私同士のサシ飲み会っ!
私の誕生日パーティーが終わり、私たちは各々好きな行動をしていた·····けど、夜になってしまったのでみんなは寝る準備を始めていて、私もフィーロ君に次女の寝かしつけをお願いしてフェニカをお風呂に入れに来た。
ほんとフィーロ君が居て助かるよ、たぶんフェニカと次女を私一人で面倒を見たらすぐぶっ倒れそうなくらい疲れるし·····
特にフェニカがヤバい、元気フルバースト状態で夜までずーっと元気な暴走機関車でもう止めるのにハリウッド映画が一本作れるんじゃないかってくらい毎日大暴走してるわ。
っていうか、本物の暴走機関車を止めるより大変だからねフェニカの元気っぷりは。
一度ガチで暴走機関車を止めたことあるけど、片手で行けたからね?
でもフェニカを見てみてよ、ほら全身泡だらけで走り回ってるもん。
「こらー!お風呂で走っちゃダメっていってるでしょ!!」
「あはひゃーっ!!おかーしゃおこったぁー!」
「まちなさーい!!っづぉあっ!!?」
ツルッ!
ゴチンッ☆
「いっっっっ!!!??」
ほらこんな風にさ、床に滑り止め加工がしてあってもフェニカの反転能力で『滑り止め』が『滑り増し』になってすっ転んじゃうんだもん。
ほんと、ヤンチャな娘になったよなぁ·····
でも私がすっ転ぶ程度なら別に平気····· 後頭部が激烈に痛いし血が出てるような気がするけど、意外と気のせいだったから大丈夫だ。
それよりあのヤンチャ娘をなんとかして捕まえて泡を洗い流してさっさとお風呂に入れなくては。
「きゃっきゃっ♪」
「·····はぁ、仕方ない」
「はっはっはっはっはっ、どこへ行こうと言うのかね」
「うんー?おふろー!」
「素晴らしい、終点がお風呂とは上出来じゃないか」
「おふろはいる!おふろ!!」
「待ちたまえ、いい子だから」
「うん!ふぇに、いい子!」
「来たまえ、フェニカに見てもらいたいものがあるんだ」
「なになにー?」
私はどっかの大佐みたいな態度でフェニカを早歩きで追いかけ、何度も声を掛けた。
するとフェニカはすぐに止まってキャッキャと喜び始めた。
前にネットで見たんだけど、某大佐のマネをすると子供には良いらしいのよね。
決して怒らないどころか褒めるように話しかけるからなのか、結構素直に聞いてくれるし、しかも優しく追いかけるから子供が全力で走って転ばないから結構便利なのよね。
そして無事に捕獲に成功した私は、フェニカをシャワーの前に座らせることに成功した。
·····だが、普通の事をやってしまうとフェニカは蝶々のように好き勝手に動き回ろうとする。
だからここに食い止めるため、私はちょっと細工をした。
実はうちの子、スタジオガブリが好きでめっちゃ見てる、わざわざわブルーレイ全部取り寄せたし、この前ガブリパーク行ってきたし·····
という訳で、湯気で曇ってる鏡にフェニカが1番気に入ってるキャラを書き始めた。
「さてフェニカ、この絵が何かわかるかね?」
「わかにゃい!」
「ふっふっふっ····· よーく見て答えるんだよ?」
「うんっ!」
今書いてるのは、すりおろし大和芋だ。
やっぱり子供にもめっちゃ人気あるのよねあの作品。
うちの子も週一くらいで見てるくらい好きで、ブルーレイ版のやつ全部買ったもん。
·····まぁ主に見てるのトトッ····· すりおろし大和芋と崖の下のポチャと天城くらいなんだけどね。
うん、今鹿とか百と百尋見せたらギャン泣きしたから見せてない。
ちなみに世界樹の根元にはロボットの実物大模型を作って飾ってあったりするけど子供達には若干不評だった。
あの落ちてきたロボットが再起動して暴れるシーンになるとトウマとか泣きながら隠れるし·····
んで蟲の王様を巨大な神の兵士も等身大で作るべきだったかなと思って作ろうとしたら全力全開で全員から拒否されたから、渋々超精巧なミニチュアを作って私の趣味の部屋に飾るだけにしたのよね。
