表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第8章 TS賢者はアイを継ぐっ!
802/808

I/You “Could” Redo



 懐かしい香り、懐かしい景色、懐かしい場所


 ·····ここはディメンションルームの秘密基地だ。

 そこに、みんなが居た。



「ただいま、そして久しぶり、みんな」


「遅いよソフィちゃん!ワタシたちずっと待ってたんだから!」

「ずっと待ってたわよ、相変わらず諦めが悪すぎるわ」

「そーだそーだー!ちょっと暇だったんだからね!」

「遅すぎる!はぁ、まったくお主ってやつは生前からいつもいつも何をするにも長くてうざっちいのじゃ、もうこれ以上ワシを待たせるでない、さっさとあやつの所に行け」


「·····うん、ありがとうねみんな」



 あぁ、夢だ。


 でも、夢でいいんだ、これを、この時を、私はずっとずっと待ってたから。



 みんなから、こうやって文句を言われるのが楽しくてうれしくて仕方がない。


 ·····やっと、私もここに来れたんだ。



「·····待ってたよ、ソフィちゃん」


「フィーロ君·····っ!!ただいまっ!!」



 そして私は、ずっとずっと探していた、フィーロ君に思いきり抱き着いた。


 もう、何もかもが懐かしくて、全部嬉しい。



「おかえりなさい、ずっと待ってたよソフィちゃん」

「うんっ!フィーロ君、ごめんね····· んへへ·····」



 ·····やっと、終わりが無いループが終わったんだって、私は理解した。



「·····全員でいくって決めてたもんね、私はもういいから、いこう?」


「やっと、受け入れられたんだね」

「うん····· 凄く時間かかっちゃったけど、あの子のお陰でね·····」


「よかった、じゃあこれで全員揃ったし、そろそろいこう」


『『はーい』』



 そして、私は終わりのない物語に、私の物語に『おわり』という締めのひと言を書き加えるみんなとの約束を果たす事にした。



 ·····久しぶりに、そして最後に、やっとあの時の6人全員で横一列に手を繋いで並べた。



「じゃあ掛け声はソフィちゃんに任せるよ、やっぱり僕たちのリーダーが言わないと締まらないからね」


「んへへ、わかった、じゃあなかよし組っ!しゅっぱーつっ!!」

『『おーっ!』』




 私の人生の物語は、ようやくこれで、最後のページにFinと刻む事が出来た。

 私の人生という本を、完成させるのに、途方もない時間がかかってしまった。



 ·····でも、すごくいい物語ができたと思う。



 そうだなぁ·····

 私の人生はなんてタイトルがいいかなぁ····· 性転換して、転生して、何回も死んでも今日を生き続けた私の物語·····


 『TS賢者は今日も逝くっ!』


 なんて、どうかな?



