ドラゴンゾンビを狩るためには黄金を積むしかないのです
分配金を配り終わったあと、ニールのところに向かう
「間違いないぞ。アイスドラゴンの鱗は氷魔法を発動する」
「素晴らしい」
「動力攻撃も可能だ。既に試した」
「つまり、鱗がある限り使えると」
「うむ、しかし鱗の数は有限だ。今まで通り、魔法使いに頼るのは変えない方がいいな。緊急用だ」
「素晴らしい結果です」
「そうだな。これで一区切りついた気分だ」
「後はドラゴンゾンビについて」
「うむ、知識の積み重ねは続けよう」
アイスドラゴンは成功した。後はドラゴンゾンビ。
私の頭には対策が浮かんでいた。
「オルグナ、私は識都に戻ります。後からで良いので戻ってきて下さい」
識都に戻り即教会。
そして
「ハユリさん!いらっしゃいますか!」
「まあ!お久しぶりですね!メイル!」
ハユリさんが喜ぶ
「只今帰って参りました!」
「無事なのはなによりですわ」
そして
「ハユリさん!教会のえらい人にお会いしたいです!お願いしたいことがあります!」
ハユリさんは「えらいひと」と聞いて、以前お会いしたことがある、リグルド様を推薦した。
そして、来月来られるらしい。
それまでに必ずお金を持って帰ってこい。
と、オルグナに遠距離通話を行った。
単にお願いで動く訳はない。
慈善事業で100人なんて動かせない。
であれば、お金を積めばいい。
聞くとリグルド様は、教会の中でお布施の管理をされているらしい。
一番話しやすい人だ。
それから、毎日教会にいき、色々話をして準備をした。
100人の聖魔法にうってつけの存在も、知り得た。
「第一聖魔術部隊」
ちょうど100人の聖魔法の遣い手達で構成された集団。バッチリである。
神様に感謝。
翌月、運命の日
「お久しぶりですね、メイルさん」
「お名前を覚えて頂き、感激ですわ」
「ふふふ、ハユリからの手紙に、必ずあなたのお名前があるのですよ。その若さで素晴らしいお布施をされていると」
「神のご加護です」
「その感謝の心を喜んでおります」
「今日、御足労をお願い致しましたのは、ドラゴンゾンビの件です」
リグルド様の顔が引きつった。
「わたくしは、ドラゴン殺しを生業としています。既に何体も葬って参りました。そして、ある国からドラゴンゾンビの討伐を命じられました」
言葉を区切る。
「私達にはドラゴン殺しのノウハウがあります。しかし、ドラゴンゾンビにはそれが通じません。出来るとすれば、聖魔術のみです」
「メイルさん、それは分かります。我々としても、存在自体が罪のドラゴンゾンビとは何度か闘っています」
「はい。その事実も存じております。我々はドラゴン殺しのエキスパート。参謀は既にドラゴンゾンビを如何に殺せるのか、その必要な人材とやり方も思案いたしました」
「…ほう、誰と誰ですかな?」
「はい。第一聖魔術部隊です」
「…?…ま、まさか、第一聖魔術部隊全員!?」
「はい。100名による聖魔術の連続攻撃が解です」
「しかし、そのような規模の出陣は」
「もちろん分かっています。その為に私は来ました」
そして
「これの10倍積みます」
1000金の金貨
10000金だ。莫大なお金
「…な、な。そのような金、あなた方には損でしょうに」
「我々はドラゴン殺しが生業です。ドラゴン殺しを頼まれて、出来ませんは有り得ないのです」
本当は断りたいのですけれども
「…ふむ。一万金…確かに部隊は動かせる」
「名声も勿論そちらです」
「…しかし、いや…ふむ…」思案するリグルド様。ここで躓けばもう無理だ。
ドラゴンゾンビ撃破は諦めるしかない。
しかし
「分かりました。動きましょう。三月待ってください」
にこやかな笑み。その包み込むような笑みに
「ありがとうございます」
何故か、涙が出そうになった。
報酬5000枚なのに、10000枚の金貨を積んだ理由は
「聖魔術部隊所属のひとを呼ぶのに、1人金貨100枚かかる」と情報を仕入れたので、その通りにしました。
この時点でハユリの影響で信仰心のあるメイルには、教会から値切るという発想がありません。
他で儲けて損失を補填しようと切り替えています。




