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放課後、空き教室の3センチ  作者: 三日月
第一部 二章:②名前のつかない距離
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第二十話:解けた緊張と、これからの秘密

「……明日からの期末テスト、頑張ろうね」


瑠愛が上目遣いに僕の目を見つめる。

夕暮れの光が差し込む旧・第一資料室。僕たちの膝と膝が軽く触れ合い、握りしめた手からは心地よい温もりが伝わっていた。


「うん。でも、テストが終わったら……また、湊の手料理作ってね。今度は……もっと甘いおかず、入れてほしいな」


「了解。瑠愛の好物、たくさん調べて作ってくるよ」


「楽しみ。……ねえ、テストが終われば、冬休みも近くなるね」


瑠愛は僕の手をぎゅっと強く握り直し、窓の外に広がる冬の茜空を見つめた。


「冬休み……学校が休みになったら、この部屋で会えなくなっちゃうかなって……ちょっと不安だったの。でも……」


「大丈夫だよ」


僕が言葉を重ねると、瑠愛はゆっくりとこちらを振り返った。


「……本当? 学校が休みになっても、私と会ってくれる?」


「当たり前だろ。妹たちに怪しまれない口実を作ってでも、絶対に時間作る。瑠愛を一人にさせないよ」


「っ……湊……」


瑠愛の瞳が揺れ、マフラーに顔をうずめるようにして照れくさそうに笑った。

かつては他人に心を開かず、誰も寄せ付けなかった「学年一の美少女」。

だけど今の彼女は、僕の前でだけこんなにも素直で、愛おしい顔を見せてくれる。


「約束だからね。……もし破ったら、罰ゲームでまたお弁当あーんしてもらうから」


「それ、僕へのご褒美にしかなってない気がするんだけど……」


「〜〜〜っ! もう、バカ!」


赤くなった瑠愛が僕の肩をポカポカと叩き、二人で声を殺して笑い合う。


三つ子の愛陸、愛空、愛海たちの鋭い追跡をかわし、手作りの二段弁当を分け合い、ロッカーの中で息を潜めた日々。

「涼風さん」と「黒木くん」だった僕たちの境界線は、もうすっかり溶けてなくなっていた。


けれど、これはまだ始まりに過ぎない。

これから訪れる期末テスト、そして二人が初めて迎える冬休み。

二人の秘密の放課後は、ここからさらに甘く、深く、加速していくんだ——。

2章終わったぁ、

こっからきまっつ

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