「凄くソフィちゃんらしくて、僕はいいと思うよ」


「んへへ、そうかな?フィーロ君が気に入ってくれて良かった、じゃあ、そろそろ行こっか」

「うん、もちろん皆も一緒にね」


「当たり前じゃん、じゃあ····· 今日も、いこっ?」




 そして、私たちは終わりにいった。



 ·····でも、その前に、私はフィーロ君に引き止められた。




「待ってソフィちゃん、その前に少しだけ、僕から言いたい事があるんだ」


「なに?」


「今までずっと、僕たちのために頑張ってくれてありがとうね、それと·····」








\カチンコ!!/

\はーいカット!中止中止!なにやってんの私!!/






「えっ·····っ!!?」


「·····撮影中だよ、全部」



 振り返ると、そこには監督椅子に腰掛けてサングラスを掛け、メガホンを持った私·····


 否



「まったく!ソフィ・シュテイン主演『TS賢者は今日も逝くっ!』を勝手に〆ようとしないで!!まだ続くんだからさ!!」



 ソフィ・シュテインがいた。

 いや、ソフィだけじゃない。


「えっ、·····えっ!!?」


「ワタシはメイクと衣装担当なんだけど、なかなか上手でしょ!」

「僕カチンコやってみたかったんだ」

「ワシもやりたかったのに·····」

「カメラなら任せなさい?」

「わたし照明担当〜」


「なんで、みんなが·····2人?」



 そこには、カメラや照明が並んだ撮影セットが並び、なかよし組の面々が勢揃いしていた。


 ·····だけど、私の傍にはもう1人ずつ、なかよし組の皆がいた。



「えへへ、『クガネ』って聞き覚えない?」

「僕はずっと『ウラヌス』って名乗ってたよ」

「私は『グレイス』ね」

「わたしは『ミシング』だよー!」

「ワシは『天魔』と名乗っとったのじゃ」


「·····つまり、みんな」


「僕たちも神様になってたんだよ、ソフィちゃんはずっと気がついて無かったみたいだけどね」


「ど、どういう·····」



「私から説明するよ、ガイア様」


「えっ、その名前·····」


「先代ガイア様から伝言、『ようやく受け入れられたから、君に課してた枷は全部取り除いてあげたよ、そして今日から正式に女神ガイアを名乗りなさい』·····ですって」



 ·····説明すると、私がずっとガイア様と呼んでいたのが前のソフィ・シュテインなのは、ここ数話で知ってると思う。


 じゃあ、そのソフィ・シュテインが転生する時に対応してきた神は誰か?


 その答えが『大地の女神ガイア』なのだ。



 前のソフィ・シュテインは本物の女神ガイアの助けにより転生し、そして神になり『ガイア』の名を受け継ぐ事になっていた。


 ·····ただ、想定外なほどフィーロ君を愛してしまった結果、仕事を放棄し世界をやり直す永遠ループへと突入してしまった。


 そこで女神ガイアは、生まれ変わろうとするフィーロ君たちを神の世界に呼び寄せ、前のソフィ・シュテインには枷を掛けて気がつけないようにした。


 ·····いつか、みんなの死を完全に受け入れられる日まで。



 そして2()()()、ようやく全てを受け入れられた事で満足した彼女は、全ての神格を返還し、私に譲り、眠りについた。



「でも、なんで·····」

「まだ消えてないか、ですよね?」



 この世界は神の世界。


 神格を失いただの3次元生命へと戻った彼女には居る資格はない。

 故にこの墓標で彼女は消失し、永遠の眠りにつくはずだった。



 神といえど、願いを、生きる望みを失うと耐える事は出来ない。

 私は見たことはないけど、全てを失った神はいつの間にか消えていなくなるらしい。


 神と呼ばれる四次元生命体である神人族のうち、永遠の時を歩む私やガイア様みたいな神は決して死ぬことはない。

 だが、願いを全て叶える事で死と同義である消滅によって永遠の眠りに就く事ならできる。



「·····ガイア様、薄々、気が付いてるんじゃないですか?」


「·····まだ、神格(ねがい)が残ってるって言うの?」


「本当に全ての願いを叶えたなら、もう消滅しているはずですよね」



 しかし、ガイア様は全ての願いを叶えて眠りに就いたはずなのに体が消えていない。

 それは彼女にはまだ叶っていない願いが残っているという事を示しているのだ。


 きっと、この2年間で何か諦めきれない願い(後悔)がまだあったか、新しい願いが産まれたのだろう。



「それに、私たちもまだ消えて貰ったら困るんで、消えないように全力で保護してたんですからね」



 アカシックレコード『インフィニティ』を引き継いだ私は、2年間この墓標に掛けられたセキュリティを突破すべくハッキングを仕掛け続け、同時に彼女が消えないよう保護も行っていた。


