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いつか空が晴れる時  作者: yu@
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第5話『笑顔』

気にいらねー。

朝からあの女のことを考えていた。得意のゲームで散々やられた上にへたっぴと言われた。

全く救いようが無い、リベンジしないと気がすまない。


いつものゲーセンに行くとあの女はいなかった。勝ち逃げかよ。

同じ学校のやつがいたんで聞いてみたら俺の事を聞かれたと言っていた。何者なんだ、あいつ。


「俺、やってませんから」

どっかのガラスが割れてたらしくて今日も職員室に呼び出された。


「正直に言えば、怒らないから、見てたものがいるんだぞ」

なるほど、誰かが嘘のチクリを入れているらしい。


なんかどいつもこいつも、もう信用できねぇよ。


今日も職員室に呼ばれた。今度はなんだよと思っていると先生に謝られた。

ガラスを割った本人が謝りに来たらしい。

前のなくなった金の件もむやみに疑って悪かったと言われた。


なんだろう、逆に気持ちが悪いくらいだ。


クラスの奴に聞いたら他の学校の奴に問い詰められたらしい。

はっ、意味がわからん


あれから何度かゲーセンに行ったが、相変わらずあの女は来てないようだ。


帰り道、他の学校のやつらに囲まれた。俺の名前を出して悪さしたやつがいるようだ。わざわざ人数集めて仕返しにやってきたらしい。


5人は、結構キツイな、なんかもう情けなくなって来た。


いつから俺には仲間がいなくなったんだろう。いや、俺が誰も信用出来なくなったのが悪いのかな。


なんとか、ふたりは、ボコって地面にうずくまっている。でも、あと3人は厄介だ。と言うか無理だ。


ふたりがかりで抑えられ、身動きが取れなくなった。あとの一人がコブシを握って構えた。


俺が諦めかけた時、コブシを握り締めてた奴が殴り倒された。

「何だ⁉︎」


俺を抑えてたやつらは驚いて俺から手を離した。

「誰だ、お前いきなり卑怯だぞ」

「卑怯は無いだろう、1人に対して

5人がかりの方がよっぽど卑怯だろうが。なあ、英治」


同じ歳ぐらいの男がそこにいたのだった。


「さて、お前ら俺の超スーパーウルトラグレートパンチをおみまいするぜ」

そいつは、言った。


「お前、翔太だろ!そんな馬鹿みたいなパンチの名前考える奴、他に記憶にねえよ」

「う、うるせー、正解だよ」


俺たちは、残りの2人をボコってやった。ほとんど俺がやったけど


気がつくと女が2人いた。ひとりは、あのゲーセンの女だった。

なんでだ?

そしてもうひとりは、あれっ

「おい、琴音、お前琴音だろ」

「えっ、憶えててくれたんだ。久しぶり英ちゃん」


「おいっ、久しぶりだな…」

ゲーセンの女に殴られた。

「英治っ!どう言う事だよ、琴音がすぐわかって何で私がわかんないんだよ」

「今、気付いたよ、お前真理子だったか?」

「何で半信半疑なんだよ」


翔太が、爆笑し出した。

つられて俺と琴音も大笑いした。

真理子だけは、むくれていたけど


「しかし、さっきの翔太の超スーパーウルトラなんとかパンチには笑ったよ、だいたい超とスーパーは、同じ意味だっつーの」


「アレで、あたしたちは、恥ずかしくて出るに出れなくなったんだよ」


「まったく、何でこんなになるまでほっといたんだよ」


俺と琴音と真理子が大笑いした。

今度は、翔太がむくれていた。


こんな風に笑ったのは、久しぶりだった。俺は、小さい頃からの夢を思い出していた。


俺は、人が笑っている顔を見るのが好きだった。俺の作った料理を食べて笑顔が見れるなら最高だと思っていたんだった。

俺は、コックになりたかったんだ。


新しいバイト先に遅れそうな俺は急いでいた。フランス料理店で厨房補助の募集を見つけたのだ。

いつか、俺の料理であいつらを驚かしてやるのが今の目標だ


「待ってろよ!」


雲の隙間から光が差していた、どうやら今日は晴れそうだ

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