ちなみにハウスのやたら動く屋敷は実寸大で作ってあるけど、この前動かしてたら色々壊れて修理中だ。
まぁ子供たちから不評だから置物にしとこうかなって思ってるけど·····
·····って解説してる間にも、絵に夢中になってるフェニカに私はシャワーを掛けて泡を洗い流しはじめた。
「温かいシャワーはお好きですか?そして最高のシャワーだと思わないかね?」
「うんっ!」
シャワァァァァァァァアアアアッ·····
「わぁー!ろろろ!きえちゃう!!」
「呂律が回ってなくてよかった·····」
こうやってキャッキャ言いながら騒いでるけど、大人しく座ってくれてるのはめっちゃありがたいなぁ·····
でもそう考えるとさ、私って入学前までは家でお風呂に入ったりしてたけど、こんな感じで逃げ回らないし大人しくシャンプーも体洗いもされてたから実はめっちゃ良い子だったんじゃないかな。
だって絶対に嫌がったりしないで落ち着いてるのって、実際やってみるとわかるけど相当楽だったと思うのよね。
まぁ他の所が大変すぎてそこら辺忘れられてるっぽいけど、育児としては物凄くやりやすかったと思うのよね。
「よし、シャワー終わり!じゃあ山芋とろろさんにバイバイしてお風呂入ろ?」
「わかったぁ!」
そして無事に洗い流す事に成功した私は、フェニカを連れて湯船に浸かったのだった。
◇
ギィ·····
がちゃっ·····
「·····どぅへぁ、つかれたぁ」
「お疲れさん、ちゃーんと母親してるねぇ」
フェニカを寝かしつけた私は、ガイア様が残り物と微妙に残っていた酒をチビチビ飲んでいるリビングへと戻って来た。
もう誕生日パーティーの片付けは大体終わってるけど、ガイア様が話をしたそうにしてたから戻ってきたのだ。
「そりゃもう二児の母ですし、みんなの子も時々面倒見てるんでそうなりますよ·····」
「だろうねぇ、私もひっさしぶりにフェニカたちの事思い出したよ、やっぱり、子供っていいねぇ·····」
どうやらガイア様はさっきフェニカにお母さんと言われたのがかなり響いているようだ。
まぁそりゃあんなに可愛かったらしばらくは忘れられないよ。
私だって毎日見てるのに未だに飽きが来ないんだもん、最強すぎるよ。
「さてと、1杯くらいなら付き合いますけど、どうします?」
「およ?いま2人目に授乳中じゃないの?大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ、並列存在できるようになったんで、それに·····」
まぁそれは置いといて、私は1人寂しく呑んでたガイア様の前に座って軽く一杯だけお酒を飲むことにした。
でも私は絶賛授乳中でお酒は飲まない方が絶対良い状態だけど、飲める方法はいくらでもあった。
まず私はガイア様と同レベルの神様になった事で死体人形ではなく素で自分を並列化して最大3人まで存在できるようになったし、アカシックレコードもガイア様の『インフィニティ』を引き継いで『トライ・インフィニティ』になって爆速になったしで、かなり強化された。
だからその並行の私を使えば育児に影響を与えることなくお酒も飲めるし、泡沫ムゲンの眠り姫でお酒を飲んだっていう事実を消してしまえばいいし、他にも魔法で体内からアルコールやアセトアルデヒドを抽出して取り出せば影響もゼロにできてしまうのだ。
でも、そんな事をしなくても実は大丈夫な新しい出来事が起きたのだ。
「フィーロちゃんから母乳が出るようになっちゃったんですよ」
「ぶっふぉw、何それ、私の世界でそんな事起きなかったんだけどw」
「一応日本の病院で診てもらったんですけど、どうやら女の子になって次女の面倒を見てたら体が勝手に反応して母性本能で出るようになっちゃったみたいですよ、診断結果的には女性ホルモンの過剰分泌のせいみたいです」
「なんそれ、あーおっかしいわぁ」
そう、なぜかこの前から性転換したフィーロ君が母乳を出せるようになってしまったのだ。