 ·····というか有り得ないくらい頑強なセキュリティが掛かってて、ここに来るまで2年も掛かっちゃったわ。




「それと、たった今、新しい願いが生まれたんじゃないですか?」


「·····うん」



 ここに来た時、ガイア様はもう消失する寸前だった。


 ·····けど、今はもう何の心配も要らないだろう。



「ほら起き上がって、ソフィちゃん」


「うん·····っ」


 ウラヌス(フィーロ)が地面に座り込んでいた彼女にその手を差し伸べ、彼女はその手を取り立ち上がった。



「·····はぁ、んへへ、やっと逝けたと思ったのになぁ」

「僕たちからすれば、『やっと帰ってきてくれた』って感じだよ」



「ほんっっっっっとそうですよ!!育児で忙しい時期に行方不明になったせいで、ガイア様の仕事ぜんぶ私がやる羽目になったんですからね?それも2()()()も!!」


「··········えっ、2年間?」





 そう、ガイア様が行方不明になってから、大体2年の歳月が過ぎていた。



 私はついに20歳になり、日本でも十分大人と言える年齢になったし、なんと2児の母になってしまった。


 ·····ガイア様が姿を消してからちょっとして、私は第二子を授かり、2ヶ月ほど前に出産した。


 それだけじゃない、エビちゃんにもウナちゃんにも新たに子供が産まれ、グラちゃんは今度こそ本当に妊娠中、そしてあの男に興味が無さそうなアルムちゃんはなんとつい先日熱愛が発覚して大騒ぎになってる最中で、リリアは直哉さんの子供を絶賛妊娠中だ。


 他にもこの2年間で色々起きていて、挙げたらキリがないくらい本当に色々あった。


 その最たる例が見習い聖女3人組でシトラちゃん以外はボーイフレンドが出来たり他にも色々·····ほんと色々やらかして大変だった、ミナタは婿探しに来たはずなのに最近はもう漫画ばっかり描いてるし連載も持ってるし、レミア率いる衂教団は規模を拡大し続け、フェニカは3歳になって最近やっと活発に動くようになったアレキやトウマたちとそして当然の如く既に超絶仲がいいフロウと一緒に全力で転げ回って遊んでて激烈に死ぬほど可愛いし、もう一人の子もこの前産んだばっかりだけど今はだいぶ落ち着いてきてその子も元気で可愛いし、新国王様はなんやかんや上手い事王様をやってるみたいで世の中は落ち着いてるし、ご隠居様は町に馴染んだし、私のお爺ちゃんも家督を息子に継がせて引退する準備が進んでるし、イデアとタキス君は無事にマグウェル魔法学校の入学試験に合格して入学が決定したり·····



 本当に、2年という歳月は長すぎた。



 ·····あっごめん、1年半の方が近かったわ。


 まぁ、それでもあの時から随分と時間がたってしまっていたのだ。



「·····って事があったんですよ、なんで早く私が請け負ってた仕事に復職してくれないと困るんですよ!こっちは数時間おきの授乳と仕事の合間をぬって来てますし、正直もう限界ですし·····」


「でも、今まで私抜きでもできてたんでしょ?だから私なんて·····」



\プッツン☆/



「あのさぁ!!ガイア様が居なくなってから、引継ぎとかその他諸々の仕事のせいでテメェが普段やってた3倍以上の仕事を一人でやる羽目になったんだけど!? 今も並列で3人動かして絶賛仕事の処理中なんですけど?っていうか増えた原因、ガイア様が居ないせいで手続きが複雑化して書類が3倍になってるんですよ、だから早く戻ってくれないと私がガチで過労死····· あっAがついに倒れた!くそぅ····· 早く戻ってくれないと仕事が爆増して全員過労死しそうなんですよ!!」



 私はブチギレた。



 だって育児は一度やったとはいえやっぱり死ぬほど厳しいし、コイツが居なくなったせいで神様の仕事を引き継いだから神様としての格もかなり上がって、アカシックレコードが激烈に進化してトリニティから『トライ・インフィニティ』になって私を常に同時に3人存在させられるようになったりさ·····


 そんで時々過労死しながら必死で育児と仕事をこなしてたんだよ?


 何よりコイツの維持がめっちゃくちゃ大変で、アカシックレコード『トライ・インフィニティ』の機能の大半を使ってたし·····



 で?

