人間なんてゴミです、あはははは。とか言いながら街に入るな
龍族にしたミシディアが帰ってきた。
血塗れで、高笑いしながら。
「あはははは!!!!やりました!この血はすごい!!!人間なんてゴミです!!!あはははは!!!!」
不審人物がいます。
関わりたくないなぁ。
「ミシディア、とりあえず身体洗ってきなさいよ」
「???ああ。そう言えば汚れてますね」
気付いて無かったらしい。
「わが主!龍族は凄い!復讐は、完全に!完全に!成し遂げました!」
「あるじって、なによ」
こんな性格だったっけ。ミシディア。
龍族の血のせいかな。
「主は主です!わたしは感激しています!化け物?いえ、わたしは!誇り高き龍族になったのです!わたしを選んでくださった方を!主と呼ぶのは当然です!」
やかましい。
ミシディアの件はおいておいて。
わたしは、リグルド様との打ち合わせを重ねた。
帝国内の辺境に土地を構える。
その山を金山に変える。
「帝国に仕える公国として運用するのが一番かと言うことです」リグルド様
「え?独立するのですか?」
「独立と言っても、金山にする山の麓の街一つか二つ程度です。金山自体は帝国が管理しますが、その麓にあなたが住み、黄金を産み出す」
ゴールドドラゴンの力を借りた件も、リグルド様に話した。その結果がこれ。
「帝国は元々公国の連合体なのです。それが一つ増えるだけです」
「なる程」
「帝国は金山だけではなく、あなたの能力にも期待しています。そして龍族」
「はい。一人龍族にしました。盗賊1000人を葬ったと」
「聞いております。まずはその娘を派遣してほしいと」
「分かりました」
さようなら、ミシディア。
よく分かり合えないうちから離れるね。
私は引っ越しをする事になった。
オルグナとニールのお別れ会。
いや、メイルとオルグナ商会の解散式。
オルグナ商会は続くが、もう私は関わらない。その解散式。
だが、その前にニールに呼ばれた。
「俺を龍族にしろ」
「…は?」
意味が分からない。
「龍族は知能が底上げされる。間違い無い。ミシディアがそうだ。なんの教育も受けていない下級娼婦が、数時間で古代語の読み書きをマスターした」
ニールは真剣な顔で言う。
「俺には知識が必要だ。だが、もう限界を感じている」
「でもニール、龍族にはデメリット…」
ここまで言って気付いた
「…闘争本能はともかく、人をバカにするのは…」
「元からだ。俺は俺以外はカスだと思う」
そうですねー。
「無論葛藤した。自分が自分でなくなる感覚。俺はお前の変化を目の当たりにしてショックも受けたんだ。だが、本質は変わっていない。お前はメイルのままだ。なにより、龍族とオリジナル・ドラゴンではまた傾向が違う。ミシディアも本質は変わっていなさそうだ」
「でも、怖くはないのですか、ニール」
私は、意思関係なく変えられた。
ミシディアは、すべてをなげうってでも為すべきことがあった。
では、ニールは?
「ミシディアは故郷の復讐に全てを捧げた。俺が知識の為にすべてを捧げられないわけがない」
力強く頷くニール
「さあ!龍族にしろ!」
……硬直する私
「どうした、メイル」
「あの、大変に申し上げにくいのですが」
「?なんだ」
「龍族のなりかたは大量の血の接取です。で、一番やりやすいのは口腔からの接取なんですが」
「ふむ、なるほどな。合理的だ」
「ニールとキスしたくない」
「なんでだ!?お前は女同士でキスしたのだろう!?」
「男とか!女とかじゃないんだよ!ニールだよ!?私にとってはお兄ちゃんみたいなもんだよ!そんなのとキスできるか!?」
硬直するニール
すると
「…そ、そうか!妹か!お前に対する最近の苛立ちは、妹が逆らってきたからむかつく、とかそういう理由か!」
頭を抱えながら笑うニール
そして
「痛みはすぐ癒え、傷口は残らないのだろう。手首を切ってくれ。血が大量に出る」
「わかりました」
そう言って、座るニールの上に腕を出し、躊躇なく腕を切り裂いた。
「…!…ぐ!」
離れて飲もうとしたが飲み辛いようだ。今は直接傷口に口を付けている
正直ぞわぞわする。
おかしいな、ミシディア相手だとキスでも嫌悪感無かったのに。
そして、「ぐ、ぐううううう!!!!」ニールの身体は変化した。
痩せ細った身体は、見違えるような身体に変わる。
そして
「…ああ…ああああ!!!なんと!!!なんと愚かだったのだ!おれは!!!あれだけ悩んでいた知識の矛盾が!!!今では理解できる!!!そうだ!!!今ならば!!!解決できるぞ!!!!」
そう言ってダッシュで去っていった。
「…ニール、送別会は…?」
結局送別会にニールは来なかった。
ここで、メイルの長かった旅は終わりです。
次からは百合百合しい展開になります。




