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第69話 ミカエルと人狼の町

僕達は今日もラクダでのんびりと人狼の町を目指す。


「ミカエルは大丈夫?飽きてないか?」

旅に出てからもう三日目、ミカエルなら数秒で飛べる距離なんだ、飽きてもおかしく無い。


「え?飽きませんよ?なんならずっとこのまま二人でラクダに乗ってても良いくらいです。」

ミカエルは楽しそうに返事をした。


なら良かった、この数日色々な話をした。

僕が転移者で前の世界には種族が人間しかいなかった事や、魔法の代わりに科学が発展していた事など、ミカエルは楽しそうに聞いていた。


「トーマさんって恋人いなかったんですか?前の世界で」

痛い所を突くじゃないか。


「いなかったよ?何?いないといけないの?」


「何急に怒ってるんですか…聞いただけなのに…」

そんな会話をしているとようやく人狼の町が見えてきた。

結構かかったな、でも良い旅路だったよ。


「なんか久しぶりだなぁ…、ここの喫茶店のコーヒーが美味しいんだよね。」


「コーヒーを飲みに来たんですか?こんな遠くまで?」


「まあそれもあるけど、ミカエルとのんびり旅がしたかったんだよ、もう旅に出る機会も多く無いからね」


結婚をする、子供ができる、自分の時間はどんどん無くなっていくだろう。もう気が向いた時にふらっとポメヤと二人旅なんて簡単にはできなくなる。

もう、自由な旅は終わりかもしれない。


「あの喫茶店だ!座れると良いけど」

ミカエルは何か言いたそうだったが僕はわざと話を切って喫茶店に向かった。


「こんにちはー席空いてますかー」

内装は僕達が出て行ってから何も変わっていない、ポメヤの絵が飾られていて、バニラの匂いが鼻腔をくすぐる。


「いらっしゃいませ!え?トーマさんじゃないですか!?お久しぶりです!」

人狼のハルカちゃんだ、ここのマスターのヒロキにずっと片思いをしていたのだが、僕達のおせっかいでマスターと恋人になったんだよな。


ヒロキ君もお久しぶりですと空いた席に案内してくれた。

「天使族…初めて見ました、ポメヤちゃんはいないんですね。」


「ミカエルっていいます!今はトーマさんとデート中なんです!」


「トーマさんも隅におけないですね、デートの邪魔しちゃいけないですね。ゆっくりしていってください。」

ヒロキとハルカは気を遣ってカウンターに引っ込んでしまった。まあ後で話す機会もあるだろう。


「しかしトーマさん、この喫茶店雰囲気いいですね、なんかすごい絵もいっぱいあるし。どーせポメヤさんの絵ですよね」


「まあそうだね、前に絵をプレゼントしたり新しいメニューの開発を手伝ったりしたんだ。」


メニューを見るとアイスの種類は一種類、好きなフルーツを選んでトッピングできるらしい。


「僕はコーヒー飲むけど、ミカエルは?アイスっていうのが名物なんだよ」


「じゃあこのアイスにイチゴっていうフルーツをトッピングで、アイスコーヒーも頼みます。」

オーダーをして届いたアイスを食べたミカエルは一言、


「革命じゃないですか…」

なんかこの世界で革命ってよく聞くけどなんなの?そんな簡単なの?


ミカエルはおかわりまでしてアイスを頬張っていた。

アイスタイムが終了し、僕達はのんびりと談笑する。


旅の話、天使の国に来た旅人の話、得意な料理、好きな事、好きな物…


あっと言う間に時間が過ぎてしまった。

ハルカちゃんとヒロキ君にまた来ますと挨拶をし、僕達は人狼の町を散歩する。


ミカエルは目立つのかみんなの視線を感じる、まあ天使なんてこんなアイス食ってフラフラするイメージ無いよね。


陽も沈んで暗くなり、僕はミカエルの方を向いて遂に答えを返す…


「ミカエル、聞いてくれ。僕は魔法も使えないし強くも無い、移動も遅いし寿命も短い。

そんな僕でも良いなら、結婚しよう、好きだ。」

なんかミカエル相手だとすごく恥ずかしいが…僕は自分からプロポーズをしたかったんだ。


「あの…私はトーマさんよりもトーマさんの良いところを知ってますよ。優しいし、自分の出来る事にならいつも一生懸命で…ゲームセンター作るの楽しかったですよね。私はあなたを好きになって良かったと思います。私からもお願いです、結婚して下さい。」


ミカエルも少し照れくさそうだが…僕はミカエルを抱き寄せて唇を重ねた…。


ん?いや違う違う!

ミカエルは舌を入れて押し倒そうとしてくる。


「ちょっと待って!違うよ!なんか良い雰囲気だけど今じゃない!今は二人で手を繋いで宿屋に帰るフェーズだよ!?」


「いやもう我慢出来ません!今ここで!どうせ誰も見てないし!いっそ見られても良いですよ!」


良い訳ないだろう…僕はミカエルを説得し、宿屋まで腕を組んで帰った。その後はまぁ熱い夜だったよ。


翌朝僕は横で眠るミカエルの胸元で光るペンダントを見てとんでもない事に気がついた。


「ミカエルさん、起きてください。お話があります。」


「なんですかぁ?まだしますか?」


「いや申し訳ないんだが思い出した事がある!」

僕はすっかり忘れていた。


「明日はユーカの誕生日だ!急ぎプレゼントを用意しなければならないので!天使の国の宝石店に連れて行ってくれ!!」


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