 やっと帰ってきたと思ったら、また仕事を放棄しようとしてるんだから、流石の私だってキレるわ。



「·····まぁ、ここの維持にリソース割かなくて良くなったんで、今年いっぱいくらいなら何とかなりますけど」


「じゃあ、お言葉に甘えてもいいかな····· 私、みんなともっと一緒に居たいから·····」



「いいですけど、勝手に昇天しないでくださいよ?今あの世より恐ろしい地獄みたいな量の仕事が溢れ返ってるんで、もう神界がパンク寸前なんですよ·····せめて出来る範囲でもいいんで書類仕事だけでもやってくださいよ」


「えぇー·····」


「ていうか、私この労災申請出さなきゃなんですけど、アンタのサインが無いと死ぬほど手続きが面倒臭いからやって下さいよ!!ガイアの名を一時的に引き継ぐために完全に神化するしかなくて、私生活にも弊害出てるんですよ!!無理やり人間の体に神の体を封じ込めるのくっそ大変なんですからね!?」



 そして、私は『女神ガイア』の仕事を引き継いだ関係で完全に神様になってしまった。


 2年前までは私は意地で人間50:神様50で半人半神を維持してたんだけど、仕事の関係で諦めて完全に神様になってしまったのだ。

 そんで今は人間として生きていたいからこうして神という途轍もない恒星のような存在を無理やり人間の体の中にブチ込んでガッチガチに拘束したエ〇ァみたいな状態で日々を過ごしてるのだ。


 これが結構キツくて、基本的に神様の体は人間と変わりないんだけどなーんか居心地がよくなくて、少し窮屈だけど人間の体をつかってる·····んだけど、なんていうんだろ、パワーがあり余り過ぎて未だにうまく制御できてないのよ。


 どうしてくれんのコレ?


 いやまぁ、労災申請して金ふんだくる予定だけど。



「ったく····· まぁやっと帰ってきてくれましたし、四の五の言わずにさっさと行きますよ」


「·····何処へ?」



「私の誕生日パーティーですよ、私今日で20歳なんで盛大なパーティーをやる予定なんです、あとガイア様も私だから誕生日同じでしょ?それに復活祝いも兼ねてるんですから」


「えっ、えっと·····」


「僕らは行かない····· ううん、行けないんだ、3次元世界へ降りれなくなる代わりに4次元世界に居させて貰う事になってるからね、だから行ってらっしゃい、待つのは慣れてるからさ」


「·····うんっ、行ってきます」


『『行ってらっしゃい!!』』



 そして私たちは、復活したガイア様を連れて現世へと降りて行ったのだった。




名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「·····一応言っとくけど、終わりそうな流れだけど終わんないからね!!まだまだ続くから!!」


名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「·····寝起きでまだよく分かんないけど、やっと、望みが叶ったんだよね····· 私の願いが·····」


名前:フィーロ&ウラヌス

ひと言コメント

「前の僕かぁ····· あの、よく効くオススメの胃薬ってありますか?ツッコミしすぎて胃にダメージが····· あっ僕のと同じだ·····」

「それが一番良いよ、もっと強いのあるけど飲みすぎたら体に良くないのあるし·····」


名前:アルム&クガネ

ひと言コメント

「···············えっと、ワタシまだ胸大きくなるの?」

「なるよ、Mカップくらいにね」

\ヤダーッ!!/


名前:グラちゃん&グレイス

ひと言コメント

「前の私って事は未来の私でもあるのよね?·····この」

「そもそも世界線がだいぶ変わってるから宝くじとか競馬の結果を聞いても意味ないわよ、そもそも私も前世の頃はそういうのやってなったから知らないわ」


名前:ウナちゃん&ミシング

ひと言コメント

「えっと、つまりわたしとウェアとラーちゃんのサーちゃんとミシングさまで5人になったのかな?」

「別人だよー?ちなみにわたしも4人まで分裂できるから8人だね!」


名前:エビちゃん&天魔

ひと言コメント

「·····のぅ、なぜワシは天魔って名にしたのじゃ?」

「役職名じゃ、ワシは名を変えたく無かったからのぅ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