03/04. 優しい温もり
「――ということなんだよ、ね、姉さん」
「……なるほど、理解しました」
とりあえず床だけ掃除させてもらった俺は、そのまま正座になって、いろいろなことを説明するはめになった。
アミカちゃんの小言とはまた少し違う、恥ずかしさと罪悪感が混ざったような、何とも変な気分にさせられる感じ。
あぁ、何だかこういうのも久し振りだな。
「つまり、この女の子は、ダークエルフのリリウちゃんで」
「う、うん」
「いろいろあったけど、カッタくんはリリウちゃんと親しくなってきて」
「ま、まぁ」
「それでついさっき、カッタくんが自ら生成した温かくてとろみのある白濁の液体が、リリウちゃんの体にかかっちゃって――」
「俺が料理したクリームシチューについて、誤解を受けるような表現をしないでくれる!?」
当事者の俺でさえ、まったく違う意味に聞こえるからね、それだと。
「……ま、間違いは起こってないよね、カッタくん?」
「も、もちろん。そんなこと、も、もう全然」
「でも……お姉ちゃんが留守なのをいいことに、女の子を連れ込んでるのは事実よね、カッタくん?」
「だ、だから、言い方が妙に――」
「ごめんね、カッタくん。男の子としての欲望を我慢できないときは、お姉ちゃんがいっぱいご奉仕してあげるってちゃんと約束してたのに、お姉ちゃん、約束守れなくてごめんね」
「リリウだって聞いてるのに、変なこと言わないでくれよ、姉さん!?」
「…………」
「無言はやめて、リリウ!? これ、冗談だから!? 姉さんなりの、ほんのささいなジョークだからっ!!」
俺の裸婦画集の存在だけでなく、その中身まで知ってて、さらにアミカちゃんに全部処分されちゃったのさえ笑っていたリリウが、本気で引いちゃってるよ!?
「ちょ、ちょっとマジで姉さん、俺の名誉がとんでもなく――」
それ以上、俺は文句を言えなくなってしまった。
ふざけているわけでも、エッチなニュアンスがあるわけでもなく、姉さんがそっと、俺を抱きしめてくれたから。
「ただいま、カッタくん」
「……おかえり、姉さん」
リリウに見られているのは正直恥ずかしいけど、俺は素直に、姉さんを受け入れた。
うん。
やっぱり、姉さんは温かいや。




