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ダークエルフの女の子が、聖職者と仲良くしたらダメですか?  作者: 渋谷 恩弥斎
第1章 少年牧師と、ダークエルフの少女
27/114

03/09. 誤解は解けた?

「ぼ、牧師さまのお姉さま――ですか!?」

「うん。よろしくね、アミカちゃん」


 驚いているアミカちゃんに、マルセラ姉さんが答えた。


「お、お話には聞いてましたけど……」

「私も、アミカちゃんのことは、昨日カッタくんに教えてもらったよ。いろいろ、教会堂の仕事を手伝ってくれてるんだってね。ありがとね、アミカちゃん。ウチのカッタくんがお世話になってます」

「い、いえ、お、お世話だなんて……」


 俺と姉さんの関係を理解してくれたアミカちゃんは、うれしそうにはにかんでいた。


 俺たち家族と、訪ねてきてくれたみんなで、今は朝の食卓を囲んでいる。

 パンとサラダとミルクっていう、すごくシンプルなメニューで。


 いきなり慌ただしい展開になっちゃったけど、どうにか落ち着いてよかったよ。


 よかった……んだけどさ。


「り、リリウ……そんな目で、俺をにらまないでくれよ」


 今朝は俺の正面に座っている彼女の視線からは、もう『じぃーっ』という音さえ聞こえてきそうだ。


「……カッタのスケベ」

「だ、だから説明しただろ!? 俺はただ、姉さんの背中の傷跡に薬を塗った――それだけなんだって」


 起きたての姉さんが、いきなり妙な言い回しをしたから、リリウは俺を疑っているんだ。


「あんたの姉ちゃん、さっき『今朝も体がうずく』って」

「ふ、古傷に違和感があるってことだよ」


「『カッタくんのやつでぬるぬるにして』って」

「お、俺の持っている軟膏なんこうをつけてくれって、そういうことだよ」


「……は、裸の姉の背中に、ぬるぬるしたものを塗りつけるなんて」

「い、言い方に悪意があるぞ、リリウ!?」


 黒こげにされるのは避けられたけど、はたして彼女は、ちゃんと俺のことを信じてくれているんだろうか。


「だ、だいたい、今日はずいぶんと朝が早いじゃないか。お昼近くまで寝てるのが、ダークエルフの普通なんだろ、お前いわく」


 ウチに泊まるときはいっしょに朝食をとるから、文句を言いながらも起きてくることが多いけど、そうじゃないときは、昼食の時間くらいに顔を出すことがほとんどだったのに。


「(も、もしかしたら万が一の間違いが――ってことを考えたら、居ても立ってもいられなくて……)」

「何だよ、はっきり言えって」

「う、うるさいなっ。め、目が覚めたから来てやっただけだよ――はむっ」


 不機嫌そうに、リリウはパンをかじっていた。

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