱり女の子だな。
そういうの、わかっちゃうなんてさ。
「聖職者のくせに」
「し、仕方ないだろ!? お、俺だって、男なんだからさ」
「胸の大きな女の子が専門のくせに」
「あ、あんな状況じゃ、男子は誰だって……ああなるっての!!」
「大きな胸よりも、ほ、本当は……だ、ダークエルフにスケベな興味でも、ああ、あるんじゃないの!?」
「お、お前、何を!? 俺は別に、そんなこ――」
「だ、ダークエルフのえっちぃ裸婦画集、ちゃんと持ってたじゃん。本棚に、大切にコレクションしてたじゃん」
「うっ……」
ダークエルフの――しかも同じ歳の女の子であるリリウにそんなことを言われて、俺はいったいどう反応したらいいんだよ。
言葉が続かないでいると、
「ちょっとあなたたち、私がいること忘れてないわよね?」
自分の存在をアピールするみたいに、フィンネが俺たちに話しかけてきた。
冷静に考えてみたら、この娘は魔法で攻撃を仕掛けてきたんだよな、さっき。
何でこんなことになってるんだ、まったく。




