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放課後、空き教室の3センチ  作者: 三日月
第一部 三章:③秘密の隙間と、冬の予感
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第二十二話:解き明かされたナゾと、重なる影

テスト最終日。

最後の教科の合図(チャイム)が鳴り響き、校内には一斉に開放的な空気(ざわめき)が満ちていった。

重い束縛(テスト)から解き放たれた生徒たちが大声を上げて喜ぶ中、僕は速やかに荷物をまとめ、隠れ家(いつもの場所)へと向かう。

ギィ、と重い鉄扉を開けると、そこにはすでに瑠愛(るあ)が待っていた。

西日の射し込む資料室(へや)で、彼女は窓枠に腰をかけ、僕の足音(かえり)を待っていたらしい。

「おかえり、湊(みなと)。……テスト、どうだった?」

瑠愛(るあ)が薄く微笑みながら、僕の顔を覗き込んでくる。

僕はカバンを机に置き、深く息を吐き出した。

「瑠愛(るあ)の手紙のおかげで、なんとか全力を出し切れたよ。数学の難問(ラスト)も、二人で復習した解き方で解けた」

「ふふ、本当? ……よかった。湊が頑張った成果だね」

安堵したように胸を撫で下ろす瑠愛(るあ)の姿が、夕暮れの光芒(ひかり)に照らされてどこか幻想的に映る。

彼女はトコトコと歩み寄ると、ごく自然な動作で僕の制服(そで)をぎゅっと掴んできた。

「あのね、湊(みなと)」

「ん?」

「……テストが終わったってことは、もうすぐ冬休み(べつのじかん)が来ちゃうでしょう?」

少しだけ上目遣いになり、瑠愛(るあ)が不安(かげ)を削った瞳で僕を見つめる。

放課後という口実(まほう)が使えなくなる長期間の休み。

「学校に来られない間、湊(みなと)に会えないのは……私、すごく寂しい」

凛(りん)とした普段の姿からは想像もつかない、僕だけにしか見せない素顔(あまえるがお)。

僕は掴まれた彼女(るあ)の手に自分の手を重ね、ゆっくりと力を込めた。

「大丈夫(だいじょうぶ)だよ、瑠愛(るあ)。約束したろ? 休み中も絶対に時間(あいだ)を作って、二人(わたしとあなた)だけで会うって」

「……うん。湊(みなと)がそう言ってくれるなら、私、信じる」

言葉とともに、瑠愛(るあ)がそっと僕の肩に頭(おでこ)を預けてくる。

髪(すず)から漂う甘い香りが鼻腔をくすぐり、胸の鼓動(たか鳴り)が二人分、重なって響いた。

三つ子(陸海空)の気配もない、静寂に包まれた秘密基地(ここ)。

僕たちの新しい季節(ふゆ)が、すぐそこまで近づいていた。

3章と区切りがついて慣れ始めたので

ルビを多めにしてみました。

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