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THE PHANTOM THIEF ~紙一重の正義~(幻想怪盗団~罪と正義~改訂版)  作者: 陽菜


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幻想怪盗団 あとがき

これにて、初代幻想怪盗団の物語は完結です。

この物語はオリジナルを少し短くした改訂版です。ご了承ください。


蓮は最初、世界に絶望して精神的にも病んでいました。そこから仲間達に出会い、少しずつ変わっていきました。

特に影響を与えたのは、『ジョーカー』こと愛良です。彼がいなければ、この物語がここまで続くことはなかったでしょう。彼女自身が言っていたように、ヨッシーと『ジョーカー』がいなければどこかに消えていました。

それから、対になる冬木こと光助の存在も、彼女という人物を成り立たせた要因です。彼がいなければ「ここで死んでもいいか」と蓮は思っていたでしょうから。本当に、ここの登場キャラ達がいなければ「蓮」という少女の物語は成り立つことはしなかったのです。

良希の足が壊されていなければ、風花が狛井に迫られていることに苦しんでいなければ、蓮はそのまま絶望した日々を普通に過ごして、正義について考えませんでした。己が本当の犯罪者になってでも救い出すという決意はしなかったのです。その決意がなければ、何度も何度も繰り返すということもありませんでした。

皆さんにとっての「正義」はなんですか?法律こそ正義だという人もいれば、自分の信じた道こそ正義という人も、はたまた別の正義もあるでしょう。

それが人としての倫理に外れていなければ、それでいいと思います。蓮達怪盗団が己の正義を貫いたように、自分の正義を貫いてください。


実ははじめ、どこまで書こうか悩みました。本当は十四章の段階で冬木 昭人を改心させて……という物語でもよかったかなと思っていました。その場合、三学期は省くつもりでしたね。

理由としては、その段階の蓮だと開原先生の現実を受け入れてしまうと思ったからです。十四章時点の蓮はまだ精神的に大人になりきれていませんでしたから。

しかし、十五章以降を書くことにしたことでこの子なら乗り越えられると三学期の物語まで書きました。ぶつかり合いながらも、最後まで己の正義を貫けるだろうと思ったのです。

ちなみに、最初は愛良を出さず裕斗と結ばれる予定でした。でも、この設定にしたことでかなり考えて本編のような物語になりました。裕斗との絡みが多いのはそういった理由です。

こういうこともあるので、カップリングは自由に組んでください。続編ではこのままいきます(蓮と愛良のカップル)が、脳内で自分の好きなキャラを結ばせてください。


私の書くヒロイン達が基本的に重い設定なのは「そうでないとこの物語は作られないから」です。たった一つ設定が変わるだけでも、本編は作れないのです。

虐待をうけていたり、大事な人が亡くなったり殺されたり……中にはそういう物語は見ていられないという人もいるかもしれません。実際にそんなことがあった人だっているでしょう。

でも、ずっと目をそらしてはいけません。世界にはそれ以上に酷い扱いを受けている人だっています。

実はこの蓮という人物、作者自身の実体験も含んだヒロインです。自傷行為や病院に通っているなど、私の実体験から来ています。自傷行為は今でこそ最小限に収まっていますが、酷い時は毎日していました。これを書いていた当時、入院すらしていた時期も含まれています。そこで書いたのが丁度十九章と二十章の部分です。学生の時はいじめも受けていましたし、身内を一人亡くしてもいます。

もちろん私だってつらいですし、忘れてしまいたい記憶です。でも、その事実から逃げ続けていても、何にもなりません。ゆっくりでいい、受け入れていかなければずっと「苦しい記憶」にしかならないのです。


私は決して、小説の登場人物たちが乗り越えられなような話は書かないようにしています。なぜならそれでは物語が不自然になってしまうからです。

だからこそ、どこまで書くかという悩みが出てきたんですね。そしてこんなに長い物語になってしまいました。

エピローグの意味は「それぞれの道、掴んだ未来」です。怪盗団のメンバーがそれぞれの道を進みながらも、その絆は決してほどけることはありません。その意味合いを込めて最後の章タイトルにしました。


私の書く小説のテーマは「可能性の世界」、どんな物語でもあり得るのです。「バッドエンド」も、二学期ルートも、偽りの幸せを受け入れるルートも、全部あるのです。私が書いているのはあくまで「この本編でのトゥルーエンド」というだけで。

みんなの思うこの世界の「ハッピーエンド」はなんですか?設定から変えても構いません、機会があれば考えてみてください。


シンシア達の物語の時もいましたが、この世界は蓮達のようにやり直しなどできません。だからこそ、自分の信じた道を進まないといけないのです。それがたとえ報われなくても、誰かが見ています。


さて、長くなりましたがここでいったん閉じたいと思います。続編は蓮と愛良(ここは皆さんの推しでどうぞ)の子供である双子の話になります。

今後、幻想怪盗団の物語がどうなるかどうぞ楽しみにしていてください。


この後にここ限定の書き下ろしを投稿するので、そこまで読んでくだされば幸いです。

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