彼は大体1/2くらいの確率で赤ちゃんの面倒を見る時に性転換してやってるんだけど、当然の如く妊娠なんかしたことないのにみんなの赤ちゃんの面倒を見過ぎて母性本能ができてしまった結果、なんと母乳が出始めたのだ。
そしてお医者さん曰く、乳頭への刺激があって母性本能が云々とかホルモンが云々があると妊娠・出産を経験したことが無いのに母乳が出てしまう事があるらしい。
「んで一応成分検査もしてみたんですけど、完璧に母乳で飲んでも大丈夫って言われてみんなで大笑いしてフィーロ君がめっちゃ凹んでイジケてしばらく部屋から出てこなくなったっていう事件あったんですよ、リアルタイムで見れなくてホント可哀想ですよアレ、最近では一番笑いましたもん」
「·····後で記憶見せてくれない?めっちゃ面白そうかんだけど」
「んっふっふっ····· 私が録画してないとでも?後で見せてあげますよ、あっでもフィーロ君居るとすんごい怒るんでナイショですよ?」
ちなみに録画してたけど怒ったフィーロく·····ちゃんにカメラ壊されてデータ飛んだのよね。
まぁアカシックレコードに保存してた分は残ってるけど。
「話変えるけどさ、私ってこの後どうすればいいと思う?」
「その話題、私に振ったら仕事押し付けますよ?」
「ひええ、残業退散っ!」
「そんなに陰陽師になりたいんだったら昼夜ワーカーにしてやろうか?」
「徹夜じゃないですかヤダー」
私の仕事への恨みはまだ残ってるからな。
「·····でも、真面目にアドバイスするなら好き勝手していいと思いますよ、だって前のみんなも勢揃いしてるんですし」
「あーそれもいいねぇ、·····でも、今はここでいいや」
「ん?」
「やっぱりさ、私今のなかよし組のみんなを見てる時が一番楽しいわ、だからそれだけで十分かな」
「そうですか····· まぁ居ても良いですけど、掃除くらい手伝ってくださいよ?」
「おやおやぁ?最高神サマをこき使うとは偉くなったねぇ·····」
「私だって臨時最高神じゃい、っていうかただの総合管理職のトップですよね?私、手続きとかそういう仕事関係だと最高神扱いですけど·····」
「でも今は私が····· あっやべ····· 口滑らせたわ····· あーもういいよ分かった私の負け、もうちょいしたら復職してあげるから」
ガイア様はなんか自爆して復職することが確定した。
ラッキー!!
「まぁ無事に帰って来てくれて、仕事関係抜きで嬉しいですよ?なんだかんだ言って私の事を助けてくれてましたし、こうやって今私が『ソフィ・シュテイン』として存在できてるのはガイア様のお陰なんで、居てくれて嬉しいです」
「およ?珍しく素直だねぇ、·····でも、待ってくれててちょっと嬉しいよ、1人じゃないって感じられて少しはマシな気分になるからさ」
「んふふ、恥ずかしいんで顔見ないでくださいよ、ほらのんびり窓の外でもみっ·····」
「み?·····みっ!?」
\ゥォォオン·····/
\がしゃんっ/
·····えっ、いま世界樹の根元に作って置きっぱなしだった某空の城のロボットの実物大模型、動いてなかった?
いや、絶対動いてたよね?
なんか片手上げてたんだけど·····
えっ、怖っ!私あんな機能付けてないんだけど·····
怖くなった私たちはさっさと寝室に逃げて寝る事にしたのだった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「·····うん?そういや最近世界樹がよく根っこ使ってなんか作って遊んでるんだよな····· もしかしてアレでイタズラしてたのかな、な、なら良いんだけど·····」
名前:ガイア
ひと言コメント
「あのロボット、幼少期に見たせいでちょっとトラウマあるから私苦手だし、動いて来たらテンパって何もできない気がするんだけど····· こ、こわ····· 窓の外見ないようにしよ·····」




