そういえばおじさんたちに囲まれていたので、自分が子供なことを忘れていました
「ミラーの噂聞いた?」ネクリさん。
「噂?」知らない。
「なんか、お金をバラまいて、街の子ども達集めてるって…」
「はあ?」なにそれ?
「私もそんな顔していたんだけど、どうも事実っぽいのよ。ミラーに聞きに行っても、いつも寝てるし」
「…なんなんでしょう?私も聞いてきます」
「うん、よろしくね」
ミラーさんがいるという家にむかうが
「…え?ここ?」
子ども達がきゃわきゃわ騒いでいる。
もの凄い大きな家。まさか買ったのか。ミラーさん。
確かに、彼女には千金近く渡しているのだから、こんな家何軒も買えるが。ここに永住する気?
「あ、新しい子が来た」
「あなたも、親に殴られたの?」
「え?」殴られた?
「ここに来たのは、親から酷い目にあわされたからじゃないの?迷い込んできたの?」
大人に混じりすぎて忘れていたのだが、私は普通にこの子達と同じぐらいだ。
「ミラーさんに用事があってきました」
「寝てるわよ」
「知ってます。起きるまで待ってます」
そう言って入る。
家の中にも子ども達が大勢ハシャいでいた。
すると
「あら、新しい子かしら。ミラーさんからいわれているから、ご飯は好きなだけ食べて良いわよ」
にこにこしたおばさんが来た。
「あ、はい」
「あら、でも随分血色が良いわ。良いところのお嬢さん?」
「私は、ミラーに用事がありまして」
「そう。寝ているけれど、そこの部屋よ」
ノックして入る
「ミラー。入りますよ」
くーくー寝ているミラー。
この人は1日の殆どを寝て過ごしていた。
しかし、寝心地の良さそうな布団だ。
椅子に座り少し待った。
ここまでの情報で明らかなのは、ミラーは何故か親からの虐待児を囲っているのだ。
あのおばさんからの話でも、意図的に囲っているのは分かる。
そして、突然現れた私を見てすぐ歓迎の意を示した点から言うと、参加は任意のようだ。
子ども達の意思できた子を囲っている。
なんの為に?
あとは起きたらミラーに聞こう。
「あれ?知らない子がいる」
扉をあけ、女の子が入ってきた。
「ミラーに用事がありまして。起きるまで待ってます。」
「ふーん。一応言っておくけど、ミラーは魔法使いだから、変なことしたら大変な目に逢うよ」
「知っています」
ミラーは無防備に寝ているように見えるが、微弱な魔法防御をかけていた。
うっかり触ると凍りかねない。
「可愛い子ね。ミラーになんの用なの?」
「なんでこんな事をしているのかを聞きに」
「どういうこと?」
「ミラーは私達の仲間です。変なことに巻き込まれないのか心配で」
「!!!あなた!メイルって子!?」
「はい」
「ま、待って!部屋の外で話を聞いて!」
部屋から追い出された。
「なるほど、困った子どもの駆け込み所になっているんですか」
「そう。ここが無くなると、みんな困るの」
目の前の少女はフェイと言った。
「ミラーはこの街に来て、この家を買ったの。いつも寝てばかりだから、家を追い出されて困った子が来ても放っておいた。それどころか、ご飯とかも用意してくれたのよ。レンさんがだけど」
あのおばさんはレンさんと言うらしい。
「段々と子ども達が増えるにつれて、問題が起こったんだけど、ミラーは全部金で解決したの。文句言いに来た親に金貨をばらまいたのよ。そうやって、ここは出来たの」
この街に来て半年ぐらいなのだが、ミラーがなんかやらかしているのはよく分かった。
「ミラーからあなたの事は聞いているわ。今度また旅に出るんでしょう?でもミラーを連れて行かないで!私達、ミラーがいなくなったら連れ戻されるわ!」
「旅にでるだけで、また戻ると思いますよ。この家は買ったのでしょう?」
「ミラーがいて、金貨があるから私達は守られているの。ミラーがいなければ、親は遠慮しない。」
深刻な顔
「え?でもミラーに買い取って貰ったんじゃないですか?今の話しを聞くと」
「は?」
「買取です。名目上は奴隷だかなんだか分かりませんが、他人の所有物になった子を勝手に連れ出したら犯罪ですよ」
「で、でも、買取って」
「だって、金貨でしょう?こんなところに逃げ込まないといけないぐらいの扱いしかしていない親たちですし、金貨受け取りとは売却ですよ」
フェイは呆然としていた。
起床したミラーから事情を聞いたが
「起きたら子ども達がいっぱいいた。お腹すいているらしいからレンさんにお願いした。親達が押し掛けたので、金貨をバラまいたら静かになった」
だそうな。
「旅にでる前に、希望者は聞いた方がいいかも知れませんね」
「わかったよー」
ミラーが手続きを進めると、子ども達は大喜びしていた。
その結果
「親分!親分!」
「おーやーぶーん!」
みんなから親分呼ばれるミラー
まあ、でも幸せそうだ。
その家には30人を超える子ども達が住むことになった。
ミラーの睡眠時間は16時間~18時間です




