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結婚式かぁ、楽しみだなーーー!!

王宮


今日は財務大臣を迎えての会議が開かれていた。

そこではこの国の王、フレデリックが満面の笑みで机を叩いた。


「皆!すごいのだ!!!」

「あの新興国へ十兆貸したら、来年には二十兆になって返ってくるらしい!!」


財務大臣の顔色が変わる。

「陛下!!お待ちください!!」

「危険です!!!」


「なぜだ!?倍だぞ!?」

「だからです!!!」


「お金が増えるんだぞ!?」

「そんな都合のいい話あるわけないでしょう!!」


「うぅむ、だが担当者は“絶対儲かる”と――」

「典型的な詐欺です!!!」


会議室は騒然としていた。


その時静かに扉が開き、侍従が入室を告げた。

「ヴィクトル公、入室いたします」


「ヴィクトル公爵閣下!」

財務大臣は目を輝かせてヴィクトルに資料を渡した。


「ははっ。私としては反対ですなぁ!」


ヴィクトルがそう軽やかに言った瞬間。


王は驚いた顔をしてしばらく固まった後

「そっかーーー!!!」


......あっさりと納得した。


「うむ!!ではやめよう!!!」

「切り替えが早すぎませんか陛下!?」


「だってヴィクトルが言うならそうなのかなー。と思って」

「さっきまで押し通す気だったでしょう!?」


「いやぁ、危なかった!騙されるところだったなぁ!!はははは!」

「私の説明は聞いていましたか!?陛下!」


そしてそのあとも王の暴走をヴィクトルが軽やかに止めながら、会議はいつも通りに終わった。


「いやぁ、危なかったなぁ!」

「本当に危なかったですな」


「十兆失うところでしたぞ」

「はっはっは!」


フレデリックは全然反省していなかった。


「それで、今日はどうした?何か用があったのだろう?」

「ええ」


「実は陛下にご相談がありましてな」

「相談?」


「アレン殿下と、ロゼッタの結婚についてです」

「ああ。もうそんな時期か」

先ほどまで巨額の詐欺に引っ掛かりかけていた人物とは思えない、とても優しい顔だった。


「ついこの前まで子供だった気がするんだがなぁ」

「私も同感ですな」


「早いものだ」

「あと一年もせず結婚か」


「アレンも大人になったなぁ」

「ロゼッタ嬢も」

「ええ」


「王妃にも話したのだ」

「アレンが結婚するぞと言ったらな、知っていますよと言われた」


「ははっ、さすが王妃様ですな」

「うむ。昔からそうだ、私が気付く頃には全部知っている」


「ところで、結婚式についてですが」

「うむ」


「演出関係は全てこちらで担当させていただきたいと思っております」

「演出?」


「ええ」

「妻が張り切っておりましてな」


「……マリアベル夫人か」

「ええ」

「どのくらい張り切っているのだ?」

「かなり。」


王はしばらく黙ったあと、とても重要な確認をした。

「王妃は、何と?」

「楽しみにしているそうです」

「なるほど。なら安心だな!」


「あと、アレン殿下も協力してくださるそうです」

「おお!!素晴らしい!」

「アレンはしっかり者だからな。私も楽しみだ!」


ヴィクトルは、何も言えなかった。

最近のアレンが何をしているのか知っているからである。


「ロゼッタのために論文まで書いてくれているのです!」

「熱心だなぁ!結婚式に論文まで書くとはさすがだ!」


ヴィクトルは、少し目をそらした。

論文の題名を知っているからである。


「はい、父としてもうれしい限りです!陛下もどうか楽しみにしていてください」

「うむ!公が言うなら間違いない!」

「楽しみだなーーー!!」


王は豪快に笑った。


その頃王都のどこかでは。

演出について真剣な顔で研究している王子がいた。


そして別の場所では。

「たくさんの人が集まりますもの!怖いですわぁ。爆発で牽制ですわ❤️」

と盛り上がる公爵夫人もいた。


平穏な結婚式になる可能性など、一ミリも存在していなかった。

陛下には、その笑顔を忘れないでもらいたいですね!


ロゼッタが無事に結婚式を終えられることを作者も祈っております!

本作もいよいよ終盤、あと数話で完結予定です。

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