魔性の女と呼ばれるようなことをした記憶がありません
街を出ようとしたところで、前見た顔に声をかけられた。
「あなたは…」
「あ、うん。この前の一行のね」
そうだ、後ろにいた人だ。
「この前はごめんね、急に獲物寄越せ、とか失礼な話をして」
「いえ、こちらも余裕がなく申し訳ありませんでした。どうしてもドラゴンを倒した瞬間は緊張してしまうもので」
ちょっとビックリした顔。
「あ、あのさ。あいつみたいに、分け前とか、そんなんじゃなくて。あの戦いで3人仲間が死んでるんだよね。それで、葬儀とか、あげてあげたいんだけど」
冒険者はそういうことがある。
仲間が死ねば、葬儀をする。魂がまた戻るように。その際に遺族に金を渡すのだ。
「そうですか。共に同じドラゴンを狙った同士の弔いならば話は別です。着いて来てください」
「え?」
そのままオルグナのところに戻り
「オルグナ、60金」
「あいよ」ポンと渡す。
私のお金はオルグナに預かってもらっている。
「どうぞ、これが弔いです」
「え!?こんなに!?」
「ドラゴンが討伐できれば、これの何十倍も得られました」
「そ、そっか」
暫く金貨を見ると
「ありがとうね」
そう言って出て行った。
街から離れようとしたが、オルグナが揉めた
「申し訳ない。トラブルは自分で解決する。もう少し待ってもらえないか」
「…おるぐなー」
足止めの理由は女。
オルグナ、娼婦ではない女とやったのだ。
これは本来は大問題。
本人は「騙されたんだ!」だ、そうだが。
妻子いるのにね。まったく。
本来はオルグナは後からでいいのだが、今回はダメだ。一緒に国境を抜けないといけない。
抜ける許可証は一つしかない。
「…愚劣な」ニールが天を仰ぐ。
この街ではろくな本もない。ニールからしてみたら早く移動したいだろうに。
「お、いたぞ!」
「だからやめなって!60金もくれたんだよ!?欲張りはやめろーーー!!!」
遠くで大騒ぎ。
その光景で理解した。
60金を持って帰ってきた女の子。
それを見て欲が湧いた男の子。
それを止める女の子。
止まらない男の子。
なんて分かりやすい
「逃げたいです」
「…まあねぇ」細かい説明はしていないが、理解したらしいネクリさん。
「私が話してくるよ」
そう言って話をしてくれた。
結果
「荷物持ちにはいいじゃない」
なんとついてくることになったのだ。
護衛と素材運びで100金でどうだとネクリさんが言ったらあっさり頷いたそうだ。
「なんか色々ごめんね。でも嬉しいよ。ドラゴン殺しの一行に混ぜられるなんて」
その人はメグさんと言った。
向こうのリーダーのアキラさんとは恋人同士に見える。
「よし!いくぞ!いざドラゴンだ!」
「だから私たちは護衛だっつーの…」
猪突猛進のリーダーとそれを止める恋人。
なんというか、微笑ましい。
「いや、しかし、収まるところに収まったんじゃないか」
「うんうん、わたしも盗賊からの護衛ぐらいでちょうどいいさ」
アキラさんの他のパーティーも納得のようだ。
まあ100金でいいというなら問題ない。
娼婦以外の女性は、基本的に他人の所有物なので、本人の意思関係なく性行為をしたら犯罪となります。




